Summary
- セーターは2〜3回着たら洗うのが目安。首元や袖の汚れをためず清潔を保ちましょう。
- ウールやカシミヤは3〜5回ごとが理想。中性洗剤で押し洗いし、平干しで形を整えます。
- コットンやアクリルは洗濯機でも可能。ドライコースや短時間脱水で傷みを防ぎましょう。
セーターは見た目以上に汚れがつきやすい衣類です。とはいえ、頻繁に洗うと縮みや型崩れが心配になるもの。この記事では、素材や季節ごとの洗濯頻度の目安と、自宅で無理なく清潔を保つための方法を創業80余年の歴史を持つ京都発祥の染み抜き・お直し専門店である「きものトータルクリニック吉本」さんにお聞きしました。
忙しい毎日でも、ふんわり感を長持ちさせるコツが見つかります。
セーターはどのくらいの頻度で洗うべき？｜目安と考え方
洗濯頻度は素材や着用環境によって変わります。ここでは、一般的な目安と、洗うタイミングを見極めるための考え方を紹介します。
一般的な洗濯頻度の目安｜週1回が基本ライン
セーターは、見た目がきれいでも繊維の奥に皮脂や汗が残ることがあります。とくに首まわりや袖口は汚れやすく、放置するとにおいや黄ばみの原因になるかもしれません。
目安として、アクリルのセーターは2〜3回着用したら洗うと安心です。外出時間が長い日や暖房の効いた室内で着たときは、1回の着用でも洗うか風通しを行いましょう。
反対に短時間の在宅着などであれば、数回着用してからでも問題ありません。頻度を決めるより、「清潔に保てているか？」を基準にするのが現実的です。
汚れのサインを見極める｜見た目より臭いと手触り
見た目ではわからなくても、繊維が湿っぽく感じたり、ふんわり感がなくなると汚れがたまっているサインです。においが気になるときや、生地が重たく感じるときは洗いどきと考えましょう。
特に冬は暖房による乾燥で汗が蒸発しにくく、皮脂が繊維に残りやすくなります。気温や湿度が高い時期は、汚れが酸化して黄ばむこともあるため、見た目よりも「手触り」と「におい」で判断するのが賢い方法です。
こまめにチェックすることで、洗いすぎによる傷みも防げるでしょう。
見た目よりも「手触り」と「におい」で判断しましょう。
素材によって違う洗濯頻度と方法
「どの素材も同じように洗えばいい」と思っていませんか？ セーターは素材によって適した頻度や扱い方が大きく異なります。ここでは、ウール・コットン・サマーニットなど、それぞれの特性に合わせたケアの仕方を紹介します。
ウール・カシミヤ素材｜間隔を空けて手洗いが基本
ウールやカシミヤはデリケートな天然繊維です。着用のたびに洗う必要はなく、3〜5回ほどの着用ごとを目安にするといいでしょう。毛足が細かく、摩擦や温度変化で縮みやすいため、洗う際は中性洗剤を使って押し洗いします。
洗い終えたら、タオルで軽く水気を取って平干しを。ハンガーにかけると重みで形が崩れることがあります。過度な洗濯は風合いを損なう原因になるため、汚れが気になる部分を部分洗いで済ませるのもひとつの方法です。
コットン・アクリル素材｜洗濯機のドライコースで時短
コットンやアクリルは丈夫で扱いやすい素材です。2〜3回着用したら、洗濯ネットに入れてドライコースや手洗いモードで洗うと安心です。ネットを使うことで摩擦を防ぎ、毛羽立ちや伸びを抑えられます。
洗剤は中性タイプを選び、すすぎ時間を短めに設定すると、繊維への負担が少なく済みます。脱水は短時間で止め、タオルに挟んで水気を取ると型崩れしにくいでしょう。
サマーニットや薄手素材｜汗汚れを意識して短い間隔で
薄手のサマーニットは、汗を吸いやすく汚れが残りやすい素材です。1〜2回着用したら洗うのが目安です。通気性がよく乾きやすい分、こまめなケアで清潔感を保てます。
洗う時間がないときは、着用後すぐ陰干しして湿気を飛ばすだけでも効果的です。強い日差しや高温で乾かすと生地が硬くなることがあるため、風通しのいい日陰を選びましょう。
素材に合った方法を選ぶことで、洗濯回数を減らしながら長く愛用できるでしょう。
洗濯後のケアで長持ちさせるコツ
セーターは、洗ったあとこそ扱い方に差が出ます。乾かし方や保管の工夫で、風合いや形の持ちが大きく変わります。ここでは、洗濯後に気をつけたい基本のケアを整理します。
平干しと陰干しが基本｜吊るさず自然乾燥を
濡れたセーターは繊維が柔らかく、重みで形が崩れやすい状態です。ハンガーにかけると肩が伸びてしまうため、平干しが安心です。
タオルを敷いて形を整え、風通しのいい場所で陰干しすれば、自然にふんわり乾きます。直射日光や乾燥機は、繊維を硬くする原因になることもあります。時間はかかりますが、ゆっくり乾かすほど質感がやわらかく保てるでしょう。
洗濯後の収納｜たたんで通気性を保つ
乾いたセーターは、軽くたたんで収納します。ハンガーにかけっぱなしにすると重みで肩が伸びたり、型崩れを起こしたりしやすくなります。
収納時は通気性のよい場所を選び、防虫剤を一緒に入れると安心です。ぎゅうぎゅうに詰めず、少し余裕を持たせることで湿気を逃がしやすくなります。季節の終わりには、もう一度軽く洗ってからしまうと、次のシーズンも気持ちよく着られるでしょう。
最後に
POINT
- セーターは2〜3回着たら洗うのが基本。においや手触りの変化も洗濯のサインです。
- ウールやカシミヤは3〜5回ごとが理想。中性洗剤でやさしく押し洗いし、平干しで乾かします。
- コットンやアクリルは洗濯機でもOK。ドライコースとネット使用で型崩れを防ぎましょう。
セーターの洗濯頻度は人や季節で変わります。大切なのは回数より心地よさです。におい・手触りの変化に気づいた時が洗いどきでしょう。素材に合う方法でやさしく洗い、平干しと収納を整えれば、風合いを保ちながら長く着られるはずです。
無理なく続けられる習慣にしていきたいですね。忙しい日なら軽い手入れでも大丈夫です。小さな手入れを積み重ねて、来季も気持ちよく袖を通せるでしょう。
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