Summary
- セーターは平干しが基本、吊るすと型崩れの原因に
- ハンガー干しは厚みやT字掛けで工夫すればOK
- 浴室乾燥や外干しは温度・日光に注意することが大切
セーターを洗ったあと、どのように干せばいいか悩んだ経験はありませんか? ハンガーで吊るすと肩が伸びたり、重さで型崩れしたりすることもあります。この記事では、忙しい日常でも実践しやすいセーターの干し方を創業80余年の歴史を持つ京都発祥の染み抜き・お直し専門店である「きものトータルクリニック吉本」さんにお聞きしました。
時短の工夫や道具の活用方法も取り入れ、清潔感を保ちながら長持ちさせるコツを整理します。
正しいセーターの干し方を知る|型崩れ防止の基本
セーターは乾かし方を誤ると型崩れや伸びが起きやすい衣類です。ここでは、平干しを基本とした正しい干し方を整理し、初心者でも迷わず実践できるようにシンプルな流れを解説します。
平干しが安心な理由とは?
セーターは繊維が柔らかく、水を含むと重さが倍以上に感じられます。そのまま吊るすと、肩や裾に負荷がかかり、目立つ伸びやゆがみにつながりやすくなります。平干しにすれば全体を均等に支えられ、乾燥中の重力による変形を防ぎやすくなりますよ。
市販の平干しネットは風通しがよく、洗濯物を浮かせるように干せるため、乾きも早く清潔です。床や机の上にバスタオルを広げて代用する方法もありますが、その場合は下に新聞紙などを敷いて湿気がこもらないように工夫するといいでしょう。
洗濯直後に形を整えながら平干しをすることで、アイロンをかける手間も減るかもしれません。

ハンガーで干すときの工夫
どうしても平干しスペースが確保できない場合は、ハンガー干しでも工夫しだいでダメージを抑えることができます。まず、細いプラスチック製のハンガーは避け、肩に厚みのある滑り止め付きのタイプを選ぶのが基本です。細いプラスチック製のハンガーしかなく使用する場合はフェイスタオルを端から端まで巻きつけると適度に厚みがでるのでおすすめです。
セーターの重みを分散させたいときは、2本のハンガーを横に並べてT字型に使い、セーターを二つ折りにして掛けると肩の伸びを防げます。衣類の前後を逆にして、背中側を手前にして干すと、重心が偏りにくく乾きも早くなるでしょう。
折り返す際に、乾きにくい袖の中にハンガーの端を通すと通気性が確保でき、嫌なにおいを抑える効果も期待できます。スペースが限られる室内干しでも、手をかければ仕上がりが変わってくるかもしれません。
浴室乾燥や外干しのポイント
天気やスペースの都合で浴室乾燥や外干しを選ぶこともあるでしょう。浴室乾燥機を使う場合は、温度設定に注意が必要です。高温モードでは繊維が硬くなったり、縮んだりすることがあります。標準〜低温モードでじっくり乾かす方が、風合いが保たれやすくなりますよ。
湿気がこもりやすい浴室では、干す位置もポイントです。換気扇の近くに吊るす、扉を少し開けて空気の逃げ道をつくるなど、風の流れを意識するだけでも乾き具合は変わってきます。
外干しの場合は、日光に直接当てると色あせの原因になります。裏返して陰干しにするか、日よけを使って乾かすのが安心です。春先や秋の乾燥した時期は、屋外の空気をうまく生かすチャンスかもしれません。
平干しで重みを分散し、伸びやヨレを防ぐのが基本
便利グッズで効率化! 身近な道具の活用法
セーター干しは工夫次第で時短や省スペースにつながります。ここでは、100円ショップや家庭にあるアイテムを上手に取り入れ、忙しい生活の中で実践できる効率的な干し方を紹介しましょう。
セーター干しネットの使い方
セーター干しネットは、形を保ったまま空中で乾かせる便利な道具です。網目状のつくりで通気性が高く、床置きと比べて早く乾く点も嬉しい特徴です。折りたたみ式や多段タイプなら場所をとらず、複数枚を一度に干すこともできます。
中でも100円ショップで手に入る簡易ネットは収納性も高く、使わないときは丸めてコンパクトに保管できるため、家族分のセーターを扱うご家庭にも便利でしょう。使用前にフックや吊り具の耐荷重を確認しておくと安心です。
ニットのように形崩れしやすい素材をネットの上に広げ、縫い目を軽く整えてから干すと、自然な仕上がりになりやすいかもしれません。
タオルや物干し竿を使った工夫
専用ネットがない場合でも、工夫次第で平干し環境は作れます。バスタオルを物干し竿にゆるく掛け、たるんだ中央部分にセーターをのせると、即席の平干しスペースになります。肩や裾が垂れ下がらないように左右を均等に整えておくのがポイントです。
また、2本の竿や椅子の背を並べて板を渡し、その上にタオルを敷けば、広めの平干し台が完成します。バスタオルが湿ってきたら裏返す、または取り替えることで乾きやすさも保てるでしょう。

仕上がりをきれいに保つための注意点|失敗を防ぐひと工夫
セーターを干すときに小さな工夫を取り入れると、仕上がりが大きく変わります。ここでは、乾燥中の形直しや、伸びやシワを防ぐために気をつけたい点を整理し、衣類を美しく仕上げるコツをまとめます。
干す前の水分の扱い方
脱水後のセーターは水を多く含んでいて、繊維への負担が大きくなりがちです。無理にねじって絞ると、表面が毛羽立ったり、生地が変形したりするおそれがあります。手のひらで軽く押すように水を切ったあと、清潔なタオルにくるんで押さえながら水分を吸い取ると、余分な水気をやさしく取り除けるでしょう。
タオルは2枚使いにすると吸収力が高まり、手早く作業を終えられるでしょう。生乾きの臭いを防ぐ上でも、この工程を丁寧に行っておくと安心です。

乾かしながら形を整える
干す前に一度整えても、乾燥中に形がずれてしまうことがあります。特に袖や裾は重みで引っ張られやすく、乾くにつれて歪みが目立つことも。干している途中で1〜2回、全体のバランスを見て手で軽く整えると、仕上がりが自然に見えるでしょう。
裏返して干すことはニオイやカビの予防にもつながるため、特に厚手のセーターでは意識しておきたいポイントです。
作業は片手で持ち上げながら、反対の手でそっと整えるくらいのやわらかさがちょうどいいかもしれません。気づいたときに少し手をかけるだけでも、仕上がりに差が出てくるでしょう。
水分除去と途中の形直しで自然な仕上がりに導ける
最後に
POINT
- セーターは平干しを基本とし、型崩れを防ぐ
- ハンガー干しは厚みや掛け方を工夫して活用
- 浴室乾燥や外干しでは温度や直射日光に注意
セーターは干し方を工夫することで、型崩れや伸びを防ぎながら長く愛用できます。平干しを基本にしつつ、ハンガーや浴室乾燥を状況に合わせて取り入れるのがおすすめです。便利な道具を活用し、忙しい生活の中でも無理なく清潔感を保てるようにしましょう。
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