路地裏にある小さな一軒家…実は昭和モダンな雰囲気漂う店内に絵付けからモダンまで幅広い食器がそろうギャラリー
神宮前の裏路地にある「うつわshizen」は、一軒家をリノベーションした味わいのあるギャラリー。ガラガラっと引き戸を開けて店内に入ると、一階は畳敷きでちょっぴり懐かしさを感じる空間、細い階段を上って2階にも、土もの、ガラス、漆食器…絵付のものからモダンなものまで、形も色も素材もさまざまな器が並んでいる。
「もともとは ”うつわ 楓” の姉妹店として今の店舗からほど近いところオープンしたのですが、2016年にこちらに移転し、2018年に独立しました。姉妹店ではありますが、楓は楓らしく、shizenはshizenらしいセレクトを心がけてきました」と話してくれたのは店主の刀根弥生さん。「日本には春夏秋冬の四季があるので、季節によって使いたい器が変わると思います。夏はガラスを増やしたり、竹の素材を取り入れたり、冬になったら土ものの器、土鍋や耐熱のものを充実させたり…と、器を通して季節の変化を感じられるような食器をセレクトしています」
▲2階は天井を抜いた梁の見える吹き抜けに。柔らかな光が差し込みゆったりとした時間が流れる。裏路地ならではの静けさで、都心にいることをつい忘れてしまう心地よい店内。
いろいろな器を取り混ぜて使うのが好きという刀根さん。「お洋服でも、今日は柄物が着たいとかモノトーンでまとめたいってあるように、器もその日の気分で変えられたら。そんな、日々の気分で取り替えられるように、色々な素材、デザインの器を用意しておいて、お客様に選んでほしいんです」
お付き合いのある作家さんは100名ほどという。その中から、Domani世代におすすめの作家さんを伺ってみました。「こんな風に使ったら…とイメージが浮かぶような器をセレクトしている」という刀根さんならではの、お料理の盛り方、使い方のポイントも教えて頂いただきました。
▲有田の作家・たなかふみえさんの豆皿。「感性豊かな絵付けが人気の作家さんです。器や絵柄初心者の方は豆皿からスタートするのがおすすめです。お夕飯で残ったものを盛り変えたり、お惣菜でもこんなお皿に盛りつけだけで豊かな気持ちに」左下の蜘蛛の巣は、福を留めるという縁起のいい模様。裏側には可愛らしい蜘蛛の絵が。右上3,240円、右下3,456円、左上4,104円、左下3,564円。
▲漆作家の若林幸恵さんの作品。「木地を作る職人さんと塗りをする職人さんは別のことが多いのですが、若林さんは両方自分でされている作家さんです」(刀根さん)。絵柄も筆で描いたり(左・左から2番目)、油絵風のタッチのもの(右)や、スポンジのようなもので漆をはたきつけていくというユニークな方法(右から2番目)など、個性的。伝統的なイメージのある漆がとてもモダンに。「大きめの漆の器には、お雑煮や麺類がぴったり。漆は熱の伝導率が低いので、熱々の汁物を入れても、熱さが伝わりにくくく、安心して手に取って頂けます」(刀根さん)右から24,840円、23,760円、19,440円、15,120円
▲多治見の作家・平野日奈子さんのフラットお皿はワンプレートランチなどにぴったり。朝ご飯にトースト、サラダ、目玉焼きを乗せて…といろいろイメージが広がる。「家族で少しずつ表情が違うお皿というのは味わいがあるもの。見えるものが違うのも家族の会話につながるはず。赤いトマトや紫キャベツ、ビーツなどが映えます」(刀根さん)プレート6,804円、マグカップグレー3,348円、粉引3,672円
▲ろくろではなく、手捻りで一つ一つ作品を作る成田周平さんの器には力強さが感じられる。「手の質感が残っているので、食卓に一点こういう器が加わるとあたたかみが加わります。お酒だけではなくて、お鍋のタレやサラダのドレッシングを入れても」(刀根さん)片口全て6,480円、ぐいのみ3,240円
刀根さんの話を伺っていたら、今夜の食卓でも可愛い豆皿にちょこちょこっとデパートのお惣菜を盛ってみようかしら…、週末のブランチはニュアンスカラーのプレートでカフェ飯を気取ってみようかしら…、なんてイメージが沸々と。
小皿一枚、グラス一脚から、新たな食卓作り、始めてみませんか?
※器の価格はすべて税込み価格です。
うつわshizen
東京都渋谷区神宮前2-21-17
03-3746-1334
営業時間/12:00〜19:00
定休日/火曜日
http://utsuwa-shizen.com
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