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WORK 挨拶・マナー

2025.07.30

「おかげで」は敬語になる? 目上の人に失礼なく使う言い換え・例文ガイド【専門家監修】

クレームや問題解決後の謝辞での「おかげで」

・「迅速なご対応をいただいたおかげで、早期に解決に至りました」
・「ご理解・ご協力のおかげで、このたびは円満に収束いたしました」

謝罪やお礼の場面では、相手の尽力に敬意を持って言及することが肝心です。

メール冒頭や締めくくりに使える「おかげで」

・「いつも温かいご指導を賜りまして、誠にありがとうございます」
・「今後ともご指導・ご鞭撻のほど、何卒よろしくお願い申し上げます」

本題に入る前のクッションや、結びの言葉として感謝を添え、温かみを保ちつつも、ビジネスらしい節度を意識しましょう。

「おかげさまで」との違いとは? 正確に理解して使い分けよう

「おかげで」と似た言葉に「おかげさまで」がありますが、意味や使い方に違いがあるのをご存じですか? このパートでは、2つの表現の違いや混同を防ぐためのポイントを整理します。

「おかげで」と「おかげさまで」の意味の違い

・おかげで:「誰の」「どんな行為」のおかげかが明確な場合に使うことが多いです。特定の個人や行為への感謝を示します。
例:「(あなたが)手伝ってくれたおかげで、早く終わった」

・おかげさまで:不特定多数の人々や、漠然とした周囲の環境への感謝を示すことが多いです。「皆様のおかげをもちまして」というニュアンスで、より丁寧で社交辞令的な響きを持ちます。
例:「おかげさまで、息子も無事に卒業できました」

クエスチョンマークと女性
クレームや問題解決後の謝辞での「おかげで」

シーンによってどちらを使うのが適切か

・スピーチ、挨拶、近況報告など、聞き手が不特定多数の場合
「おかげさまで、弊社は創立50周年を迎えることができました」が適切

・特定の相手への感謝を伝えるメールや会話
「〇〇課長のおかげで、難しい交渉を乗り切ることができました」が適切。

混同しやすい例文と改善例

混同例:(上司に向かって)「この件、おかげさまで順調です」
これでも間違いではありませんが、誰への感謝かが少し曖昧です。

改善例:「〇〇部長にアドバイスいただいたおかげで、本件は極めて順調に進んでおります」
このように、感謝の対象を明確にすることで、より気持ちが伝わりやすくなります。

英語で「おかげで」はどう表現する? ビジネスで使える英文例

グローバル化が進む中で、「おかげで」のニュアンスを英語でどう表すかは重要です。ここでは、直訳だけでなく、ビジネスシーンで自然に使える英文例を紹介します。

Thanks to/Because ofの使い分け

・Thanks to: 「~のおかげで」。ポジティブな結果につながった理由を示すときに使います。日本語の「おかげで」に最も近い表現です。

例:Thanks to your support, we won the contract. (あなたのご支援のおかげで、契約を勝ち取れました)

・Because of: 「~のせいで」「~が原因で」。ポジティブ、ネガティブ両方の結果の理由に使えますが、文脈によってはネガティブなニュアンスを含むことがあります。

例: The game was cancelled because of the rain. (雨のせいで、試合は中止になった)

成果や感謝を伝えるときの英文表現

例:I couldn’t have done it without you.(あなたなしでは、成し遂げられませんでした)
相手の存在の大きさを伝える、心に響く表現です。

例:Your contribution was crucial to our success. (あなたの貢献が、我々の成功に不可欠でした)
よりフォーマルで、相手の働きを具体的に称賛する表現です。

丁寧でビジネス向きの英文メール例

メールの文面では、感謝の気持ちをより明確に記述することが大切です。

例:Thank you for your prompt response. Thanks to your detailed explanation, we now have a much clearer understanding of the situation.
(迅速なご返信ありがとうございます。あなたの詳細なご説明のおかげで、状況が非常によく理解できました)

最後に

POINT

  • 「おかげで」は敬語ではないが、丁寧さや感謝を表す言葉として多用されます。
  • 目上の人やビジネスメールでは、具体的な行為への感謝やより敬意のある表現を選ぶと安心。
  • 言い換え表現は、「お力添え」「賜物」「ご高配」など。

「おかげで」は便利な表現ですが、敬語として使う際のポイントを押さえないと思わぬ誤解を招きます。目上の人や大切な取引先には、「お力添え」や「賜物」といった表現と使い分けることで、感謝の気持ちを正しく丁寧に届けられます。言葉の選び方で信頼関係はより深まりますので、ぜひ用途や相手に合わせた配慮を心がけましょう。

TOP・アイキャッチ・吹き出し画像/(c) Adobe Stock

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執筆

武田さゆり

国家資格キャリアコンサルタント。中学高校国語科教諭、学校図書館司書教諭。現役教員の傍ら、子どもたちが自分らしく生きるためのキャリア教育推進活動を行う。趣味はテニスと読書。

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