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「一挙一動」の意味や読み方とは?
「一挙一動」は「いっきょいちどう」と読み、意味は以下の通りです。
一つ一つの挙動。ちょっとした振る舞い。一挙手一投足。(<小学館 デジタル大辞泉>より)
「一挙一動」とは、手を挙げたり、身体を動かしたりすることをいいます。気をつけておきたいのは、「一挙一動」は「動作」という意味がすでに含まれています。なので、「一挙一動の動き」とするのは二重表現になるので注意しましょう。
■「一挙一動」の語源とは?
「一挙一動」は、「一挙」と「一動」の言葉に分けることができます。ですが、意味は「一挙」と「一動」ともに、「一つの動作や行動」です。同じ意味の言葉を重ねることで、言葉の意味を強くしています。
また、所作や動作を表す「挙動」のそれぞれの文字に「ちょっとした」という意味の「一」を付け加え「一挙一動」と表しています。
「一挙一動」と「一挙手一投足」、「一言一行」の違いとは?
「一挙一動」と似た言葉に「一挙手一投足」、「一言一行」があります。これらの言葉には、意味や使い方に違いがあるのかをみていきましょう。
■「一挙手一投足」の意味とは?
「一挙手一投足」は「いっきょしゅいっとうそく」と読みます。意味を辞書で調べてみましょう。
1 こまかな一つ一つの動作や行動。2 ちょっとした努力。わずかな骨折り。(<小学館 デジタル大辞泉>より)
■「一挙一動」と「一挙手一投足」の違いとは?
「一挙手一投足」は「一挙一動」よりも、細かい身体の動作を表す際に用います。例えば、「まばたきをする」や「指先を動かす」は「一挙手一投足」。それに対して「一挙一動」は「手を挙げる」や「走る」などの大きな動作が該当します。
また「一挙手一投足」には、「ちょっとした努力」という意味も含まれます。これは中国、唐の時代、詩人である韓愈(かんゆ)が記した『応科目時与人書(かもくにおうずるとき ひとにあたうるのしょ)』に由来するもの。その中では「ちょっとした努力」という意味で「一挙手一投足」が用いられています。「手を挙げ、足を動かす」ということから、本来はその意味合いで使われていました。
■「一言一行」の意味とは?
「一言一行」は「いちげんいっこう」と読み、意味は以下の通りです。
一つの言葉と、一つのおこない。(<小学館 デジタル大辞泉>より)
「一つ」は「ちょっとした」という意味合い。「一言一行」は「ちょっとした言葉や行動」というニュアンスで用いられます。この言葉の由来もまた中国古事成語です。中国、南北朝時代に顔之推(がんしすい)によって記された『顔氏家訓(がんしかくん)』に由来します。これは作者が子孫に向けて家訓を記したもの。その中の「人の言動を引用するなら、出所を明確にしなさい」ということをいった一説に「一言一行」が使われています。
■「一挙一動」と「一言一行」の違いとは?
「一挙一動」と「一言一行」は、ほぼ同じ意味で使うことができる四字熟語です。「一言一行」は「言」という言葉が入っており、「発言」という意味が含まれています。それに対して「一挙一動」は行動や動作に着目した表現になるでしょう。
「一挙一動」の使い方を例文でチェック
「一挙一動」の詳しい意味を理解したところで、次はどのように「一挙一動」を使うのか、例文でチェックしていきましょう。
「彼女の一挙一動には目を見張るものがある」
「一挙一動に目を見張る」とは「動作や所作をみて、驚いたり感動する」という意味です。
「カリスマ的存在である彼の一挙一動は、いつも注目の的だ」
「一挙一動」は、誰かの動作や行動が気になる際にも用いることができます。この例文の場合、「彼のちょっとした動作にも注目が集まる」ということを表しています。
「育ちがいい彼女は一挙一動に品がある」
「一挙一動に品がある」とは「所作が優雅で上品である」ことを表しています。