議論百出(ぎろんひゃくしゅつ)
「議論百出」は、多くの意見が交換される意味で使われます。辞書では、以下のような意味合いで解説されています。
【議論百出】
たくさんのさまざまな意見が出ること。
百は、数が多いことのたとえです。つまり、「議論百出」とは、数多く議論されている様子を表しています。「喧々諤々」がネガティブな意味合いであるのに対し、「議論百出」は、ポジティブな意味合いで使われることが多いです。以下のように使います。
・彼女の噂や憶測で議論百出した。
・議論百出したが、解決策が見つからなかった。
諸説紛々(しょせつふんぷん)
「諸説紛々」はさまざまな意見が入り乱れる意味があります。辞書では、以下のように解説されています。
【諸説紛々】
いろいろな説やうわさが入り乱れて、真相が明らかでないさま。
会議などの実際の場面を言い表すのではなく、過去から現在に至るまでにおこなわれた議論に対して使われることが多いです。以下のように使います。
・ネット上でさまざまな意見がかわされており、諸説紛々としている。
・この病気は、学会で多くの意見が出ており、諸説紛々の状態だ。
甲論乙駁(こうろんおつばく)
「甲論乙駁」は、意見が多数出てまとまらないという意味です。辞書では、以下のように解説されています。
【甲論乙駁】
甲が論じると乙がそれに反対するというように、たがいにあれこれと論じ合うばかりで、議論の決着がつかないこと。
(引用すべて小学館『デジタル大辞泉』より)
「甲論乙駁」の「駁」は、反論の意味を指しています。甲が論じたことに乙が反論する様子が表されています。議論がまとまらない状態を表すため、「喧々諤々」とかなり近い意味で使えるでしょう。例文を以下にご紹介します。
・甲論乙駁の結果、そのプロジェクトの結論が出た。
・専門家が集まって会議をしたが、甲論乙駁だった。
・国会では、甲論乙駁して、議論が進んでいない場面をよく見る。
シーンにあわせて「喧々諤々」を使ってみよう!
「喧々諤々」とは、多くの人が集まって議論することを指します。ビジネスシーンでは会議や議論のときに使われることが多いです。ただし「喧々諤々」は、ネガティブなニュアンスで使われることがあるため、上司がいる場面などで使うのは、避けたほうが無難です。
また「喧々諤々」は、もともと間違いで広がった言葉ですが、今では一般的に使われる語句として、辞書にも掲載されています。例文を参考にしながら、シーンに合わせて使い分けてみてください。類語もあるので、ニュアンスの違いを理解した上で使っていきましょう。
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