お風呂あがりの保湿クリームにこだわっている方は多いはず。でもそもそも乾燥の原因についてはあまり知らないかも…。今回は、そんなお風呂上がりの乾燥と対処法について、洗剤化学のスペシャリストとして有名な、かずのすけさんにお話をうかがいます。
保湿クリームよりも、乾燥の原因を見直してみて!
「お風呂上がりに保湿クリームを塗る女性は多いと思いますが、肌の乾燥が気になるなら、クリームよりもまずボディソープを見直しましょう。お風呂上がりに肌が乾燥するのは、ボディソープが肌本来の皮脂や保湿成分まで洗い流してしまうから。洗浄力を落とせばこれらの天然の保湿成分は肌にとどまり、乾燥を防ぐことができるのです。」(かずのすけさん)
ボディソープ、洗いすぎはよくない…?
「実は、体を洗うのにボディソープはそれほど必要ありません。汗をかきやすい部位や体毛の多い部分はボディソープで洗ったほうがいいですが、ほとんどの身体の汚れは湯船に浸かるだけで落ちます。入浴習慣がある人は、本来ボディソープで全身をゴシゴシ洗う必要はないのです、特に、洗浄力の高い石鹸やボディソープは肌の乾燥やアトピーの悪化原因になるのでご注意を。」(かずのすけさん)
でも急にやめるのはNG!
「しかし、今までゴシゴシこすり洗いをしてきた人が、急にほとんど洗わない生活にシフトするのはオススメできません。皮脂の分泌量や角質の代謝はこれまでの洗浄習慣に慣れているので、突然洗わないようになると匂いや垢などに悩むことも。ボディソープの洗浄力は徐々に落としていきましょう。」(かずのすけさん)
【乾燥を防ぐための、肌に優しい体の洗い方】
1:基本はお風呂に浸かるだけでOK
2:泡立てネットでしっかり泡を立てる
3:体の汚れやすい部分のみ洗う
4:スポンジやナイロンタオルなどを使用せずに「手」で撫でるように洗う(ゴシゴシこすらない)
5:泡の流し残しがないようにシャワーでしっかりすすぐ
ボディクリームよりもボディソープや洗い方を見直して
【ここがポイント】
●保湿不足よりも洗いすぎが原因かも
●身体の汚れは入浴でほぼ落ちる。ボディソープは実はほとんど必要なし
いままであまり気にしたことがなかった、「洗いすぎ」問題。少しずつ洗浄力を落としていくことで、乾燥のお悩みから解放されるかも!今回の話以外にも、生活に関する豆知識が満載の『秒でわかる!最強の家事』が、現在好評発売中!かずのすけさんの分かりやすい解説で、あなたも家事マスターに♡
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洗剤化学のスペシャリスト
かずのすけ
1990年福井県生まれ。京都教育大学教育学部を経て、2016年に横浜国立大学大学院環境リスクマネジメント専攻を卒業(環境学修士・教育学学士)。専門は有機化学で、大学では界面活性剤とタンパク質の研究、大学院では化粧品リスクと消費者教育に関わる研究を行う。現在は研究活動のかたわらサイト運営や化粧品の企画開発、セミナー講師、執筆業などにも携わる。2013年9月よりブログ「かずのすけの化粧品評論と美容化学についてのぼやき」を運営。過去最高月間500万アクセス。確かな知識を生かした化粧品解析やわかりやすいコラムで、肌・髪に悩む多数の読者の信頼を得ている。著書多数。『オトナ女子のための美肌図鑑』『オトナ女子のための美容化学 しない美容』(ともにワニブック刊)等。http://ameblo.jp/rik01194/