Summary
- 「喧々諤々」とは「多くの人が集まって議論すること」を意味する言葉
- ビジネスシーンで用いられることも多いが、ネガティブなニュアンスで使われることもあるので注意が必要
- 「喧々諤々」の類義語には「議論百出」や「諸説紛々」などがある
「喧々諤々」とは多くの人が集まって議論すること
「喧々諤々」とは、多くの人が集まって議論することです。読み方は「けんけんがくがく」です。辞書では、以下のように解説されています。
【喧々諤々】
大勢の人がくちぐちに意見を言って騒がしいさま。
「喧々」は、騒がしい様子を表しています。「諤々」は、周りの空気や自分のポジションを考えずに「自分が間違っていない」と意見を主張する様子を表しています。上記の2つが混ざって、「喧々諤々」の意味である「多くの人が集まりうるさく議論する様」となりました。
「喧々諤々」は間違いから生まれた
「喧々諤々」の由来は、間違いが原因です。実は「喧々囂々(けんけんごうごう)」と「侃々諤々(かんかんがくがく)」が混同された結果生まれた言葉なのだそう。
「喧々囂々(けんけんごうごう)」とは、多くの人々が騒いでいる様子を表した言葉です。一方的に相手に声を浴びせるニュアンスが強いです。「侃々諤々(かんかんがくがく)」は、堂々と正論を述べるさまを表しています。
どちらも音やリズムが似ていること、それぞれが示す状況にも通ずるものがあったことから混同して使われるようになりました。
「喧々諤々」は間違いだが辞書に載っている
「喧々諤々」は、もともとは間違って使われていた言葉でしたが、多くの人に浸透していることから辞書にも載っています。たとえば広辞苑では混交表現の言葉としつつも、広く日本人に伝わっているため、そのまま載せられています。
もともとは誤用であっても国民に広く使われ定着すると、一般的な言葉として辞書に載ることが多いといえます。
「喧々諤々」の使い方と例文
「喧々諤々」は、集団で討論するときに使われる言葉です。個人同士での討論には使われません。以下のような助詞をつけて使用します。
・「喧々諤々」と
・「喧々諤々」した
・「喧々諤々」の
文脈に合わせて助詞を変えながら使っていきましょう。次に、使う場面と例文を詳しく解説していきます。
「喧々諤々」を使う場面
「喧々諤々」は、大勢で議論している場面で使うのが適切です。具体的な例をあげると、株主総会や会社でおこなわれる会議などです。意見が聞こえないほどに騒がしい状況を表したいときに使ってみてください。
ただし、状況によってはネガティブなニュアンスで使われることがあります。上司がいる場面で使ってしまうと、悪い印象を与えてしまうかもしれません。用いる場合には、相手を不快にさせないように配慮しましょう。
「喧々諤々」の例文
「喧々諤々」を使った例文をいくつかご紹介しましょう。「喧々諤々」は大人数の議論で使われる言葉であるため、会議や議論に使われることが多いです。
・プロジェクトを進める上で、喧々諤々した会議がおこなわれた。
・ミーティングが喧々諤々としていたので、長引いてしまった。
・喧々諤々した言い合いで、収拾がつかない。
・喧々諤々たる意見を交換した。
「喧々諤々」の類義語3つ
ここからは、「喧々諤々」の類義語3つを解説します。
1. 多くの意見交換がされる「議論百出」
2. さまざまな意見が入り乱れる「諸説紛々」
3. 意見が多数出てまとまらないこと「甲論乙駁」
それぞれ類義語とされていますが、微妙にニュアンスが違う言葉でもあります。ニュアンスの違いを理解した上で、使いこなせるようになりましょう。