Summary
- 「生殺与奪」は「生かす・殺す・与える・奪う」を思いのままにすること
- 多くは「生殺与奪の権」として使われ、絶対的権限を意味する
- 『鬼滅の刃』の名セリフをきっかけに広く知られるようになった
「生殺与奪」という言葉を聞くと、『鬼滅の刃』のセリフ「生殺与奪の権を他人に握らせるな」というフレーズを思い出す人も多いでしょう。意味の強さゆえに、日常で使うにはためらいもあるかもしれません。
本記事では、「生殺与奪」という四字熟語の意味から使い方までをわかりやすく整理し、自信を持って使えるようサポートします。
「生殺与奪」の意味とは?
まずは、「生殺与奪」の読み方と意味をしっかりと押さえましょう。
読み方と意味
「生殺与奪」は、「せいさつよだつ」と読みます。「生かす・殺す・与える・奪う」という四つの行為を思いのままに行うことを意味しますよ。辞書では次のように説明されています。
せいさつ‐よだつ【生殺与奪】
生かしたり殺したり、与えたり奪ったりすること。他人をどのようにも思いのままにすること。「―の権を握る」
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
つまり、他人の生死や自由、財産などに対して絶対的な決定権を握っている状態を表す、非常に強い言葉です。
多くは、「生殺与奪の権」という形で使われます。

「生殺与奪」は、絶対的権限を示す強い四字熟語。
「生殺与奪の権を他人に握らせるな」とは?|名セリフの真意を探る
「生殺与奪の権を他人に握らせるな」というセリフ、一度は耳にしたことがあるのでは? この名セリフの背景を見ていきましょう。
どんな場面で、どんな意味で使われたのか?
「生殺与奪の権を他人に握らせるな」という台詞は、漫画『鬼滅の刃』の登場人物・冨岡義勇(とみおか・ぎゆう)が主人公・竈門炭治郎(かまど・たんじろう)に向けて放った言葉です。この場面では、命を救われる立場にある者が、覚悟のないまま他人に判断を委ねている様子が描かれていました。
このとき冨岡義勇が語った「生殺与奪の権を他人に握らせるな」には、相手に対する苛立ちというよりも、「自分の生き方を他人に預けるべきではない」という強い訴えが込められていたように感じられます。命を預けるという言葉の重さが、聞き手にも突き刺さるような場面として描かれました。
言葉の力に共鳴した背景を読み解く
このセリフが多くの人の記憶に残った理由の一つは、「決定権を自分で持つことの大切さ」という感覚が、現代の価値観と重なった点にあります。誰かに支配されるのではなく、自分の意志で選び取ることを重視する風潮の中で、この言葉は強い共鳴を生んだのではないでしょうか。
特に人間関係や仕事の中で、相手に流されてしまった経験を持つ人にとって、「生殺与奪の権を他人に握らせるな」という表現は、主体性を取り戻す手がかりとして響いたのかもしれません。

「生殺与奪」の使い方を例文から学ぶ
強さを持つ言葉だからこそ、実務の中でどう使えば伝わりやすいのでしょうか? 例文とともに使い方を確認していきましょう。
「試験官が合否の発表を待つ受験生にとっては、生殺与奪を握る存在に見える」
受験生にとって合格か不合格かは人生を大きく左右するため、試験官の決定を「生殺与奪」と表現しています。比喩的な意味での用法です。


