別れた夫の悲惨な現状と既婚者彼との安定した生活と
第1回:夫より稼ぐ私がマンションも車も手放してでも離婚したかった理由 第2回:元夫にマンションも車も譲って既婚者と恋するキャリアウーマン
全財産を譲ったはずの夫からお金の無心が
口を開けば仕事の愚痴ばかりのダメ夫に嫌気がさしていた頃に出会った既婚者の彼と交際して離婚。その後マンションも購入して新しい人生をスタートした香さん。しかし、共有財産をほぼ全て渡したはずの元夫の衝撃の現在の姿を目の当たりにしてしまいます。
車の名義は香さんのままローンは元夫が払い続けるという条件で譲ったのに、ある日ローン会社からの請求が香さんの元に。その請求は60万円。
香さん(以下、か)「ローン会社からは、ローンが毎月支払われていないと言われました。さらに車検も払っていないことが判明。車検を払わないと名義変更もできないんですよね。だから彼に「ちゃんと払って」と連絡をしたところ、「お金がないんだ」と。ふたりで買ったマンションも貯金も彼に譲ったのに何で……、と愕然としました」
結局、車のローン代金60万円と車検代は香さんが払うことに(怒)。
か「離婚してから一度だけ、彼にお金を貸して欲しいと言われて会ったんです。そうしたら、びっくりするほどやつれていて。その後、人づてに聞いた話では、職場で仕事の失敗の濡れ衣を着せられて辞表を突き出して会社を辞めたとか。それが原因でメンタルを病んで、今では精神病院の施設に入っているそうです」
さかい(以下、さ)「離婚した相手のそんな境遇を聞くのは、さぞかし辛かったでしょうね」
か「はい。1月に離婚して、11月の私の誕生日におめでとうメールが来たんですよね。そのとき返信したら、すごい長文の返事が帰って来たことがあったんです。『人の温もりを感じるのは久しぶりだ。今居る会社の〇〇は最悪で、あいついつか殺す』みたいな、恨みつらみがすごい内容で。別れる前もず〜っとそんな感じで、常に会社への悪態をついていて、彼の喜怒哀楽を見せられるのが本当にしんどかった。きっと離婚していなくても、私に彼を支え切ることはできなかったんじゃないかと思います」
外資系企業で自分より稼ぐ美人妻の香さんに劣等感を抱き続け、ようやく妻と同じレベルの会社に転職しても会社への不満だらけで人生につまづいてしまった元夫。彼が結婚に求めていたものは、一体何だったのでしょう。
離婚を経て今思う幸せな結婚の条件とは
現在付き合っている既婚者の彼Aさんと行ったバリのヒーラーには、「2020年にAさんとの間に双子の子供が生まれて一緒になる」と言われたという香さん。
か「今の彼とは付き合って4年になるけれど定期的に身体の関係もあるし、女として大事にされていると実感もさせてくれる。結婚するかどうかはわからないけれど、このまま一緒に居られればいいなと思ってます」
占いの予言が当たれば香さんはアラフィフにして2児の母になり、略奪婚での再婚をすることに。それが倫理的に正しいことかどうかは別として、なんともドラマティックな人生!
―ちなみにAさんの方はそのヒーラーに「奥さんのエネルギーがもう見えない」と言われたそうなので、占い通りならば彼にとって今の家庭は名ばかりのもので、帰って寝るだけの場所になっているのかも。それはそれで、何だか切ないですね。
だけど気持ちがない相手と義務感だけから夫婦を続けて、結局離婚前の香さんのように虚しい家庭生活を送るのも幸せとは思えない。
さ「結婚って、一体何だと思いますか?」
か「結婚とは、単なる契約。だけど契約した以上、いいパートナーシップを築けるかどうか。努力しないと上手く行かない。最初の結婚ではその努力が足りなかったのかもしれません。お互いに高め合える相手かどうか、そしてひとりでできないこともふたりでならがんばれるし癒し合える。それがいいパートナーシップの条件なんじゃないかと今は思います」
インタビュー・文
さかいもゆる
出版社勤務を経て、フリーランスライターに転身。——と思ったらアラフォーでバツイチになり、意図せず、ある意味全方位フリーダムなステイタスになる。女性誌を中心に、海外セレブ情報からファッションまで幅広いジャンルを手掛ける。著書に「やせたければお尻を鍛えなさい」(講談社刊)。講談社mi-mollet「セレブ胸キュン通信」で連載中。withオンラインの恋愛コラム「教えて!バツイチ先生」ではアラサーの婚活女子たちからの共感を得ている。