スピリチュアルビューティコンサルタントmailoveのvenus maiです。
人生では、大なり小なり絶望するようなことが起きますが、そこにぶち当たった時、人はどうやって再生していくのか。どうやって折り合いをつけていくのか。
怒り、悲しみ、後悔、苦しさ…それらと葛藤し、悶え、あがく。
それは人間の抱える「恐れ」や「弱さ」といったものとの戦いといってもいいかもしれません。
ヒーリングや占いとは、その恐れや弱さを知り、飛び越えていくことのお手伝いでもありますが、この映画も、まさにそんな人々の戦いを描いていた作品でした。
現在、米国アカデミー賞に6部門7ノミネートの本命候補、『スリー・ビルボード』。決してワクワクして面白い!とか、感動で泣ける!とかではないけれど、お腹のあたりにいつまでもズシンと重みが残っている。そんな余韻のあった映画。
娘を殺されてしまった母親が、街のはずれに出した3つの看板広告(ビルボード)。それを見たときから、母親、警察署長、巡査、そして街の人々の人生が思いがけない方向に動き出す…。
もう、まったく先が読めないすごい脚本!
アメリカ南部の小さな町で、お互い生まれたときから知っているような閉ざされたコミュニティで、愛や憎しみや尊敬や悲しみをぶつけ合う人々。これがめちゃくちゃリアルで、だんだんこの町が実在するかも…と思えてきました。
人間の深い部分の感情を、ものすごく繊細に鮮やかに表現している役者たち。わずかな出番でもみんな息遣いがリアルで、特に助演男優賞にノミネートされているサム・ロックウェルの演技が、素晴らしすぎ!
展開の読めなさと相まって、まるで本当の人生を描いているドキュメンタリーのような、でも散りばめられたユーモアや寓意性でファンタジーのような。形容しがたい魅力を持つ作品。
メインの登場人物3人は、特に「強さ」を誇示することで、「弱さ」を隠す。「弱さ」や「世界に対する無力さ」と向き合ってしまったら、その絶望に打ちのめされてしまうから。3者3様で出す答えは、個人的には共感できないし、納得できない部分もあったけれど、それぞれにそれぞれの向かい合い方があるという、人生の真実を見せてくれるように思います。
ドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』ファンとしては、ピーター・ディンクレイジが出ているのも嬉しかった!音楽も良かったな〜。
日本時間では3月5日に発表される米国アカデミー賞。作品賞・主演女優賞・助演男優賞2つ・脚本賞・作曲賞・編集賞にノミネート中です。すでに前哨戦のゴールデングローブ賞では4部門を獲得!
他の候補を見ていないのでなんともですが、一応わたくしの予想は、脚本賞と助演男優賞(サム・ロックウェル)は取る、そして主演女優賞も…?
最多部門ノミネートのもうひとつの本命『シェイプ・オブ・ウォーター』の公開がまだなので、早くそれも観たいなと思っております!
もっとも大切な小道具、3つの赤いビルボードに合わせたわけではないですが、この日は赤を効かせたスタイルで。映画を観るときは楽ちんスタイルにしたいので、ドゥーズィエム クラスのフェイクレザーのショーパンを。
さあ、予想は当たるか?外れるか?
3月5日が楽しみです!
venus mai
元ファッションエディター。同じ“マイ”という名前のneffy maiと共に、スピリチュアルビューティコンサルタント“mailove”として活動。東京大学文学部美学芸術学科を卒業。アートやカルチャーに造詣が深く、ライフスタイルにも独特の美意識を発揮する。1979年生まれ・いて座・AB型。Domaniウェブサイトにて『ふたりの女の官能カラーパレット12か月』『ふたりの魔女の恋愛タロットリーディング』なども担当。