10年つきあった彼と「結婚するんだろうな」と思っていたけれど…
新卒で就職して以来、金融業界で働いている夏子さんは現在47歳。ワーママ友達の間でも”年齢不詳の美人”と評判の彼女が12歳年下の元夫と出会ったのは38歳のとき。当時、夏子さんは、つき合って10年になる同年代の恋人がいた。
「彼は面白味はないけど、自分の芯があって安心感のある人。実はつきあっていた10年間のうち半分くらいはほかにも彼がいたり、結構好き勝手やってたんです、私(苦笑)。でも、一緒に住んでいる彼のことは『この人と結婚するんだろうな』と思っていました。
そういえば、彼がマンションを買おうとしていて、一緒に内見に行ったこともありました。その物件に決まれば結婚ってことになったと思うんですが、抽選に落ちて。要するに、ご縁がなかったんでしょうね(苦笑)。そうこうしているうちに、12歳年下の元夫に出会ったんです」
40歳を目前に、人生の急カーブを切ってみた
彼と知り合ったのは、趣味でときどき踊りに行っていたサルサバー。
「サルサバーに来ている男性って個性的な人が多くて、あんまり恋愛対象にならないんです(笑)。だから連絡先を交換することなんかめったにない。でも、彼は話してみたら年のわりにしっかりしているし、サルサという共通の趣味もあるし、一緒にいて楽しい。『今度いつ行く?』なんて連絡を取り合うようになって、2~3週間に1回一緒に踊って、その後飲みに行ったりしていたら…3か月後くらいに『結婚を前提につきあってください』と言われたんです。
つきあっている彼もいるし、知り合って間もないし、えー、どうしよう! って思いました。でも、『人生は一度きり! 若くて行動力のある彼とこれから楽しくすごすのもアリなんじゃない?』って思っちゃったんですよね」
39歳で結婚・妊娠。順調に思えた結婚生活が一変!
それからの夏子さんの行動は早かった。10年つきあっていた彼と別れて、3か月後には12歳年下の彼と同棲。9か月後に結婚することに決め、結婚式準備も始まった。
「でも何せ彼は当時まだ26~27歳。友達の結婚式に出席したことすらないから『わかんない』って言って、参列経験豊富な私に丸投げしてきて。結婚式の流れを把握してもらいたくて友達の結婚式のDVDを渡しても見ないし…思っていた以上に強情だったんです。
それに、今から考えれば当時から彼は彼でストレスをためてたのかな。家事ひとつとっても私のほうが全然うまくて彼の出る幕はなし。私の周りには金融界でバリバリやってる友達も多いから、社会人としてまだまだひよっこの彼は『自分もそんなふうにならなきゃ』とプレッシャーを感じていたみたい。ちょこちょこケンカもしました。でも私としては、10年つきあった彼と別れてまで、一緒に暮らし始めた彼です。結婚に迷いはありませんでした」
そして結婚数か月後。すぐに子どもを授かり、夏子さんのおなかも大きくなってきたころ、事件が起きた。
「ある日の朝、彼の携帯が鳴ったんです。彼が電話をとって相手の声がもれ聞こえてきたんですが…」
それは、警察からの電話。彼が告訴されたという連絡だった。
取材・文/酒井亜希子(スタッフ・オン)
次回は8月2日(金)更新!