結婚前に相手の家庭環境は見ておくべきだった…。
奥さんの美智花さんを突き飛ばしてまで、スマホでのオンラインカジノにハマっていた夫のAさん。その実態は、完全なるギャンブル中毒。そして美智花さんはそのことに、結婚して3年以上も気づかずにいたのです。
前回のお話▶︎御曹司の結婚相手はギャンブル依存症だった!借金まみれで失踪した夫と離婚するまで
ギャンブルによって膨れ上がった借金は、全部で5千万円。尋常ではない金額ですが、そのうち2千万円は義理の両親が肩代わりしていたことも判明します。
美智花さん:結婚する前の、義父の上から目線の威圧的な態度の謎も、これで解けたような気がしました。
2千万円を親が肩代わりするのも普通ではない気がしますが、Aさんの家庭は4人兄弟で、Aさんは上から2番目。Aさんの妹の長女はニートで買い物依存症というから、ちょっと変わった家庭のよう。
この連載で取材していると、「相手の家庭環境は結婚前によく見とけ」ということを、本当に身につまされます…! 相手の両親や兄弟がちょっとおかしいというのを見過ごすと、あとから「やっぱり本人もおかしかった…」ということになりがちなので、要注意です(涙)。
そんなこんなで、失踪した夫は結局帰ってきたのですが、当然美智花さんは離婚を考え、夫にそう告げました。
美智花さん:向こうは、「うちの両親とは居たくないから、美智花といたい」って言うんですけど、ネットで調べたら、こういう関係は共依存になりやすいということがわかって。とりあえずすぐに家を出て別居しました。でも夫は「俺が死ぬから、その生命保険で借金を返済して欲しい」とかまだ言ってる(苦笑)。そこからなんやかんやで半年くらいゴネられたけど、その後無事に離婚が成立しました。
私が結婚に失敗した理由
弁護士に相談したところ、別居期間中の生活費である「婚姻費用」を返済能力のない夫に出させるのは難しいので、義理の両親に請求しろとのアドバイスを受け、別居期間中は義父が、自らが経営する医院の夫のお給料を美智花さんの銀行口座に振り込んでくれていたそう。
美智花さん:プライドの高い実家だから、息子のことで迷惑をかけたのが耐えられなかったようです。慰謝料も、本人とは会わずに向こうの親と話し合って金額を決めました。
ふたりで市役所に行き離婚届けを提出した別れ際、Aさんは「月イチくらいでご飯食べに行こうよ」と言ってきて、美智花さんは「こいつホントにバカだな」と呆れたそうです。
美智花さん:今思えば、彼との結婚自体、すごい好きだからというよりは、「先々を考えたらここら辺で手を打つか」って感じだったんですよね。夫と付き合う前に6年付き合った人がいて、その人と別れてからは誰と付き合ってもすぐ冷めちゃって。
20代に大恋愛をしてその人と別れて、30代になってから婚活で悩んで好きでもない相手と焦って結婚してしまう。―これもまた、バツイチさんあるあるですね。
さかい:それにしても、ギャンブル依存症って付き合っているときには見抜けないものなんですか?
美智花さん:そうなんですよ。交際中にギャンブルの話になって、「ギャンブルをやったりすることはあるの?」って聞いたときも、「全然やらないよ」って言われてましたし…。
―普通に詐欺じゃん!!(涙)
離婚後は、交際する相手ができても、「この人も何かあるんじゃないか?」と疑ってしまうように。
美智花さん:男性のお金の使い方をチェックするようになりましたね。「この人、この職業でこういう外食へのお金の使い方だったら結構貯金してるな」とか、「この収入でワンルームって、お金を何かに使ってるんじゃないか」とか(笑)。ちょっとでも「え?」っていう違和感があったら、その直感は信じた方がいいと思います。それを見逃すと、私みたいになるから…。
「再婚は、本当に好きになれる人ができたらでいいかな。あの苦しさは、もう味わいたくないから、仕事だけの人生でもいいのかなあとも思いますし」。
バツイチで38歳。40歳を前にして美智花さんはさまざまな想いを胸に、再婚に対しては、まだ揺れている最中なのでありました。
インタビュー・文
さかい もゆる
出版社勤務を経て独立。と思った矢先、離婚してアラフォーでバツイチに。女性誌を中心に、海外セレブ情報からファッションまで幅広いジャンルを手掛けるフリーランスエディター。著書に「やせたければお尻を鍛えなさい」(講談社刊)。講談社mi-mollet「セレブ胸キュン通信」で連載中。withオンラインの恋愛コラム「教えて!バツイチ先生」ではアラサーの婚活女子たちからの共感を得ている。