【目次】
医者の診断はストレス性急性胃炎
前回のお話▶︎実録!! 同居義母の嫁イビり。そのとき夫は見て見ぬフリだった!
身体は正直と言うけれど、強度のストレスを感じながらも我慢しているときって、大抵身体に異変が起きてから、そのヤバさに気がつくもの。
同居している義母は、嫁である梢さんの家事や料理に逐一ダメ出し。責任感があって芯が強い梢さんはそれにも耐えて結婚生活を続けていたのですが、ある日身体が悲鳴を上げるのです。
梢さん:毎年、年末には新幹線で大阪に行ってうどんを食べるのが友達同士との恒例行事。そのときも、みんなと一緒に大阪に出かけたんです。だけど朝から胃が痛くて、結局うどんも食べられなくて。
その後、帰りの新幹線に乗っているときに容体は悪化。トイレで戻しては水分を摂ってまた戻す、の無限ループに陥り、結局、ノロウイルス感染症を疑われ車掌さんに救急車を呼ばれて上野駅で降ろされたそう。
診断結果は、ストレスから来る急性胃炎。
梢さん:医者に「思い当たることは?」と聞かれたんです。そのときは何だろうって思ってたんですが、その後夫からメールで「母さんも一緒に病院に行くね」と来たときに、「来ないで!!!!!」という、強い拒絶反応が出て。あ、私、お義母さんのことがストレスなんだ、って、ようやく思い当たりました。
実家の母が夫に伝えた言葉
ひとりっ子の梢さんは親に心配をかけないよう、自分の両親には入院したことを黙っていました。けれど仲良しの従姉妹がお母さんに伝えてしまい、退院後すごく怒られたのです。
「しばらく仕事を休んで帰って来なさい」と言われ、2、3日のつもりで実家に帰りました。
梢さん:「何があったの?」と聞かれたので、今までの洗濯物や料理のこと、日々の義母の言動について話したら、私の前では「どうせあなたのやり方が悪かったんじゃないの?」と言ってたんですが……。夜中階段を降りてキッチンに水を飲みに行ったら、母が電話で話している声が聞こえてきたんです。
「ずっと厳しく育ててきたし、あの子も悪いところはあると思っているけど、うちの子は親の目から見ても掃除も料理も私なんかよりきちっとやる子なの。それなのに、わざわざ作った料理を作り直すとか、洗濯物を畳み直すとか。あなたはうちの子がお母さんから注意されている間、一体何をしてくれたの? もしあの子が実際は10しかないことを20にして私に話していたとしても、私だって自分の子が可愛い。あなたがあの子を守る気がないなら、もうその家に返すつもりはありません」
「私のせいで母を心配させてしまっている」
梢さんの母は美容室経営者。子供のときから仕事に厳しく、我が子の学校行事よりも顧客の予約優先。「娘に辛い思いをさせたとしてもお客様の信頼を裏切ることはできない」と、梢さんが発熱したときでも仕事は休まず、梢さんの面倒は同居していた祖母がいつもみてくれていたそう。
そして常に何かあっても「うちの子が悪い」と自分の子を叱るタイプ。だから梢さんはずっと母親に対して嫌悪感や反発心を抱いていました。
そんな母が、自分のために夫に電話をして怒ってくれている。
梢さん:「私が至らないばかりに、母にこんなことを言わせてしまった」と思いました。
翌日に梢さんは「もう帰るね」と夫の元へ帰宅。
聞いていると、梢さんのこの我慢強さと責任感は真面目なお母様譲りなんだなと感じました。帰る実家があるならばいくらでも甘えられるはずなのに、母に心配をかけないように、胃炎になるほどストレスを感じている義母と暮らす家に戻るって、偉すぎる……。取材中にこのお話を聞いたとき、同じひとりっ子である私は、そのときのお母様や梢さんの気持ちを想像するだけで泣いてしまいました。
結局このあと1年間も梢さんは同居生活にまだ耐え続けるのですが、そのお話は、次回に続きます。
インタビュー・文
さかい もゆる
出版社勤務を経て独立。と思った矢先、離婚してアラフォーでバツイチに。女性誌を中心に、海外セレブ情報からファッションまで幅広いジャンルを手掛けるフリーランスエディター。著書に「やせたければお尻を鍛えなさい」(講談社刊)。講談社mi-mollet「セレブ胸キュン通信」で連載中。withオンラインの恋愛コラム「教えて!バツイチ先生」ではアラサーの婚活女子たちからの共感を得ている。