「他言無用」は会話だけではなく、メールにも使用できます。
Summary
- 「他言無用」を単独で使うと丁寧さに欠けるため、目上の人に使う場合は「他言無用でお願いします」とする
- 「お願いします」の代わりに「よろしくお願いします」を用いるのは不適切なので避ける
- 類語や言い換え表現には、「口外無用」や「秘密厳守」「公にしないよう~」などがある
Contents
他言無用の意味と使い方
他言無用とは、内緒話を他人に話してはいけないという意味の言葉です。会話だけではなくメールでも使用できるため、秘密にしてほしい場合は一言添えるといいでしょう。
ただし、他言無用だけで使うと丁寧さに欠けるため、目上の人には使用しません。特にビジネスシーンにおいては使い方に注意が必要です。ここでは、言葉の意味や使い方を詳しくご紹介します。

「他言無用」は「他人に話してはいけない」という意味
他言無用
秘密を他の人に話してはならないということ。
『四字熟語を知る辞典』(小学館)より引用
他言無用は「たごんむよう」と読み、内緒話を他人に話してはいけないという意味です。他人に秘密を漏らすという意味の「他言」と、してはいけないという意味の「無用」を組み合わせた四字熟語です。
他言無用は「他の人には誰にも話さないでほしい」とお願いするときにも使用できます。その際は話の最後に「他言無用でお願いします」と付け加えるのがおすすめです。

他言無用の例文
「他言無用」は、特定の情報を他人に話さないでほしいと伝える際に使われる言葉です。ビジネスシーンでは、機密性の高い情報や、まだ公になっていない情報を共有する際に用います。
ビジネスシーンでの例文
例文
・本日の新規事業計画は、まだ外部には発表しておりません。この会議で共有した内容は、他言無用でお願いします。
・この資料はまだ草案段階で、公開前の情報が含まれていますので他言無用でお願いします。
・今回の契約内容は、社外秘とさせていただいております。誠に恐縮ですが、他言無用にてお願いできますでしょうか。
ビジネスメールの例
「他言無用」は、メールでも使用できます。件名や冒頭で簡潔に伝えることで、相手に情報の重要性を知らせることができます。
例文
件名:【他言無用】〇〇プロジェクトに関するご相談
〇〇様
いつもお世話になっております。 〇〇株式会社の△△です。
この度、〇〇プロジェクトの進捗について、〇〇様にご相談したくご連絡いたしました。 添付資料にまだ公になっていない情報が含まれておりますため、お手数ですが、他言無用にてご確認いただけますと幸いです。
ご確認後、ご都合の良い日時をご連絡いただければと存じます。
今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。
「他言無用」は目上の人には使用しない
他言無用は上から目線の表現として捉えられてしまうこともあるため、目上の人には使用しません。特にビジネスシーンでは注意しましょう。
目上の人に、内緒話を漏らさないようお願いするときは、敬語表現をあわせて使用すると丁寧な印象を与えられます。ビジネスシーンや目上の人と話すとき、失礼なく使えるように、あらかじめ表現の仕方を確認しておくことが大切です。
【実際の体験談】ビジネス等で使う時の注意点
実際のビジネスシーンで「他言無用」を使用する場合、どのような点に注意すればよいのでしょうか。「他言無用」にまつわる成功・失敗談を踏まえつつ、使用法を見ていきましょう。
【episode1】上司から学ぶ「他言無用」の重み
Aさん(主任、30歳)
若手の頃、上司が重要な取引先にメールを送る際、件名に「【u003cstrongu003e他言無用u003c/strongu003e】」と付けているのを見て、その言葉の重みを知りました。単なる「社外秘」ではなく、相手に「この情報はあなただけにお伝えする、非常に重要なものです」という強いメッセージが込められていることを学びました。それ以来、本当に機密性の高い情報を共有する際には、この言葉を使うようにしています。
【episode2】「他言無用」の乱用
Tさん(管理職、39歳)
かつて、プロジェクトの進捗管理が厳しかった時期、チームメンバーがささいな共有事項にまで「u003cstrongu003e他言無用u003c/strongu003e」とつけていることがありました。私は「何でもかんでもu003cstrongu003e他言無用u003c/strongu003eにすると、本当に重要な情報との区別がつかなくなる」と全員に伝えました。本当に重要な情報にだけこの言葉を使うことで、その言葉の持つ意味と緊急性を保つべきだと指導しました。
【例文で見る】他言無用の丁寧な表現
他言無用は2つ以上の異なる意味を持った言葉が組み合わさってできた慣用句であるため、敬語に言い換える必要はありません。そのため目上の人に使用する際は、「他言無用でお願いします」でも問題はないでしょう。

ただし、他言無用という言葉だけで用いると丁寧な印象を与えられないため、以下のような表現方法を用いるケースもあります。
例文
・他言無用にしていただきますようお願いいたします
・御他言は無用に願います
・御他言はお慎みくださいますようお願い申し上げます
・御他言はお控えいただけますようお願いします
・御内密にお願いします
最もよく使用される表現は、「御」を付ける方法です。お願いしますの部分も、「お願い申し上げます」「お願いいたします」などと表現すると、より丁寧な印象を与えられます。
また他言無用を使わず、「御内密に」と表現する方法でも問題ないでしょう。使う相手に合わせて、表現の仕方を変えるのがおすすめです。
また、お願いしますの代わりに「よろしくお願いします」を用いることは避けましょう。よろしくお願いしますには、状況を良い方向へ転換するという意味が込められているため、他言無用とあわせて使うのは不適切です。
他言無用の類語や言い換え表現
他言無用の類語には、「口外無用」と「ここだけの話」などがあります。口外無用には秘密を漏らしてはいけないという意味があり、他言無用と同じように使用できます。
親しい間柄の人には、ここだけの話といったニュアンスで伝えるのもよいでしょう。相手との関係性によって使い分けるのがおすすめです。ここでは、他言無用の類語をご紹介します。
秘密を漏らしてはいけないという意味を持つ「口外無用」
口外無用は、内緒の情報を他人に話したり漏らしたりしてはいけないという意味の言葉です。口外には「他人に話すこと」「秘密を漏らすこと」という意味があります。
例文
・ここで見たり聞いたりしたことは、口外無用でお願いします
・こちらの案件について、口外無用であることは承知しています
・祖母の家にあった盆栽を割ってしまったことは、口外無用です


