結婚7、8年目は本当に危機でした
結婚して今年で11年目になります。ずっと夫婦円満…というわけもなく、幾度となく大きな山を乗り越えてきました。中でも結婚7、8年目あたりは長い倦怠期で、ぶつかる事も多く、この時期の話をすると今でも不穏な空気が流れるくらい。
でも、あの時、話合うのを諦めていたら、倦怠期どころの騒ぎではなかったかもしれません。
夫だけ、夜仕事を入れるのは「当たり前」?
喧嘩の原因は色々ありましたが、一番は夫の夜の予定。
夫は音楽関係の仕事をしていてイベントもあるし夜の打ち合わせも元々多いんです。突発的なトラブル処理や、予定の変更もしょっちゅう。
一方、私は、本来であれば夜までかかる撮影もあるし、ファッション&ビューティ関連のイベントに伺うこともお仕事のひとつ。一番下の次男が幼稚園に入園するまでは、とセーブしていたけれど、プロとしてこれではいけない、とこの頃から「再開したい。再開しよう!」と所属事務所と話し合っていました。
でもいざ仕事をお願いされても、夫に「何時までに帰ってくるから、この日都合をつけてもらえないかな?夜ご飯は作っておくから」とお伺いをたてなければならない。月にたったの1、2回のことです。そして、そのたびに「あーごめん、仕事だわ」と取り合ってもらえず、私が諦める。
私に仕事をオーダーしてくださる方々は、こちらの事情も汲んでくださって「夜の時間だし、もし可能だったら」という配慮をいただいていました。状況的には、私のほうが夫よりもお断りしやすい立場ではあります。
でも、仕事は仕事。あまりにも取りつく島がない夫に納得いかず食い下がる私。ところが今度は「じゃあ(自分の)お母さんにお願いしよう」と悪びれもなく言い放たれ…たった19時から20時という1時間の為に母親に往復2時間もかけてきてもらうことを、息子としてどう思っているんだろう?と腹立たしさが募ります。
彼にしてみれば「朝起きる代わりに夜の予定については何も言わないっていう約束じゃん」と。何度話し合っても接点はゼロ。そういう言い争いを繰り返しているにも関わらず、依然として当たり前のように夜の予定を入れている夫の人格にさえも疑問が湧いてきます。
夫の予定はそもそも夜、私が家にいて子供の面倒を見ている事が前提となっている…そんなのおかしい!でも、このことを私の母に話すと「仕事だから仕方ないこと。仕事を頑張っている旦那さんをせめてはいけないよ」と…。
そうじゃないんです。夫をせめているのではなくて、なぜ私だけが家庭にがんじがらめになって、ひとりの仕事をする人間として同等でいられないのか。それを話し合いたかったんです。でも私も冷静さや言葉も足りていなかったのかも知れません。金額面でも安全面でも夫が納得するベビーシッターを探しておけばよかったかな…。
ママ友達もみんな思っていることは一緒
そして…仕事で仕方ない、とわかっていても、夫に家庭で過ごす時間をもっととって欲しいと思っている私もいます。倦怠期真っ最中の時は、子どもの習い事の帰りにそのままママ友達と家飲みに流れ、幾度となく同じような不満について話し合いました。ママ達は夫が仕事で簡単には帰れない状況を頭ではわかっていて、感謝してはいるんです。
▲ママ達は夜、飲みにいけないことがほとんど。習い事帰りのうち飲みは子ども達もお友達と一緒にずっといられるから、罪悪感ゼロ。マンションのパーティールームを借りることもありました。
結婚する時、自分の父から「どんなににゃんちゃん(夫)が忙しくても、帰ってきて欲しいと言い続けろ」と言われたことがあります。私の記憶では小さい頃父と夕飯を食べた記憶がない…。父はもしかしてそのことを後悔しているのかもしれません。
▲父の還暦のお祝いをした時。私の姉にも3人の子どもがいて、計6人の孫に囲まれると目尻が下がっています(昔は怖かったのに笑!)。
夫が夜、食卓にいると子ども達は喜びます。我が家では、習い事で夜が遅い小学生の長女と長男、早めに帰宅する幼稚園生の次男が食事をとる時間がもう違う。家族みんなが揃ってご飯が食べられるのもあと何年かでしょう。当たり前のことと思ってはいけませんよね。家族揃ってご飯を食べられる期間は意外と短いんです。
だから父の教訓通り、子ども達も私も、夫の仕事の都合は都合として「早く帰ってきて欲しい」を言い続けようと思います。
▶︎【モデル牧野紗弥の夫婦生活ホントのところ】バックナンバー
モデル
牧野紗弥
愛知県出身。小学館『Domani』を始め、数々のファッション誌で人気モデルとして抜群のセンスを発揮しながら、多方面で活躍中。キャンプやスキー、シュノーケリングなど、季節に合わせたイベントを企画し、3人の子供とアクティブに楽しむ一面も。今年は登山に挑戦する予定。自身の育児の経験や周囲の女性との交流の中で、どうしても女性の負担が大きくなってしまう状況について考えを深めつつ、家庭におけるジェンダー意識の改革のため、身を持って夫婦の在り方を模索中。