「~ですので」は、「~なので」や「~だから」を丁寧な表現にしたものです。
Summary
- 「~ですので」は、「~なので」のように前後の文をつなぐ役割をもつ言葉
- 話の切り出しや文頭で使うと、相手を責めているように聞こえてしまうので要注意
- 言い換え表現には、文頭でも使える「ですから」や「そのため」「以上のとおり」などがある
Contents
取引先やお客様と会話をしている際に、「〜ですので」という言葉を使うことはよくありますよね。一見丁寧に聞こえる言葉ですが、メールや手紙などの文書で使おうとしたとき、ふと「書き言葉として、使って問題ないかな…?」と考えたことはないでしょうか?
そこで本記事では、ビジネスシーンで頻出の「〜ですので」を取り上げて、その意味や使い方、注意点などを解説します。
「〜ですので」の意味とは?
日常生活で使っている「〜ですので」という言葉の、意味やビジネスシーンで使う際の注意点を見ていきましょう。
意味
「〜ですので」は、その前の文と後の文をつなぐ役目を持つ言葉です。「~なので」を丁寧な表現にしたものが「〜ですので」になります。「〜ですので」は文と文の間に使うため、文頭で使うことはありません。「〇〇(理由)ですので、〇〇(結果)」のように、理由と結果をつなぐ役割を果たします。
友人などの対等な立場や親しい間柄では、カジュアルな表現の「だから」を使うことが多いのではないでしょうか。しかし、「だから」の敬語表現はありません。丁寧な表現にしたい場合には「ですので」を使ってみてください。


ビジネス等で使う時の注意点
「〜ですので」は、文頭に使うのは控えたほうが無難でしょう。たとえば、会議や商談の場面で「ですので、先程も申し上げたように」と話を切り出すと、まるで相手を責めているように聞こえてしまう恐れも…。
また、基本的に「〜ですので」という言葉は、話し言葉として使います。特にビジネスシーンにおいて、書類やメールなどに書き言葉として使用するのは適切ではありません。社内メールのやりとりであれば問題ありませんが、相手が取引先や顧客の場合には使用するのは避けたほうがいいですね。就職活動における履歴書や、職務経歴書などの書類にも使わないほうがいいでしょう。

「ですので」を文頭で使うのは控え、基本的に話し言葉として使いましょう。
【Domani編集部の体験談】ビジネスシーンでの適切な使い方
実際のビジネスシーンで「~ですので」を使用する場合、どのような点に注意すればよいのでしょうか。Domaniの編集者たちの「~ですので」にまつわる成功・失敗談を踏まえつつ、使用法を見ていきましょう。
【episode1】「~なので」ではなく「~ですので」とする重要性を学んだ
Domani編集部 T氏(30)
若手時代、お客様への説明資料作成で悩んでいた際、上司が「このデータは最新版ですので、ご要望にお応えできるかと存じます。ぜひご覧ください」と、お客様に非常に丁寧に説明しているのを聞きました。私はいつも「〜なので」と言っていたのですが、u003cstrongu003e「ですので」を使うことで、相手に不快感を与えず、理由を明確かつ丁重に伝えられることを学びましたu003c/strongu003e。それ以来、お客様や目上の方への説明では、意図を明確にしながらも配慮を欠かさない「ですので」を意識して使うようになりましたね。
【episode2】過剰な「ですので」はコミュニケーションを阻害することも
Domani編集部 T氏(33)
新卒で入社したばかりの頃、とにかく丁寧な言葉使いを心がけようと「ですので」を多用していました。たとえば、社内の先輩に資料提出が遅れることを伝える際も「作業が残っているようですので、提出が明日になります」などと使っていました。ある時、先輩から「〇〇さん、社内の人には『〜なので』や『〜のため』で十分だよ。u003cstrongu003e『ですので』を使いすぎると、かえって堅苦しく聞こえるし、毎回くどい印象になっちゃう」と優しく指摘されました。u003c/strongu003e過剰な丁寧語は、かえってコミュニケーションを阻害すると学んだ経験です。
使い⽅を例⽂でチェック
それでは、具体的に「〜ですので」はどのように使うのか例文で見ていきましょう。日常生活では、意外によく耳にしているフレーズかもしれません。
日常会話編
「~ですので」は、ビジネスシーンだけでなく、日常会話でも丁寧な印象を与えたい時に役立つ言葉です。基本的には「〜なので」「〜だから」と同じ意味合いで、理由や原因を説明する際に使われます。 相手への配慮や、少し改まったニュアンスを加えたい時に効果的です。日常会話では、相手への配慮や丁寧さを伝えたい時、あるいは少し状況を説明する時に使いましょう。
例文
・もう時間が遅いですので、そろそろ失礼します
・こちらは出口ですので、入口よりお入りください
・こちら、重いものですので、手伝っていただけないでしょうか
ビジネス編
ビジネスシーンにおける「~ですので」は、理由や原因を説明する際に、丁寧さや相手への配慮を表現するための重要な接続詞です。特に社外の顧客や取引先、あるいは社内の目上の方に対して、論理的かつ穏やかに状況を伝えたい場合に有効です。
例文
・現在、停電により生産ラインが停止中ですので、納品が〇日ほど遅れる見込みでございます。深くお詫び申し上げます。
・来週の会議ですが、急遽予定が入ってしまいました。出張ですので、日程を再調整させていただけないでしょうか。
・今回の市場調査の結果、ターゲット層のニーズが変化していることは明確ですので、新たな戦略をご提案いたします。
・お問い合わせいただきました資料を手配中ですので、お手元に届きましたらご確認いただけますと幸いです。
・現在、システムメンテナンス中ですので、一時的にサービスをご利用いただけません。ご不便をおかけし申し訳ございません。
面接編
面接における「~ですので」は、自分の回答に論理的な根拠や理由を添え、丁寧かつ明確に伝えるために有効な表現です。特に、質問に対する結論とその背景をスムーズに繋ぎ、面接官に納得感を与えることを意識して使用しましょう。
例文
・大学で〇〇を勉強中ですので、貴社の革新的な〇〇事業に強く惹かれました。
・将来的には困っている方々のお役に立ちたい所存ですので、まずは現場で幅広い経験を積みたいと考えております
・貴社の企業理念に深く共感しました。『挑戦を恐れない』というのが私のモットーですので、ぜひ貴社の一員となって共に成長していきたいです
・前職では一身上の都合により退職いたしましたが、現在スキルアップのための勉強に邁進中ですので、新たな気持ちで仕事に取り組む準備は整っております
ビジネスシーンで使える類語や⾔い換え表現
同じような意味で使われる類語や言い換えの表現を見ていきましょう。ビジネスシーンでも使える言い換え表現をご紹介します。


