「乾坤一擲」という四字熟語を見たことや、聞いたことはあるでしょうか? あまり馴染みのない言葉かもしれませんが、ここぞという大勝負に出るときに使われることがある言葉なので、ビジネスシーンなどで使うのもいいかもしれません。本記事では、「乾坤一擲」の意味や使い方、類語・対義語を解説します。
「乾坤一擲」の意味や読み⽅とは?
「乾坤一擲」の意味と読み方を見ていきましょう。
読み⽅と意味
「乾坤一擲」は、「けんこんいってき」と読みます。
「乾坤」は、「天地」「陰陽」「サイコロの奇数の目と偶数の目」「一か八か」という意味。「一擲」は「サイコロを一回だけ投げて勝負にでる」という意味になります。因みに「擲」は「なげうつ」とも読む字です。意味を辞書で確認してみましょう。
運命をかけて大勝負をすること。「―の大企画」
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用
つまり「乾坤一擲」は「天下を賭けるような大勝負に出る」ことを意味します。中国・唐の韓愈(かんゆ)の「鴻溝(こうこう)を過ぎるの詩」に「誰 (たれ) か君王に勧めて馬首を回 (めぐ) らし、真成一擲乾坤を賭ける」と残されています。
ビジネス等で使う時の注意点
「乾坤一擲」は、ビジネス関連書籍の中でも時折使われるように、イメージのいい四字熟語です。文章で使われることが多いので、読み方や意味、言い回しを把握しておきたいですね。
ただし、地道な努力が必要な場面で使うと印象が悪くなりかねませんので、使う際にはTPOをわきまえる必要があります。
使い⽅を例⽂でチェック
次に、「乾坤一擲」の使い方を例文で、見ていきましょう。
私の座右の銘は、乾坤一擲です。
「乾坤一擲」は、大勝負に出ることを意味するので、スポーツ選手をはじめ、座右の銘に好んで使われる四字熟語です。チャレンジ精神やここ一番で勝負に出られる勇気、またはプレッシャーに対して強靭なメンタルを持っていることを表すのに最適な表現ですね。
彼女は、乾坤一擲の大事業を興した。
例文では、彼女が非常にリスクの高い事業を立ち上げ、全力を尽くして運命をかけた勝負に挑んだという状況を表しています。彼女の行動には大胆な決断と覚悟が伴っており、この事業の結果が大きな転機となることを示唆しています。
どんな時も乾坤一擲の精神で、賭けに出てみよう。
人生は基本的に選択の連続です。迷った末に選択肢を選ばずに終わったり、チャンスが来ているにも関わらず、尻込みをしてしまった経験は誰しもあるのではないでしょうか。そういった時に「乾坤一擲」という精神で、挑戦してみようと自分を奮い立たせる時にも、使える言葉です。
類語や⾔い換え表現にはどのようなものがある?
それでは「乾坤一擲」には、どんな類語や言い換え表現があるのか、確認しましょう。