経済的に苦しくなっても離婚すべきか迷っています。
Q.40歳、8歳の子がいるワーママです。夫が浮気したので離婚したいのですが、計算してみたところ、養育費は毎月4万円しかもらえません。現在は別居して婚姻費をもらっています。別居をスタートしてから正社員として就職しましたが、月給は16万円で、婚姻費用をもらわないと生活はカツカツな状態です。今より貧乏になったとしても、離婚すべきでしょうか。(群馬県・40歳・8歳男児のママ)
A.「離婚して生活に余裕が出た人というのは、あまり聞きません。要は、離婚したら生活は苦しくなるという前提があった上で、それでも尚、『今』離婚することが家族全員の幸せにつながるかどうか、ということなのです。
生活費にかかるお金の保証をするための婚姻費用をもらっているということですが、婚姻費用はかなり昔の基準に基づいて算出されたものなので、それだけでは生活が苦しくなることは避けられません。そして相談者様がおっしゃられているように、離婚したらさらに生活は苦しくなるでしょう。婚姻費用より養育費の額は更に少なくなるのは間違いないですから。また養育費も、実際には支払いが滞るケースが多々あるということを知っておいてください。
考慮すべきは、お子さんの健全な養育という観点から見た時に、どうするのが最善なのか、ということ。籍を抜かずにある一定の時期まで待つ、あるいはご自分の収入を増やしてから離婚する、という選択肢もあります。
ここで私が特に言いたいのは、「はたして,お金だけが幸せを得られる唯一の価値観なのでしょうか」ということです。ご自分とお子さんにとって、幸せな状態というのはどういうものなのかを、今一度お考えになられてはいかがでしょう。そうすることで、今すべきことが必ず見えてくるはずです」(中川裕一郎先生)
●本連載では離婚に関する慰謝料や養育費など、法律的な悩みや疑問にプロの弁護士が直接回答します!ご相談ごとがあるかたは、domani2@shogakukan.co.jp またはこちらのフォームよりお寄せください。 メールの場合は件名に「離婚相談」と書いてなるべく具体的な内容をお送りください。すべてのご相談にお答えできるとは限りません。あらかじめご了承ください。
お悩みに回答してくれたのは・・・
中川裕一郎先生
弁護士。東京中川法律事務所経営。https://tokyo-nakagawa.com
商社勤務時代にバックパッカーとして世界に飛び出し、地球を一周回ってみつけた社会的正義を実現するという生涯の目標のため弁護士に。紛争を未然に防止し、目の前の依頼者を笑顔にすべく日々奮闘中。親身になってアドバイスをくれる人情派弁護士として、依頼者たちからの信頼も厚い。フルマラソン、3時間切りのランナーでもある。
インタビュー・文
さかいもゆる
出版社勤務を経て、フリーランスライターに転身。女性誌を中心に、海外セレブ情報からファッションまで幅広いジャンルを手掛ける。著書に「やせたければお尻を鍛えなさい」(講談社刊)。講談社mi-mollet「セレブ胸キュン通信」で連載中。Web Domaniの人気連載「バツイチわらしべ長者」で様々なバツイチたちの人生を紹介している。withオンラインの恋愛コラム「教えて!バツイチ先生」では、アラサーの婚活女子たちからの共感を得ている。