月日の経過とともに生々しく子作りを要求し始めた義母
明恵さん(仮名・41歳)は、今の夫とは再婚で結婚2年目。もともと「子どもはいてもいなくても、自然に任せよう」と夫婦で決め、不妊治療はおこなっていません。しかし、結婚して半年ほど経ったころから、義母から執拗に子作りに干渉され、徐々にエスカレートする義母の言動に頭を悩ませていると言います。
「最初のうちは『息子が再婚してくれたから、これで孫の顔が見られる』という程度の発言だったんですけど、月日が経つにつれ、徐々に発言の内容が過激になってきました。寝室の雰囲気が悪いとか、どんな下着で息子と接しているのか見せろとか…。生々しく下品な発言も増えてきて、義母と話すたびに吐き気を感じたほどです」
夫に相談するも知らん顔
義母のあまりに下品なものの言い方にウンザリした明恵さんは、夫に相談。しかし、夫は興味がなさそうに話を聞くだけで、相手にしてくれなかったそうです。しかも、その頃には夫婦は深刻なセックスレスにも陥っていて、とても子作りどころではない雰囲気にもなっていました。
「だから、夫との子どもが欲しいともこれっぽっちも思わなかったし、夫もたぶん同じ気持ちだったと思います。それなのに、義母だけがひとりで騒いで下品な話をこれでもかってくらいしてくるから、本当にストレスで」
しかし、ストレスを感じるだけでは済まないほど、その後、事態は悪化していきます。
「夫が義母に、私が義母が下品な話をするって告げ口したことになっていて、義母から怒りの電話がかかってきました。『息子になんてことを言ってくれるの!』って烈火のごとく怒っていましたね。しかも、私を罵倒するだけでは済まず『あなたが出産的にタイムリミットで、もはや“女じゃなくなるから”心配してやっているのに』って恩着せがましく言われました」
義母の悪意を感じ、言い返すも…
言葉の端々に、義母の悪意を感じずにはいられなかったという明恵さん。もはや我慢の限界を迎え、義母にも強い口調で言い返したそうです。
「それ以来、義母との仲は疎遠になりましたが、夫とも関係が悪くなりました。夫はマザコンじゃないと思っていたのですが、実はマザコンだったみたい。子作りの話で義母が私に文句を言い続けたことで、夫のなかでは私は“悪い嫁”のレッテルを貼られたっぽいです」
義母からの下品な口撃は落ち着いたものの、夫との不仲が解消されなかった明恵さんは、つい先日、別居に踏み切りました。
「なんかもう、いろいろと疲れちゃって。一度、夫がいる環境から離れたいって思いが強くなったので別居をしました。私から別居を提案したとき、夫は引き止めることもなく『それがいいね。僕も今の家庭は苦痛だし、母さんともうまくやっていってもらいたかった』ってハッキリ言われました」
おそらくこのまま離婚に進むのではないか、と語る明恵さん。別居をしたことによって、肩の荷が降りたのを実感しているそうです。「義母が子作りに執拗に干渉してこなければ、穏やかな生活を送れていたかもしれないけれど、それは“たられば”だからよくわからない」と口にします。
理由はどうであれ、性生活に過干渉してくる義母がいると、夫婦仲にも悪影響が及ぼされがちです。結婚してみなければわからない部分だけに、解決策を模索するのも難しく、流されるままに夫婦が破綻するケースも決して少なくないのではないでしょうか。
文/並木まき
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