「捨てられない」その心理に、スタイリスト亀 恭子さんが喝!
インタビュー
亀 恭子さん
3年間、航空関連会社に勤務した後、スタイリストの道へ。リアルでいてちょっと辛口なスタイルがDomani読者にも人気。快適なクローゼットをつくる秘訣は「2年着なかったら手放す」を徹底すること! 3歳男児の母。
《教えて、亀さん!未練 その1》
デニムにシンプルなニット。定番服ほど『いつか着るかも』と思って溜め込んでしまいます(メーカー勤務・38歳)
捨てる理由が見つからないベーシック服ほど注意が必要。「なんにでも合うから」と言いつつ1年以上着ていない服は、賞味期限切れの可能性あり。デニムのウエスト位置やニットのシルエットは、合わせるトレンドアイテムとのバランスを考えて、毎シーズン微妙に変化するもの。だから「今、着たい服」に合わせてしっくりこなければ、更新時期と心得て!
《教えて、亀さん!未練その2》
去年、はやった服。きれいだし気に入っているのですが、なんだか今年は着づらくて…(税理士・35歳)
「あれ、はやったよね」とだれもがわかる服は、もっていても着ないもの。「きれいだから」とクローゼットの肥やしにするよりも、さっさと売って新しいおしゃれの資金に回すのが得策。「クローゼットを循環させないと、新しいおしゃれに出合えないので、トレンド服はワンシーズンしっかり着て、潔く手放します」と、亀さんの言うとおり!
《教えて、亀さん!未練その3》
思い出が詰まった服は、着ていなくても取っておきたいんです(メーカー勤務・38歳)
初任給で買ったジャケットや、彼に「似合うよ」と褒めてもらったワンピース。無理に捨てる必要はないけれど、普段着ないのならば、クローゼットに入れておく必要はなし。専用の〝思い出BOX〟に入れて別の場所にしまったり、置き場所がないならば、写真に撮って服自体は処分するという手も。
《教えて、亀さん!未練その4》
『また似たような服を買って』と言われるのですが、全部微妙に違うので、捨てるに捨てられないんです(食品会社勤務・41歳)
素材や細かなディテールが違う服。買った本人にとっては全然違っても、はたから見れば「同じ服」。「どれもよく着るのならいいですが、結局よく着る1枚があるのでは?」と、亀さんが指摘するように、好きな服をコレクションして満足している人も多いよう。本当に必要な服を見極めて、前回いつ着たか思い出せない服は処分!
《教えて、亀さん!未練その5》
学生のころ使っていたブランドバッグ。さすがに使えないけれど、高かったから捨てるわけにはいかなくて…(IT企業勤務・34歳)
置き場所があるならいいけれど、クローゼットを圧迫していたり、部屋を占領してしまっているのならば、なんらかの処置が必要。使わないものをただ保管するために家賃を払うのはムダなので、そのバッグが今の自分を素敵に見せてくれるか再確認。「ブランド名にまどわされることなく、『そのバッグを持って外を堂々と歩けるか』考えてみて!」と亀さん。
《教えて、亀さん!未練その6》
トレンドは巡るもの。数年後、またはやるかも!(看護師・39歳)
確かにトレンドは10年~20年サイクルで巡ってくるけれど、10年後、あなたは何歳? 今、似合う服が10年後も似合うとは限らないし、万が一着られたとしても、丈やシルエットが変わっていて、結局着られないということも…。そんな不利な〝かけ〟のために大切な収納スペースを使うのは、ナンセンス!
Domani2018年10月号『“生きてる”クローゼット改造法』より
本誌撮影時スタッフ:撮影/中田陽子(MAETTICO/人物)、寺山恵子(静物)ヘア&メーク/久保フユミ(ROI)イラスト/村澤綾香 構成/木戸恵子