6年間耐えて切り出した離婚話、そのとき夫は
前回のお話▶︎モラハラ夫を結婚前に見抜けなかった理由
エモーショナルな女、多恵さんが結婚したのは、感情を表に出すことを嫌うモラハラ気味夫でした。
出産してからそのことに気づき、自分の気持ちを夫に伝えようとすると拒否されて苦しんだ彼女は、息子が6歳になる頃、ようやく「いい加減にケジメをつけよう」と離婚を決意。それまで6年間、よく耐えましたよね!
実は多恵さんは離婚ホヤホヤ。今年に入ってシングルになったばかりなのですが、夫に離婚を申し出たのは去年の1月。
夫が提示した、極悪非道な「離婚の条件」
多恵さん:今までにも何度も、ふたりで話しても埒があかないと思って夫婦カウンセリングを受けようと誘ったりしてたんです。それにも一向に応じないから「離婚しよう」って言ったのに、向こうは寝耳に水みたいなリアクションで。いやいや、夫婦仲を改善しようと何も努力しなかったのはあなたですよね、って思いました。
私の偏見かもしれませんが、男の人ってこういう、夫婦間に問題が起きたときにきちんと向き合わず何とかやり過ごそうとして放置→奥さんに離婚を言い渡されて狼狽えるケースが多い気がします。
恐らく妻=身内だからゆえの、甘えなんですよね。仕事で問題が起きたら即解決を試みるのが男性性のはずなのに、家庭だと大きな子供みたいになって奥さんの気持ちを軽んじるのは何故なんだ(怒)。
多恵さんの夫も、彼女の言うことを真に受けずにいたので、「どうして離婚したいんだ」と今さらのように聞いてきたそう。
多恵さん:彼は昔、婚約者が浮気したときに訴えたことがあったので「俺、1回訴訟を経験してるから詳しいよ」なんて脅すようなことを言ってくるんです。「離婚って法律上、そんなに簡単にできないよ」とか。結局、私の気持ちなんてどうでもよくて、自分の体裁やプライドのことしか考えてないんですよね。「どこが悪かったか言ってくれ」とも一切聞かれなかったです。
「離婚を言い渡したときから夫が敵になった」と多恵さん。
そこから3か月、夫は離婚についてかなりリサーチしたようで、ある条件を飲むなら離婚してやってもいい、と伝えてきました。その条件とは、
・年金分割の権利は放棄しろ
・親権はこっちによこせ
・財産分与はすべて放棄しろ
という無茶苦茶なもの。
いや〜〜〜、別れるときに人間の本性が出るとは言いますが、ここまで酷い自己中な夫がいるんですね……。人様の元配偶者とはいえ、憤りを感じてしまいました。
それでも多恵さんは一刻も早く離婚したいという想いから、諸条件をすべて飲むことに。
親権を夫側に渡してしまってどうなったのかなどのお話は、次回に続きます。
インタビュー・文
さかい もゆる
出版社勤務を経て独立。と思った矢先、離婚してアラフォーでバツイチに。女性誌を中心に、海外セレブ情報からファッションまで幅広いジャンルを手掛けるフリーランスエディター。著書に「やせたければお尻を鍛えなさい」(講談社刊)。講談社mi-mollet「セレブ胸キュン通信」で連載中。withオンラインの恋愛コラム「教えて!バツイチ先生」ではアラサーの婚活女子たちからの共感を得ている。