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2025.08.27

「取り急ぎお礼まで」は失礼? 意味・使い方・言い換えを場面別に分かりやすく解説【専門家監修】

「取り急ぎお礼まで」って実は失礼? 便利だけど使い方次第では誤解を招くこの表現。ビジネスメールでよく見かけるけど、目上の人にもOK? 正しい意味と注意点、言い換えまでまるっと解説! これを読めばもう迷わない!

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Summary

  • 「取り急ぎお礼まで」は略式ながら感謝を迅速に伝える表現。
  • 使い方を誤ると失礼になるため、相手や場面の見極めが必要。
  • 目上の人や取引先には基本的に避けるのが無難。

ビジネスメールや文書でよく目にする「取り急ぎお礼まで」という表現。便利な一方で、使い方を誤ると相手に失礼な印象を与えてしまうこともあります。特に上司や取引先など目上の人に対して使っていいのか、不安になる人も多いでしょう。

本記事では、「取り急ぎお礼まで」の正しい意味と語感、使う際の注意点、場面別の適切な言い換えも含めて詳しく解説します。

「取り急ぎお礼まで」の意味と背景を正しく理解する

この言葉を使うとき、どんな気持ちや目的が込められているのでしょうか? 曖昧なまま使っていると、意図とは異なるメッセージを相手に与えてしまう可能性もあります。まずは、その意味や語感、そして使用背景を明確に理解することから始めましょう。

「取り急ぎお礼まで」の基本的な意味とは?

「取り急ぎお礼まで」は、「取り急ぎ」と「お礼まで」という二つの要素から成り立っています。

・「取り急ぎ」: 「とりあえず急いで」「ひとまず急いで」という意味です。時間がない中で、いったん現在の状況でできることを行う、というニュアンスを含みます。

・「お礼まで」: これは「お礼の連絡(に留めます)」あるいは「お礼のご連絡のみにて失礼いたします」といった、簡略化された表現です。本来はもっと丁寧に感謝を伝えたい、あるいは感謝だけでなく、何か一言添えるべきところを、時間の都合上「お礼のみ」で済ませている、という「省略」の意図が込められています。

頭を下げる女性
(c)Adobe Stock

この表現が使われる背景や意図

この表現がビジネスシーンで多用される背景には、大きく分けて二つの意図があります。

・迅速な対応の表明: 相手からの連絡や行動に対し、速やかに反応することで、「あなたの連絡を確かに受け取りました」「迅速に対応しています」という姿勢を示すことができます。特に、相手が次の行動を待っている場合や、緊急性の高い連絡である場合に有効です。

・相手への配慮: 忙しい中でも、まずは感謝の気持ちを伝えることを優先する、という相手への気遣いが込められています。丁寧な言葉を選びすぎて返信が遅れるよりも、ひとまず感謝を伝えたい、という日本人ならではの礼儀正しさが根底にあるとも考えられます。

つまり、「今は十分な時間が取れないが、感謝の気持ちはすぐに伝えたい」という、スピーディーさと礼儀正さを両立させようとする、言わば「ビジネス上の合理性」がこの言葉を生み出しています。

「取り急ぎ」という語の印象や心理的効果

「取り急ぎ」が使われると、受け取る側は「迅速な対応」「返信が早い」「気遣いがある」といった印象を与えます。特に、相手が急いでいると察している場合や、まずは確認だけでもして欲しいという場合には、好意的に受け取られます。

一方で、「簡略化」「省略」「一方的」「手抜き」といった印象を与える場合も。特に、受けた恩義が大きい場合や、相手が丁寧な対応を期待している場合には、「適当に済ませられた」「ぞんざいに扱われた」と感じさせてしまう可能性があります。

この言葉を使う際は、相手が「緊急性の表明」と受け取るか、「丁寧さに欠ける省略」と受け取るか、そのさじ加減が非常に重要になります。相手との関係性や、送る状況を慎重に見極める必要があるでしょう。

「取り急ぎお礼まで」は略式ながら感謝を迅速に伝える表現。

ビジネスシーンでの使い方と注意点を確認

丁寧に見える表現でも、使いどころを間違えると失礼に感じられることがあります。職場や取引先との信頼関係を守るため、どのような場面で使うべきか、反対に避けた方がいい場面も押さえておきましょう。

メールで使用する際のポイント

「取り急ぎお礼まで」は、メールの末尾に単独で使うのが自然です。文中で複数回使うのは避け、主な用件の前後や件名には入れないほうが誤解を避けられます。要件内容を簡潔に伝え、最後に「取り急ぎお礼まで」と締める形が一般的です。

口頭で使うのは適切か?

「取り急ぎお礼まで」は、基本的に書き言葉です。口頭で使うと、非常に不自然に聞こえ、相手に違和感を与えてしまいます

例えば、会議室を出る際に「取り急ぎお礼まで!」と言うのは、普段の会話と乖離があり、唐突で失礼に聞こえる可能性があります。口頭で感謝を伝える場合は、「ありがとうございます」「助かりました」「感謝いたします」など、状況に応じた自然な表現を使いましょう。

「目上の人」「取引先」に使っても問題ない?

結論から言うと、原則として目上の人や重要な取引先への使用は避けるのが賢明です。

・目上の人(上司、先輩など): 上司や先輩に対して使うと、「手抜き」「簡略化」といったネガティブな印象を与えかねません。相手はあなたの丁寧な対応を期待している可能性が高いため、きちんと「〇〇部長、この度は誠にありがとうございました」と、丁寧な言葉を選ぶべきです。

・取引先: 取引先との関係は、信頼が第一です。特に新規の取引先や、まだ関係性が構築されていない段階で使うと、「誠意がない」「雑な対応」と受け取られ、ビジネスチャンスを損なうことにもなりかねません。

ただし、非常に緊急性の高い連絡であり、かつ相手との関係性が深く、互いに「急いでいる」ことを認識しているような特殊な状況下では、例外的に許容されるケースもあります。 その際も、「まずは御礼申し上げます」「詳細は後ほど改めてご連絡いたします」といった補足を入れるなど、最大限の配慮が必要です。

握手する女性たち
(c)Adobe Stock

避けた方がいい具体的なシチュエーション

以下のような場面では、「取り急ぎお礼まで」を使うのは控えましょう。

・お詫び: 「取り急ぎお詫びまで」は絶対にNGです。お詫びは、誠意を尽くして伝えるべきものであり、「取り急ぎ」という言葉は不誠実さを感じさせます。
・依頼: 何かを依頼する際に使うと、「一方的」「ぞんざい」な印象を与え、相手に不快感を与えます。
・重要な報告: 契約の締結、プロジェクトの進捗報告、トラブル発生の連絡など、内容が重要な場合は、丁寧かつ詳細な説明が必要です。「取り急ぎ」で済ませるべきではありません。

上司や取引先に使うのは、基本NG。

「取り急ぎお礼まで」を使った実践的な文例集

実際にどう書けばいいか迷ったときのために、目的や相手別に使える文例を紹介します。文末や件名など、使う位置によっても印象が変わるので、場面に応じた表現を参考にしてみてください。

ビジネスメールの文末での文例

一般的なビジネスシーンでの使用例です。あくまで「略式」であることを念頭に置きましょう。

資料受領確認後

添付いただいた資料、確かに拝受いたしました。
取り急ぎお礼まで。
(※この場合、後ほど改めて確認後、詳細な返信をする意図があることを示唆します。)

・会議参加のお礼(速報性重視)

本日はお忙しい中、ご参加いただきありがとうございました。
取り急ぎお礼まで。
(※議事録などは後日送付する場合など。)

・簡単な質問への返答後

ご質問の件、〇〇でございます。
取り急ぎお礼まで。
(※質問への返答と、手短な挨拶のみの場合。)

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