Summary
- 風呂場の排水溝が臭う原因は、汚れや配管の構造など複数あります。
- 髪の毛や皮脂汚れが混ざると、菌が繁殖して強い悪臭を発します。
- 重曹とクエン酸を組み合わせると、汚れを安全に分解できます。
お風呂に入るたび、排水溝からイヤな臭いが上がってくると気になりますよね。こまめに掃除しているのに消えない臭いには、実は意外な原因があります。
この記事では、風呂場の排水溝の臭いの正体と、その対策をリフォームやインテリアの提案を通して、豊かなライフスタイルを提供するアトリエボックスの堂本さんにお聞きしました。
重曹や洗剤を使った安全な方法から、再発を防ぐ予防の工夫まで、自宅で無理なく続けられる実践的な方法を紹介します。
風呂場の排水溝が臭う原因を知る|掃除しても消えない理由とは?
排水溝の臭いは、掃除不足だけが原因ではありません。見えない場所に汚れがこびりついていたり、構造そのものに理由が隠れていることもあります。ここでは、よくある原因を二つに絞って整理し、正しい対処への道筋を見つけていきましょう。
ヘドロや皮脂汚れが原因の場合
排水溝のぬめりや黒ずみは、髪の毛や皮脂、石けんカスが混ざってできたヘドロが原因です。湿度の高い浴室では雑菌が繁殖しやすく、放置すると悪臭が強まります。
表面を軽くこすっただけでは落ちないため、カバーを外して奥まで掃除することが大切です。汚れが固まっている場合は、ぬるま湯でやわらかくしてから取り除くと無理がありません。髪の毛キャッチャーを使うことで、再発も防ぎやすくなるでしょう。

排水トラップが原因の場合
排水口の奥には「排水トラップ」と呼ばれる構造があり、水をためることで下水の臭いを遮断しています。長年、排水トラップを使用している浴室では、排水パーツの劣化や配管の汚れが内部に蓄積していることもありますよ。
臭い・水はけ・カビが繰り返す場合は、浴室リフォームで一気に改善するケースもあります。「掃除しても臭いが戻る」場合、リフォームのサインだといえます。
排水溝の臭いは、汚れや構造の問題を見極めることが大切です。
自宅でできる臭い取り|重曹と洗剤で安全に消臭
強い薬剤を使わなくても、排水溝の臭いは自宅で解消できます。重曹や中性洗剤を上手に使えば、素材を傷めず、安心して続けられますよ。
ここでは、忙しい人でもすぐに試せる「重曹×クエン酸」と「ブラシ洗い」の二つの方法を紹介します。どちらも短時間で実践でき、家事の合間にも取り入れやすい方法です。
ただし、排水口のパーツには、逆流防止用の弁やパッキンがあります。強引に外してしまうと破損や水漏れにつながることも…。「掃除しても臭う」「水を流しても改善しない」場合は、専門業者に相談するのが安心です。
重曹とクエン酸の発泡反応で汚れを分解
重曹を排水口にふりかけ、その上からクエン酸をかけると泡が発生します。この発泡反応がヘドロや皮脂汚れを浮かせ、臭いの原因を分解してくれます。
30分ほど置いたあと、ぬるま湯を流すことで発泡が流れ、排水管内をすっきり洗い流せます。化学反応を利用するため、こする手間が少なく済み、手荒れの心配も軽減できます。
重曹とクエン酸の比率はおおよそ2対1が目安です。安全性が高く、子どもやペットがいる家庭でも実践しやすい方法でしょう。

中性洗剤とブラシでパーツの汚れを除去
排水カバーやパッキンの裏は、ヘドロが残りやすい場所です。中性洗剤をつけたブラシや古い歯ブラシでこすり洗いすると、菌膜が落ちて臭いの再発を防ぎやすくなります。
ゴムパッキンや樹脂素材は強くこすりすぎると傷がつき、反対に汚れが溜まりやすくなるため、やさしく洗うのがポイントです。洗った後は、しっかり乾かすとカビの繁殖を抑えられます。
重曹や中性洗剤で、強い薬剤を使わずに臭いを取り除けます。
再発を防ぐ|臭いが戻らないお風呂習慣
せっかく臭いを取っても、時間がたつとまた戻ってしまうことがあります。排水溝の臭いを防ぐには、こまめな掃除だけでなく、日常の小さな習慣が大きく影響します。
ここでは、手間をかけずに続けられる予防法を紹介します。毎日のひと工夫で、清潔な浴室を長く保てるようになるでしょう。
入浴後のお湯流し
お風呂を使ったあとに、シャワーのお湯を30秒ほど排水口へ流すだけで、臭いの再発を防ぐことができます。これは、排水トラップの水位を保つための簡単な習慣です。
水が少なくなると下水の臭いが上がりやすくなるため、入浴後のひと手間がとても効果的です。毎日のルーティンに組み込むことで、清潔な状態を保ちやすくなります。
また、数日間お風呂を使わない場合でも、出かける前にコップ数杯の水を流しておくと安心です。

週末のリセット掃除を習慣に
週に一度、排水カバーを外して重曹をふりかけ、お湯で流すだけでも臭いの防止につながります。短時間でできるため、忙しい週末でも続けやすい方法ですよ。
カバーやパッキンを外す際は、やわらかいブラシで軽くこすり、汚れが残らないようにするとより効果的です。小さな掃除を積み重ねることで、汚れが蓄積しにくくなり、臭いの発生を根本から防げます。
きれいを維持することは手間ではなく、暮らしを心地よくする工夫のひとつだといえるでしょう。
浴室の換気環境もチェック
排水の臭い対策は掃除だけでなく、浴室の換気環境も影響しますよ。24時間換気システムの吸気量や、浴室換気乾燥機の使い方が適切でないと湿気がこもり、汚れが蓄積しやすくなります。
「換気しているのに臭う…」というご相談に対しては、換気設備の見直しで改善する例もあります。
最後に
POINT
- 風呂場の排水溝の臭いは、汚れや構造など複数の要因で発生します。
- 髪の毛や皮脂が混ざったヘドロ汚れは、菌の繁殖で悪臭を生みます。
- 入浴後のお湯流しと週末の簡単掃除で、臭いの再発を防げます。
風呂場の排水溝の臭いは、原因を知れば自宅で十分に対処できます。重曹や洗剤をうまく使えば、短時間で安心して掃除できますよ。大切なのは、汚れをためない習慣を続けること。週末のちょっとしたお手入れで、臭いのない清潔なお風呂を保てます。
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監修
堂本章弥(どうもと ふみや)
株式会社Atelier Box代表取締役。
リフォームやインテリアの提案を通して、お客様に豊かなライフスタイルを提供している。増改築相談員、インテリアデザイナー、空間ディスプレイデザイナー1級の資格を保有。趣味は建築物巡り。国内問わず毎年数回は旅行をし、旅先の建築物や町の雰囲気を満喫している。
構成・執筆/京都メディアライン
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