「雲散霧消」とはあとかたもなく消え去ること
【雲散霧消】
(名)雲や霧が消えるときのように、あとかたもなく消えうせること。雲消霧散。「長年の計画があっけなく―する」
(引用:小学館『デジタル大辞泉』より)
「雲散霧消」とはその字が表すとおり、雲が散って霧が消えるように、今まであったものがあとかたもなく消え去ることを指した言葉です。物事があとかたもなく立ち消えることのほかにも、心のなかのもやもやしていた思いや不安に思っていた気持ちが消えてなくなることに使われます。「雲散霧消」は四文字熟語の一つであり、ビジネスシーンでも活用されている表現です。
それでは、「雲散霧消」の読み方や由来・語源となったもの、使い方・例文などをチェックしていきましょう。
「雲散霧消」の読み方
「雲散霧消」は「うんさんむしょう」と読みます。「雲散霧消」の「霧消」の部分を「無消」と書き間違えないように注意しましょう。
「雲散霧消」は名詞表現ですが、「雲散霧消する」として動詞のかたちで使われるケースが多いようです。
「雲散霧消」の由来・語源
「雲散霧消」の由来・語源には確かなものはありません。一説によると、雲や霧が温度・湿度の変化、風の影響などで消えていく様を見て作られたといわれています。
「雲散霧消」は、同じような意味を繰り返して強調する構造の四字熟語です。「雲散」は雲が散るように、「霧消」は霧が消え去るように、どちらもすっかりと消えてなくなることを指している言葉です。
同じような意味を繰り返して強調するような似た構造の言葉には、「紆余曲折」や「完全無欠」があります。
「雲散霧消」には異なる表記もある
「雲散霧消」にはほとんど似ている表記の四字熟語があります。それが「雲消霧散」です。
「散」と「消」の字が反対になっているだけなので、誤字かと思ってしまいそうですが、こちらも正しい表記。雲消霧散の読み方は「うんしょうむさん」です。
なお、一般的には「雲消霧散」よりも「雲散霧消」のほうがよく使われています。
「雲散霧消」の使い方・例文
「雲散霧消」には複数の使い方があります。例文を参考にして、「雲散霧消」の使い方を理解しましょう。
物事やが消えてなくなるという意味での例文
・イベントが終わると、たくさんいた観客たちは雲散霧消した。
・疑念が解消して、今までもやもやしていた気持ちが雲散霧消した。
晴れ晴れとした気持ちに変わったという意味での例文
・ずっと勉強していた試験に合格して、雲散霧消の心地です。