4人兄弟末っ子の夫がなぜ義母と同居したのか
4人兄弟の末っ子と結婚したのに、なぜか義母と同居することになった梢さん。同居の中でも、レアケースなのではないでしょうか。
前回のお話▶︎末っ子の夫と結婚したのになぜか義母と同居。4年間耐えた結婚生活とは
さかい:なぜ同居することに?
梢さん:お父さんがすでに亡くなっているのですが、彼は結婚式場勤務という仕事柄、お父さんの死に目に会えなかったんです。だから母親のことはきちんと看取りたいという気持ちが強かったみたいで。そう言われると、私も若かったこともあって、「そうだよね」と言うしかなかった。「なんとかなるでしょ」って思ってたんですよね。
まだ23歳だった梢さんは、「子供ができても当分仕事は続けたいし、その場合はお義母さんが子供を見てくれるならラッキー」くらいに思っていたそう。
しかし、この連載でバツイチになった方たちの例に漏れず、「なんとかならなかった」のですね。
声を大にして改めて言いたい。大事な人生の決断となる結婚において、重要な局面を「なんとかなるでしょ」でスルーするの、ダメ! 絶対!!
同居して気づいた、義母のクセの強さ
夫のAさんのことを、最初はお母さん想いの優しい男性、くらいに思っていたのが、「この親子、クセが強いぞ」と気づいたのは、結婚してすぐのこと。
まず、休日にランチを食べに行くにも、いちいち義母がついてくる。
梢さん:義母も働いているのですが、3人の休みが重なると、夫は義母も外出に誘うんです。「まあいいか」と思っていたけど、でも新婚だし、たまにはふたりで出かけたいじゃないですか。だけど毎回彼がママを誘うし、向こうもそれを断らない。ママも子離れしてないんですよね。
ほかにも、3人とも休みの日に夕飯の支度ができて彼を居間に呼ぼうとすると、義母が夫のご飯だけトレイにセットしている。
梢さん:「それ、どうするんですか?」と聞くと、「あの子部屋で映画観てるんでしょう? 持って行ってあげようと思って」って。いやいや、さすがにありえない、それは過保護過ぎるでしょう、と思いましたね。私にとって、ご飯はみんなで集まって食べるもの。
見兼ねた梢さんが「3人で揃って夕食を食べる機会も滅多にないんだから一緒に食べましょうよ」と言うと、「いいのよ、たまの休みでのんびりしたいんだろうから」とお義母さん。それでも梢さんが「いやいや、同じタイミングでみんなで食事するのは大事です。今まではそうだったのかもしれないけど、これからは一緒に食べましょうよ」と提案すると、急にすごい剣幕で「うちはずっとこうして来たの!」と却下されたのです。
さかい:え〜。結婚したのに、家庭が完全にお義母さんの支配下じゃないですか…。旦那さんはひとり暮らししたことなかったんですか?
梢さん:そうなんです。結婚前もうちで半同棲は1年くらいしていたものの、ずっと実家暮らし。「ボクちゃん」で育ってきたってことに、私も気づかなかったんですよね〜〜。
家事や料理にもダメ出しの嵐!
さらには、梢さんのやる家事や料理にもダメ出しの連続。
あるとき、「今夜は残り物でけんちん汁を作りますね」と料理をした梢さんが作ったけんちん汁を見て、「あら梢さん。けんちん汁は豚肉で味噌ベースで作るものでしょう? それは鶏肉で醤油ベースだからけんちん汁じゃないじゃない」と指摘してきました。
梢さん:「それじゃ豚汁じゃん!」って内心思いました(苦笑)。だから「それって豚汁と何が違うんですか? 結婚前にも同じものを作ったけど、彼は美味しいと言って食べてましたし」ってイラっとしながら聞いたんですけど、「うちは豚肉に味噌だから」の一点張り。
結局、お義母さんは「あの子はそれで育ってきたから、私、作り直すわね」と言ってけんちん汁を作り直したそう。
さかい:はっ!? それって、イジメじゃないんですか? 醤油ベースだろうが味噌ベースだろうが食べられれば良くない?
梢さん:いや〜、私も、24,5の小娘が作った料理にそこまでケチつける?って思いましたよ。だからさすがに、「これは意地悪だな」と。だけど不思議なのが、夫には作り直したものを食べさせて、彼女は私が作ったけんちん汁を「これはこれで美味しいわね」って食べるんですよ。
イジメと息子愛の境目のジャッジがし辛い、お義母さんの言動。
それにしても、そんなとき夫はどうしていたのか、気になりますよね。
それについては次回に続きます。
インタビュー・文
さかい もゆる
出版社勤務を経て独立。と思った矢先、離婚してアラフォーでバツイチに。女性誌を中心に、海外セレブ情報からファッションまで幅広いジャンルを手掛けるフリーランスエディター。著書に「やせたければお尻を鍛えなさい」(講談社刊)。講談社mi-mollet「セレブ胸キュン通信」で連載中。withオンラインの恋愛コラム「教えて!バツイチ先生」ではアラサーの婚活女子たちからの共感を得ている。