元夫、そして同居した友人が立て続けに亡くなって…
職を転々とする、稼ぎのない夫と離婚してシングルマザーになった百恵さん。今まで住んでいたファミリータイプの広い賃貸マンションに住み続けるために、女友達と息子との3人で暮らし始めます。
百恵さん:それが、その後友人が昨年の年末に、乳がんが進行して亡くなってしまったんです。実は元夫も2年前に脳梗塞で倒れて亡くなっているので、息子には友達が亡くなったことは伏せていて、「A子ちゃんは海外に行ったんだよ」ということにしました。
さかい:それまで元夫と息子さんの交流はあったんですか?
百恵さん:彼は子供のことはかわいがっていたので、私たちが住んでるマンションの最寄り駅の逆側にアパートを借りて住み、週に1度は面会させに行っていました。息子は父親が亡くなったことは理解しているのですが、同居していた友人まで亡くなったと知らせるのはあまりにも酷な気がして、言えませんでした。
そんなショックな出来事があったあと、百恵さんが選択したのは、お母様と同居すること。
父親はすでに他界しており、育児を手伝ってくれる母親との同居は、とても心強く快適とのこと。
子供と一対一で向き合うのを避けたいという思い
百恵さん:私はひとりっ子で育ったからか、人との距離感が極端なところがあって。子供とふたりきりで暮らしたら、関心がすべて息子に行って、しんどい思いをさせてしまいそうな気がしてるんです。だから、誰か箸休め的な第三者が居てくれた方がいい。それと、私が働いているので、息子にさみしい思いをさせたくないというのも、同居の理由ですね。母と暮らすことで、仕事に費やせる時間が増えた分、新しい仕事も受けられるようになっていいこと尽くめです。
常に友人たちが出入りする環境で育てたためか、現在6歳となる息子は、赤ちゃんのときから公共の場で騒いだことは一度もない、人見知りしない子に育ったそう。
今は生身の男性よりもK-popアイドル!
さかい:いつか再婚したいという気持ちはないんですか?
百恵さん:去年まではもうひとり産みたいなと思ってたけど、出会いとかまどろっこしいし、忙しくて時間もない。マッチングアプリをやってみたこともあるけど、マッチングするのは年収200万くらいのおじさんばかりで(苦笑)。今はリアルな男性よりも韓流アイドルにどっぷりハマってます。
コロナ禍になる以前は好きなK-popアイドルのライブを拝むために、息子は母親に預けて弾丸一泊ツアーで2か月に1回は韓国に通っていました。
仕事も順調で同居生活も居心地がいい。だけど母親は確実に、自分より先に亡くなるはず。そんなわけで、今の百恵さんは、家を留学生のホームステイ先にすることを計画中。
百恵さん:海外留学していた友人が最近うちに2週間ほど滞在しているんですが、そうしたら息子が英語に刺激を受けているのを目の当たりにして。子供のうちから様々な国の人や言語と触れ合わせることは大事だなあと思いました。アプリはやってもメッセージが続かなかったけど、そのうち、子供同士を遊ばせられるようなシングルファザーの茶飲み友達でもできればなあとは思ってますよ。
インタビュー・文
さかい もゆる
出版社勤務を経て独立。と思った矢先、離婚してアラフォーでバツイチに。女性誌を中心に、海外セレブ情報からファッションまで幅広いジャンルを手掛けるフリーランスエディター。著書に「やせたければお尻を鍛えなさい」(講談社刊)。講談社mi-mollet「セレブ胸キュン通信」で連載中。withオンラインの恋愛コラム「教えて!バツイチ先生」ではアラサーの婚活女子たちからの共感を得ている。