「乾坤一擲」の意味や読み⽅とは?
「乾坤一擲」という四字熟語を見たことや、聞いたことはあるでしょうか。一文字違いの日本酒があったりするので、知っている方もいるかもしれません。
ただ、日常ではあまり使わない漢字を使用しているので、読み方が不安な方もいるかもしれませんね。今回は例文・類語・英語表現も含めて、一緒に確認していきましょう。
読み⽅と意味
以前、当時の首相の発言「乾坤一擲」が新聞の見出しになったところ、「いぬいしんいちろう」という人名と読み間違える人が続出し、ネットを中心に話題になりました。正しい読み方は、「けんこんいってき」です。
「乾坤」は、「天地」「陰陽」「サイコロの奇数の目と偶数の目」「一か八か」という意味。「一擲」は「サイコロを一回だけ投げて勝負にでる」という意味になります。因みに「擲」は「なげうつ」とも読む字です。つまり「乾坤一擲」は「天下を賭けるような大勝負に出る」ことを意味します。
由来は、中国・唐の時代の詩人韓愈の『鴻溝を過ぐ』。休戦して互いに引いた直後に、劉邦が項羽を攻撃した時の場面に「一擲乾坤」と書かれています。この「一擲乾坤」も間違いではありませんが、「乾坤一擲」の方が一般的です。
ビジネス等で使う時の注意点
「乾坤一擲」は、ビジネス関連書籍の中にも時折使われるように、イメージの良い四字熟語です。文章で使われることが多いので、読み方や意味、言い回しを把握しておくと良いでしょう。
ただし、努力が必要なタイミングで使うと印象が悪くなりかねませんので、TPOはわきまえる必要があります。
使い⽅を例⽂でチェック
次に、「乾坤一擲」の使い方を例文で、見ていきましょう。
「私の座右の銘は、乾坤一擲です」
「乾坤一擲」は、大勝負に出ることを意味するので、スポーツ選手をはじめ、座右の銘に好んで使われる四字熟語です。チャレンジ精神やここ一番で勝負に出られる勇気、またはプレッシャーに対して強靭なメンタルを持っていることを表すのに最適な表現ですね。
「乾坤一擲の大勝負に出る」
「乾坤一擲」という言葉自体に、すでに大勝負というニュアンスは含まれていますが、意味を重複している「乾坤一擲の大勝負」というフレーズはしばしば使われます。ゲーム用語で「乾坤一擲の大勝負」という言葉があるので、聞いたことがある方もいるかもしれませんね。
「天に運を任せた」意味も含まれているので、運を重視することが良しとされない時には、使うのは控えましょう。
「どんな時も乾坤一擲の精神で、賭けに出てみよう」
人生は基本的に選択の連続です。迷った末に選択肢を選ばずに終わったり、チャンスが来ているにも関わらず、尻込みをしてしまった経験は誰しもあるのではないでしょうか。そういった時に「乾坤一擲」という精神で、挑戦してみようと自分を奮い立たせる時にも、使える言葉です。
類語や⾔い換え表現にはどのようなものがある?
それでは「乾坤一擲」には、どんな類語や言い換え表現があるのか、確認しましょう。