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「とんでもございません」は正しい敬語?
思いがけずお褒めの言葉をかけられたときなどに使える「とんでもございません」という表現。ただ、上司や取引先など目上の人から褒められたときに正しい敬語として使えるのか分からない人も多いでしょう。
「とんでもございません」は「とんでもな」に形容詞を示す「い」を語尾に付けた「とんでもない」が語源です。そのため、本来は語尾が「ありません」に変換される表現は正しい日本語とは言えません。しかし、今はビジネスで定着している言葉のため敬語表現として使用して問題ないといわれています。

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「とんでもございません」の2つの意味
「とんでもございません」の意味は、大きく2つあります。意味を正しく理解して、状況に合わせて使用しましょう。
謙遜
まず1つめは、謙遜を表すときに使用できる「とんでもございません」です。上司や取引先など目上の人から褒められたときに使われます。相手の言葉を受け取りつつ自分を下げる謙譲否定で、目上の人から褒められたときに使える表現です。
目上の人から褒められたときに、どう応えていいか分からず笑って済ませる人も多いでしょう。そんなときは、「とんでもございません」と一言添えて相手の言葉を受け止めるのが望ましいです。相手に良い印象を与えられるでしょう。
否定
2つめは、否定的な意味合いが含まれた「とんでもございません」です。ビジネスなどで自分が予想していたよりも悪い結果が出たときや、強い否定を示したい場合に使えます。
この場合の「とんでもございません」は、取引先など目上の人に使用するのはあまりおすすめしません。使用する場面としては、部下など目下の人に対して使われることが一般的です。
謝罪の返答で使用できる?
「とんでもございません」を謝罪で使用するのは、避けたほうがよいでしょう。なぜなら、「とんでもございません」には、強い否定の意味合いが含まれるからです。
謝罪をしているにもかかわらず、否定を含む「とんでもございません」を使用すると相手に反省していないと誤解される可能性があります。そのため、謝罪の返答で「とんでもございません」を使うのはおすすめしません。

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「とんでもございません」の使い方は?
それでは、「とんでもございません」の正しい使い方を見ていきましょう。状況に合わせた使い方をそれぞれ紹介するので参考にしてください。
謙遜で使用する場合
謙遜の意味で「とんでもございません」を使用する場合は、相手からの主に感謝の言葉を受けて冒頭でクッション言葉として使われるのが一般的です。「とんでもございません」の後に前向きな言葉を続ければ、相手に好印象を与えられます。
【例】とんでもございません、少しでも御社のお力になれば幸いです