Contents
「毀誉褒貶」の意味や読み方とは?
「毀誉褒貶」には、普段なかなか触れることのない漢字が並びます。すんなりと読める人は多くないのではないでしょうか。
読み方と意味
「毀誉褒貶」は、「きよほうへん」と読みます。意味は以下の通りです。
ほめることと、けなすこと。さまざまな評判。(小学館『デジタル大辞泉』より)
「毀誉褒貶」の語源
「毀誉褒貶」は「毀誉」と「褒貶」に分けることができます。「毀誉」は「誹謗と称賛」という意味。「毀」は「そしる」、「誉」は「良い評価」を表す字。また、「毀誉」だけでも言葉が成り立ちます。そして、「褒貶」は「褒めたり貶したりすること」を表します。「毀誉」と「褒貶」の意味は、ほぼ同じ。それぞれ相反する意味の言葉を重ねることによって、意味合いを強めているのです。
「身は毀誉褒貶の間にあるも心は水の如く」とは?
「世間の人からどのように言われようとも、我が心は水のように澄んでいる」という意味。名軍師として知られる戦国武将、黒田官兵衛が言ったとされる言葉です。官兵衛は後年、「如水」と名を改めることに。その名前の由来を「身は毀誉褒貶の間にあるも心は水の如く」と説明したとされています。
「毀誉褒貶」の使い方を例文でチェック
「毀誉褒貶」は、「毀誉褒貶の激しい」や「毀誉褒貶相半ば」「毀誉褒貶を顧みない」というように用いられることが多いです。では、実際どのように使うのかを例文でみていきましょう。
「鬼才と呼ばれる彼が作る映画は、毀誉褒貶の激しい作品が多い」
「毀誉褒貶の激しい」とは、良い評価をする人、悪い評価をする人、どちらも非常に多くいるということ。世間の評価が真っ二つに割れる時に使う言い回しです。「鬼才」とは「人とは思えないほどの才能をもった人」という意味。超越した才能を持った人が作る作品は、万人受けしないことも。好き嫌いが分かれるようなものに、「毀誉褒貶の激しい〇〇」と表現することができます。
「彼は率直な物言いをするため、周囲の評価は毀誉褒貶相半ばするが信頼のできる人物だ」
「相半ば」は、「同じくらい」や「半分半分」という意味。つまり「毀誉褒貶相半ばする」は「良い評価、悪い評価が同じくらいである」という意味合いで使います。
また、「毀誉褒貶半ば」とすると、意味合いが変わります。「半ば」とは「半分に分けたものの一つ」という意味の言葉。そのため、人物や物事において、良い評価、悪い評価が同じぐらいあるという時は、「毀誉褒貶相半ばする」とするのが相応しいでしょう。
「物事を成し遂げるために、時には毀誉褒貶を顧みないことも大切だ」
「顧みない(かえりみない)」は、「気に留めないこと」。そのことから「毀誉褒貶を顧みない」とは、「世間や周囲からの評価を気にしない」という意味合いになります。「顧みない」は、「他人の迷惑を顧みない」などのように、ネガティブな意味合いで用いられることも。しかし、この「毀誉褒貶を顧みない」の場合、ポジティブとネガティブ、両方の意味合いで使われます。
例えば、「彼女は毀誉褒貶を顧みない」。この言い回しは、「世間からどのようにみられようとも関係ない」というような、人物が自己中心的である印象を与えます。しかし、「毀誉褒貶を顧みないことも大切だ」とすると、「周囲の評価ばかり気にしなくても良い」というニュアンスになり、他人からの評価ばかりを気にしている人へのアドバイスなどに用いることができます。
「毀誉褒貶」の類語や言い換え表現にはどのようなものがある?
「毀誉褒貶」の類語、言い換えることができる表現には「賛否両論」「甲論乙駁」が挙げられます。詳しい意味をチェックしていきましょう。
賛否両論
「賛否両論」の意味は以下の通りです。
ある物事について、賛成と反対の両方の意見があること。特に賛成論と反対論とで優劣つかない状態についていう。(小学館『デジタル大辞泉』より)
「毀誉褒貶」は、「良い評価」、「悪い評価」があること。人や物事に対して用いられます。それに対して、「賛否両論」は、「賛成」か「反対」。物事について、意見が対立していることを表しています。