Domaniの読者アンケートによると、働くアラフォー女性の6割は「昇進したくない」という現実。その理由は、アラフォーキャリアに立ちはだかる「長時間労働は無理」「プレイヤーでいたい」「リーダーに不向き」「経験不足」の4つの〝山〟。昇進に際して、そんな〝山〟を感じ、悩みながらも引き受けた女性たちを取材しました。
伴 菜々恵さん(32歳・リクルート住まいカンパニー SUUMOカウンター推進室 グループマネージャー)
【管理職DATA】
●業務内容/マイホーム購入の相談窓口「スーモカウンター」の首都圏5店舗&事業推進グループの統括
●部下の人数/25人 ●家族構成/独身
【伴さんのキャリア年表】
22歳 リクルートに入社。分譲マンションの営業部に配属。
26歳 リーダーに昇進。マンションのディベロッパーを担当するチームで、6人のメンバーをまとめることに。係長に当たる役職で、マネジメントの役割も。自身の営業に集中したいと不満に思う。
30歳 グループマネージャーに昇進。SUUMOカウンター推進室新築マンション部に異動。首都圏南・東海エリアの全店舗とそのスタッフを統括する立場に。
32歳 首都圏西グループに異動。クライアント事業推進グループマネージャーを兼任、現職。
「自分がやりたいことを徹底的に掘り下げることで、仕事の喜びに立場は関係ないと気づきました」
部下の成長が自分のモチベーションに
同期の中でも最も早くリーダーに昇進した伴さんは入社3年目、現場で営業を続けながらメンバーの成績管理&育成も任された。
「当時は、自分が努力しただけ結果が出る営業職を天職だと思い始めたタイミング。そんな矢先だったので、実は『余計なものを背負わされた』という気持ちでした。1年経ってようやく、部下が成長する喜びが実感できるようになりましたが、どこかで〝やらされている感〞は残っていました」
モヤモヤを抱きつつも成績は順調で、4年後にはマネージャーに昇進。そのとき受けた女性管理職研修で『自分が心からやりたいことは何か』を徹底的に考えさせられたことで、〝プレイヤーでいたい〞という山を完全に越えられたそう。
「昔から子供の教育に興味があったのですが、一見なんの関連もない今の仕事でも、〝部下の育成〞という形でその根底にある思いを生かすことができると気づいたんです。それからは、希望者を集めて集中レクチャーをする〝伴道場〞を開くなど、自分なりの育成方法を考えるように。育てた部下の成績が上がったり、お客様に感謝されている様子を見るのが今は自分のこと以上にうれしくて。自分の営業成績を上げるだけが、仕事の魅力じゃないと感じています」
【部下が語る、伴さんはこんな上司】
困ったことがあったらすぐに飛んできてくれます
正義感が強く、間違っていることをはっきり言ってくれる上司で、正しく物事を進められる安心感があります。トラブルが起こったときも、すぐに対処してくれるので信頼して伝えられます。(澤原笑子さん)
Domani9月号「昇進したくない」症候群 より
撮影/伊藤 翔、江口登司郎 イラスト/泰間敬視 構成/赤木さと子・酒井亜希子(スタッフ・オン)