両親は私の前で絶対喧嘩をしなかったのに
夫婦喧嘩って、普通はいつするものなんでしょうか。子どもが眠ってから?休日に夫婦だけで出かけて?仕事をしていて、小学生から幼稚園生まで3人の子育てをしていると、夫婦だけの時間がなかなかとれません。それとも、そんなに喧嘩ってしないものなのかな。私も夫も、気づいたことはその時に伝えたいタイプ。だから、子ども達の前でも喧嘩をします。
子連れで家を飛び出したはいいけれど
夫婦喧嘩がヒートアップした挙句、よりにもよって長男の誕生日に家を飛び出してしまったことも。「もうイヤ!」という気持ちのままに子ども達3人を道連れにして家を飛び出し、都内のホテルに行きました。
子ども達はといえば、しょんぼりするかと思いきや「ホテルに泊まれる!』と大はしゃぎ。そんな3人を横目に見ながら私はひとり心が晴れません。夜通しスマホを眺めては、謝りのLINEを今か今かと待ちながらジリジリして過ごしたけど、なしのつぶて。そのまま家出を続けるわけにもいかず、重い足取りで次の日、家に帰りました。夫は何事もなかったかのように「おかえりー」ですって。「ごめんね」くらいは言ってくれるだろうと思っていたのに!!!とさらに腹が立ちました。効果がないのでもう二度と家出はしません(笑)。
両親と同じことができない代わりに
私の両親は子どもの前で一度も喧嘩をする姿を見せたことがありませんでした。たった一度、母が隠れて泣いているのを見た事があるだけ。辛かっただろうな。いま自分が母親になってやっと、そうするためにどれだけの努力が必要だったかがわかります。そんな母ですから、私たちが子どもの前で夫婦喧嘩していると、後で厳しい注意が飛んできます。孫たちが心配なんですよね。
それでも私たちはやっぱり喧嘩してしまう。ただ、そういう時は、絶対に仲直りまで見せる。長引かせない。子ども達にも分かるように喧嘩の理由を説明すると決めています。さらにしつこく謝り、しつこく抱きしめます。それでチャラにできるとは思っていませんが、しないよりは、と。
子どもたちは夫婦喧嘩をどう思ってる?
小学5年生になった長女は、私たちが喧嘩をすると、仲を取り持とうとしてくれます。夫にキツいことを言われて私が堪えているのも見逃しません。「今の言い方、嫌だったよね、私もママの気持ちよく分かるよ。ママ大丈夫?」なんて声をかけてくれる頼もしい存在。
喧嘩してごめんね、と謝ると
「私たちが寝た後に喧嘩して、次の朝ママ達がギスギスしてる方が不安だよ。こっちもこっちで自分たちが悪いことをしているのかなって思うし。大げんかはして欲しくないけど、少しの喧嘩ならいいよ」
と言ってくれました。
「でもすぐに仲直りして欲しい。じゃないと私たちも気を遣うしさ」
とのことで…はい、気をつけます。
小学校3年生の長男と年中さんの次男は甘えん坊で、夫婦喧嘩の後は特に私にベッタリ。
「喧嘩はやだよ。パパもすぐ、ごめんねって言えばいいのに!」
と、私の味方をしてくれます(笑)。
いけない、いけないと言いつつ、それでも喧嘩をしてしまう未熟な私たち。でも、子ども達に、嘘のない夫婦の姿を見せるという意味では、夫婦喧嘩を全くダメとも思っていないんです。
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モデル
牧野紗弥
愛知県出身。小学館『Domani』を始め、数々のファッション誌で人気モデルとして抜群のセンスを発揮しながら、多方面で活躍中。キャンプやスキー、シュノーケリングなど、季節に合わせたイベントを企画し、3人の子供とアクティブに楽しむ一面も。今年は登山に挑戦する予定。自身の育児の経験や周囲の女性との交流の中で、どうしても女性の負担が大きくなってしまう状況について考えを深めつつ、家庭におけるジェンダー意識の改革のため、身を持って夫婦の在り方を模索中。