外国人の夫とすぐに離婚せずに別居を開始
シンガポール人の夫と離婚で合意したものの、当時20代後半だった愛さん。友人の多くがまだ結婚していなく、結婚に夢を見ている人も多かったので、結婚のときに祝福してもらった手前、夫婦の仲が破綻してしまったことを言い出せずにいました。
前回のお話▶︎「結婚式で離婚の予兆は感じていた」27歳で国際結婚してバツイチ。アラフォーで再婚後、出産を経て今が一番幸せな私
愛さん:私の実家の近所にマンションを購入していたので、彼はそこに住んだまま、私がほかに部屋を借りてひとり暮らしを始めました。
さかい:気持ちがなくなったのに、しばらくは籍を抜かずにいたんですね。
愛さん:でもその間、恋愛はほかの人と普通にしてました。結局、その後韓国に留学し、韓国人の彼氏ができたんですが、韓国は儒教の国で、当時の彼の周りも不倫には厳しくて。それもあって私が32歳のとき、ようやく籍を抜いて離婚が成立したんです。
「ハワイに行ったら何かが変わる!」
話を聞いていると、なかなか恋多き女性である愛さん。その後、離婚して結局韓国人の彼氏とも別れ、1年後に仲良しの男女グループで行ったハワイ旅行が、現在の夫、Bさんと付き合う転機になりました。
愛さん:行く前から何となく、「ハワイに行ったら何かが変わる」という、理由のない予感があったんです。実はそのグループ内でほかに関係を持っていた男性がいたので、「今回の旅行でその人との仲に決着がつくかも」と思っていたのですが、結局その相手とはすれ違ってしまい、代わりに長年の仕事仲間だったBさんとの仲が急接近したんですよね。
その当時Bさんには長年同棲していて結婚まで考えてた彼女がいたそうですが、ふたりでいるとすごく楽しくて、「この人とは合うな」と、お互いが感じたとのこと。
愛さん:最初は「これってハワイマジック?」とも思ったのですが…(笑)。帰国してから日本で初めてふたりで会ったときも楽しくて、そこから週1で会うようになって付き合い始めました。
さかい:Bさんは同棲していた彼女と円満に別れられたんですか?
愛さん:それが…。相手の女性はメンヘラ気味で薬を服用していて。彼が別れようと言ったら、暴れて「殺してくれ!」と言ったりして、大変だったみたいなんです。それでなかなか別れられないから、「彼女と別れないなら私は無理だから」と伝えて、一度は別れたんですよね。でもしばらくしたら彼から、「別れて来月家を出る」と連絡が来たので、そこからよりを戻しました。
バツイチ子ありの彼との再婚生活
Bさんと交際し始めると、愛さんはすぐに妊娠したものの、流産。その後一緒に暮らし始め、約1年半になる37歳のときに再婚し、現在は2歳になる息子さんがいます。
愛さん:付き合うきっかけがハワイだったこともあって、「結婚するならハワイで挙式しようね」と言ってたのですが、彼もバツイチでお互い2度目だから、親も呼ばずにふたりでハワイで式を挙げることにしたんですよね。そしたら、行く2週間前に妊娠が発覚して…。つわりで辛い状態での式で、大変でした。
さかい:Bさんとの再婚の決め手はなんだったんですか?
愛さん:「この人しかいない」と思えたことかな。彼との出会いは男女を意識していない仕事の場だったので、人としての本質が見えたのが良かったなと思います。職場で彼のことを悪く言う人がいなかった。同じプロジェクトのチームとして一緒に何かを成し遂げたことも大きかったですね。あとは、同じときに同じことを考えていたりとかして、すごく似てるんです。前世で双子だったんじゃないかと思うくらい。
結婚生活は円満で、たまに子育てのことでぶつかることはあっても、それ以外の不満はないそう。ただひとつ、気になっているのは、Bさんの前妻との間の娘のこと。
愛さん:若いときに出来た子なので、もう成人の年齢なんですが。その娘の話を、彼がよくするんです。以前は娘の話なんて聞きたくないと思っていたけれど、自分が出産したら、その子のことも心配になってきて。今は元奥さんと九州で暮らしているようなのですが、「ちゃんと会った方がいいんじゃない?」って気にするようになりました。
さかい:養育費とかはどうなっているんですか?
愛さん:元々10万円だったのが、今は7万円払っていて、それも彼女が成人する2年後までみたい。でも我が家は完全別財布制なので、私は関与していないし、特に気にはなりません。むしろ、お金を払うくらいしかやってあげれることがないならば、ちゃんと払ってあげて欲しいなと思います。
バツイチの私が思う、「結婚の意味」
そして愛さんに質問した「結婚の意味」の答えを聞いて、私は「やっぱり再婚したいな〜」と改めて思ったのですが、その答えがこちらです。↓↓↓
愛さん:自分が絶対的に許される場所である代わりに、自分も相手を絶対に許さないといけない。だけどそこから得られる安心感は絶大。―この安心感があるから、仕事もがんばれるんです。
―そうだった!色々な夫婦の話を聞いて「結婚って何のためにするんだろう」とわからなくなっていた今日この頃でしたが、自分にとっての安心できるホームグラウンド。私にとっては、結婚ってそれを手に入れたくてするものだったんだよなぁと思い出しました。
どんなコンディションの自分でも受け入れてくれて帰れる場所があるという安心感は、人間を精神的に強くしてくれますよね。それって働く女性にとっては、特に重要なんじゃないかしら。
そんな大事なものを守るために愛さんが心がけていることは、
・ケンカは翌日まで持ち越さない、
・「いってらっしゃい」の挨拶は必ずする
のふたつ。
「この日常がいつ終わっても、後悔はしないようにしたいから」
インタビュー・文
さかい もゆる
出版社勤務を経て独立。と思った矢先、離婚してアラフォーでバツイチに。女性誌を中心に、海外セレブ情報からファッションまで幅広いジャンルを手掛けるフリーランスエディター。Web Domaniで離婚予備軍の法律相談に答える「教えて! 離婚駆け込み寺」連載も担当。著書に「やせたければお尻を鍛えなさい」(講談社刊)。講談社mi-mollet「セレブ胸キュン通信」で連載中。withオンラインの恋愛コラム「教えて!バツイチ先生」ではアラサーの婚活女子たちからの共感を得ている。