親しい間柄の相手に使う「ここだけの話」
家族や親族、友人など親しい間柄の相手に話す場合は、他言無用ではなく「ここだけの話」と柔らかいニュアンスの表現を使うこともできます。例えば「ここだけの話なんだけど」と、一言添えるだけでもよいでしょう。
他にも「内緒にしてね」「ここだけの秘密」「黙っててほしい」といった表現も、他言無用の類語にあたります。なお、これらは親しい間柄だからこそ使用できる表現といえるでしょう。
例文
・ここだけの話ですが、来月には新製品ご紹介できそうです
・○○の件について、ここだけの話でお願いいたします
・ここだけの話、部長と○○さん付き合ってるらしいよ
秘密にしておくことを強調したい時に使う「ご内密」
「ご内密」は表沙汰にしてほしくないことを表す時に使われる言葉。他言無用より柔らかな印象でありながら、くだけすぎずビジネスシーンにも使える表現です。
例文
・このことは、どうかご内密にお願いいたします。
・先ほどご紹介した情報につきましては、まだ発表前のためご内密にお願いします
・この話は、家族にも内密にお願いします
他の人に話さないでほしいことを伝える「口外しない」
「口外」には「口に出して言うこと」「秘密などを第三者に話すこと」という意味があり、「口外しない」は秘密などを第三者に話さないでほしい時によく使われるフレーズです。
例文
・契約内容については機密事項なので、口外しないでください。
・このプロジェクトについては発表前のため、口外しないようお願いします
・他人の個人情報は簡単に口外してはならない
公表してほしくない時に使う「公にしないよう」
「公にする」には「事実や意見を社会に知らせる」「公表する」という意味があります。「公にしないよう」は世間一般に知らせたり、公表してほしくない物事に対して使われる言葉です。
例文
・研修の内容について、公にしないようお願いします
・○○の件は、正式に発表があるまで公にしないようにお願いします
秘密を守ることを強く求めたい時に使う「秘密厳守」
「厳守」は「命令や約束などを、きびしく守ること」指す言葉で、「秘密厳守」は秘密を漏らさないことを強く求める意味になります。ビジネスシーンでは、個人情報や社外秘情報を取り扱う場合によく使われるフレーズです。
例文
・この会議に出席している皆さんには、秘密厳守をお願いします
・お客様の個人情報については、秘密厳守でお願いします
・新プロジェクトにかかわる人は、秘密厳守で行動しましょう
他言無用の対義語2つ
他言無用の主な対義語は、「赤裸々」と「公然」です。赤裸々には包み隠さないという意味があります。内緒話を隠したいときに使う他言無用とは、正反対の意味を持つ言葉といえるでしょう。
一方、公然とは世間に知れ渡っている状態を表した言葉です。すでに周囲が情報を知っている状態を指すため、他言無用とは反対の意味を持ちます。
ここでは、これら2つの言葉について例文を交えながらご紹介しましょう。

包み隠さないという意味の「赤裸々」
「赤裸々」は「赤裸」を強調した言葉です。ちなみに「赤裸」の意味を辞書でひくと、以下のように掲載されています。
【赤裸(あかはだか)】
1. 完全に裸であること。まるはだか。すっぱだか。全裸。
2. 家財を取られるなどして、何もない状態。「借財の支払いで―になる」
(引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より)
転じて赤裸々とは「包み隠さない」「何もない」という意味になりました。他言無用のように隠しごとをお願いするときに使用するのではなく、包み隠さず話してほしいときや、心をすべてさらけ出すときに使用します。
例文
・彼女の告白は赤裸々すぎて衝撃でした。
・私は身の潔白を証明するために、すべての出来事を赤裸々に話しました。
・若い少年や少女が赤裸々に語り合う姿に感動しました。
世に知れ渡っているという意味の「公然」
公然の意味を辞書でひくと、以下のとおりです。
【公然(こうぜん)】
1. 世間一般に知れ渡っているさま。また、他人に隠さずおおっぴらにするさま。「―と酒を飲む」「―たる事実」
2. 不特定または多数の人が知ることのできる状態にあるさま。法律上でいう。
3. 隠しだてをせずに、おおっぴらに行動するさま。
「陪審に及ばずとて、―この案を決して」
(引用〈小学舘 デジタル大辞泉〉より)
公然は世に知れ渡っている状態を表しており、他言無用とは正反対の意味の言葉です。つまり公然は秘密の状態ではなくなり、皆が知っている様子を示しています。
例文
・その情報はすでに公然たる事実とされています
・私の上司と彼女の関係は公然の秘密でした
・私は去年離婚したため、彼と公然の付き合いを開始しました
「他言無用」の英語表現は?
「他言無用」は、口外しないよう強く念を押す言葉です。英語にはこの言葉にぴったりと当てはまる単一のフレーズはないため、状況や文脈に合わせていくつかの表現を使い分ける必要があります。
This is confidential.
これは「機密情報です」という意味で、ビジネスシーンで最も一般的に使われます。メールの件名や冒頭で使うことで、情報の重要性を強調できます。
Please keep this to yourself.
「この件はあなただけの胸に留めておいてください」という意味です。口頭で個人的な内容を共有する際に使われます。
For your eyes only.
直訳すると「あなたの目だけのために」となり、他者に見せてはいけないという強いニュアンスが含まれます。機密文書や重要なメールの冒頭で使われることがあります。
よくある質問
ここでは、「他言無用」に関するよくある質問に簡潔にお答えします。
Q. 「他言無用」と「口外無用」の違いは?
「他言無用」と「口外無用」は、どちらも「他人に話してはいけない」という同じ意味を持ちます。しかし「他言」は「他人に言うこと」、「口外」は「口に出して外部に漏らすこと」を意味するため、「口外無用」の方がやや硬く、法律や契約などが関係する厳密な場面で使われる傾向があります。
Q. ビジネスシーンで使える「他言無用」の言い換え表現は?
ビジネスシーンでは、「他言無用」をより丁寧かつ柔らかく伝える言い換え表現がいくつかあります。
例
・社外秘でお願いします
・本件は、情報管理にご留意ください
・内容の共有はご遠慮ください
・本件は内密にお願いいたします
これらの表現ならば、相手に不快感を与えることなく、情報の重要性を伝えることができるでしょう。
Q. 「口外しない」の言い換え表現は?
「口外しない」を、より丁寧でビジネスに適した表現に言い換える場合は、以下のような言葉が考えられます。
例
・秘密を厳守する
・情報管理を徹底する
・機密を守る
・口外しないことをお約束します
これらの表現は、情報の取り扱いに対する自分の姿勢を明確に示すことができます。
他言無用の意味を正しく知ろう
- 「他言無用」は「他人に話してはいけない」という意味で、秘密を共有する際に使われる
- 目上の人に使う場合は「他言無用でお願いします」など、敬語を添えるのが適切
- 類義語の「口外無用」はより硬い表現で、法律や契約などが関係した厳密な場面で使われる
他言無用は、内緒話を他人に話してはいけないという意味の言葉です。周囲の人には知られたくない話題を相手に伝えるときに使用します。ただし、他言無用を単独で使うと丁寧さに欠けるため、目上の人に使う場合は表現方法に注意してください。
反対に家族や友人などの親しい間柄であれば、他言無用ではなく「ここだけの話にしてね」と柔らかいニュアンスで表現するといいでしょう。話す相手によって正しく使い分けることが大切です。
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Domani編集部
Domaniは1997年に小学館から創刊された30代・40代キャリア女性に向けたファッション雑誌。タイトルはイタリア語で「明日」を意味し、同じくイタリア語で「今日」を表す姉妹誌『Oggi』とともに働く女性を応援するコンテンツを発信している。現在 Domaniはデジタルメディアに特化し、「働くママ」に向けた「明日」も楽しむライフスタイルをWEBサイトとSNSで展開。働く自分、家族と過ごす自分、その境目がないほどに忙しい毎日を送るワーキングマザーたちが、効率良くおしゃれも美容も仕事も楽しみ、子供との時間をハッピーに過ごすための多様な情報を、発信力のある個性豊かな人気ママモデルや読者モデル、ファッションのみならずライフスタイルやビジネス・デジタルスキルにも関心が高いエディターたちを通して発信中。https://domani.shogakukan.co.jp/
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