義母にイビられている嫁を、夫は見て見ぬフリ
前回のお話▶︎義母との同居は家事も料理もダメ出しの連続…
23歳で4人兄弟の末っ子の夫と結婚したら、なぜか義母と同居することになり、しかも義母は梢さんの家事のやり方に「我が家のやり方とは違う」とダメ出ししてくる。
そんな結婚生活だったら、普通ならば、すぐに破綻して「ムリ!!」ってなってしまいそうですよね。
でも責任感が強い梢さんは、その嫁イビりに我慢強く耐えてしまったのです。
そんなとき、夫が義母と自分の間に入ってくれたらいいけれど、前回のけんちん汁の一件でも、リビングに居てその一部始終を聞いていても見て見ぬフリで何も言わない。
梢さん:さすがに、「この人はこのやりとりをどう思ってるんだろう」と思って寝る前に聞いてみたら、「おふくろは自分の味を食べさせたいっていうのがあるんじゃない?」と、悪びれもせずにひとこと。それなら、最初からお義母さんに作って欲しいですよね〜。
「こっちも働いてて忙しい中料理しているのに、それを作り直されたりしたら、労力が無駄になるし、そこはあなたが『俺は梢が作ったやつ食べるよ』って言えば良くない?」と夫に言うと、「いや〜、そこで俺がそんなこと言ったらカドが立つでしょ」と他人事のように言い放つ夫。
あまりの無責任さに梢さんが「この家で血が繋がってないのは私だけ。そこを守ってくれるのがあなたの役目でしょ。それが出来ないなら一緒には暮らせない。私だけ仲間はずれになっちゃうもの」と憤ると、「そっか〜。今度からはそうするね」と言ってくれたものの、その約束は一度も果たされることはなかったのです。
窓拭きも洗濯物の畳み方もダメ出ししてくる義母
料理だけではありません。
梢さん:私が窓ガラスを拭けば、すぐに義母が拭き直すんです。「どこかやり足りなかったですか?」と聞くと、「私、自分のやり方でやらないと気が済まないのよ〜〜」って。いやいや、じゃあ最初っからやってくれよ!って思いますよね。ほかにも、洗濯物を畳むときに、私は靴下を揃えて二つ折りにする派なんですが、彼女はクルッと折り返してひとつに畳みたい派みたいで。居間に畳んで置いておいたものを、わざわざ私の目の前で畳み直したんです。
さかい:え〜〜〜。そんなの、「ありがとうね」って言って部屋に持って行ってから畳み直せばいいのに、目の前でやり直すって完全に当てつけじゃないですか。
マザコン夫と嫌味な義母の組み合わせって、本当に最悪ですね…。
義母は何かあるとすぐに「あの子はちっちゃい頃から可愛くてね〜」と、30半ばのおっさんになった夫の子供の頃自慢。4人兄弟でひとりだけ6歳も年が離れて生まれた末っ子の彼のことは、いつまでも子供扱い。
結婚前に両親は彼の本性を見抜いていた!
さかい:よく3年半も我慢しましたね…。
梢さん:実は結婚前に、うちの両親には結婚を反対されてたんですよ。
さかい:え、ご両親、すごい。見抜いてたんですかね。なんておっしゃってたんですか?
梢さん:うちの実家に何度か遊びに来たのを見ていて、「悪い子じゃないけど、あの人はいざというときあなたを守ってくれないわよ。今は年上でよく見えてるかもしれないけど、あれは本当の優しさじゃない、ただの優柔不断」って。
母親の直感、あなどれないですね!
しかし恋に燃え上がっていた若い梢さんは、「何で私が好きになった人のことをそんな風に悪く言うのよ!」とさらに燃え上がり(よくあることですよね)、そのお母様の貴重な意見には耳を貸さずに、結婚。
梢さん:あのとき、親の言うことを聞いておくべきだったな〜、と思いました。そんなこともあって両親には結婚生活の愚痴を言いづらかったし、職業柄、結婚式も盛大に挙げてしまったので、今さら離婚は出来ない、という思いも強かったです。
自分の大事な人生なのに、こんな風に他人の目を気にして辛くても離婚出来ない人の、なんと多いことか。
その後、梢さんがストレスで体調を壊したあと、どうやって離婚に踏み切ったかのお話は、次回に続きます。
インタビュー・文
さかい もゆる
出版社勤務を経て独立。と思った矢先、離婚してアラフォーでバツイチに。女性誌を中心に、海外セレブ情報からファッションまで幅広いジャンルを手掛けるフリーランスエディター。著書に「やせたければお尻を鍛えなさい」(講談社刊)。講談社mi-mollet「セレブ胸キュン通信」で連載中。withオンラインの恋愛コラム「教えて!バツイチ先生」ではアラサーの婚活女子たちからの共感を得ている。