こんにちは、editor_kaoです。
みなさんは、街中で、確実に目立つであろう派手なデザインの服を着ることってありますか?私はあります。いつもはプレーンな着こなしが中心で、「ドラマに出てくるファッション・エディター」みたいなスタイルは、抵抗があるので極力避けているのですが、ときどき、やたらと思いきった服を着ることがあって。
今の時期なら、赤いニットワンピースがその代表例。タートルニット&ロング丈なので、着ると、まごうことなき「全身赤!」に。今はもう手放してしまったのですが、ヒョウ柄のコートを着ていた時代もありました。夏になると、パープルのエスニック柄ワンピースを着ることも。そのどれもが、普段の私の着こなしに比べて、格段に主張が強いんです。だから、周囲の人は、私が突然変異したかのように驚かれたりするのですが、私としては、どちらの着こなしも本来の自分。特に無理はしていません。
おしゃれを通して、いつもと少しだけ違う自分に
ファッション・エディター然とした着こなしは抵抗があるのに、なぜ真っ赤なワンピースは着られるのか。その理由は謎ですが、連載タイトル「今日からは、自分のために服を着たい」と、あるように、せっかくなら毎日のおしゃれを、誰のことを気にすることなく楽しみたいという気持ちは、強くあります。それも、(最近はないけど)パーティに行くような超特別な日ではなく、好きなアーティストのライブを観るときとか、友人とレストランで食事をするときとか。思い返せば、いつもより少しだけ気取りたいときに、そのテンションになることが多い。非日常を、着こなしでも楽しんでいる感覚なんだと思います。
緊張するのは最初だけ。誰も人の服なんて気にしてません
わかります、「真っ赤なワンピースなんて、周りの目が気になって恥ずかしい」と、思う気持ち。私も最初はそうでした。ショップでひと目惚れして、思いきって買ったはいいものの、どのタイミングで下ろせばいいのか……。ただ、「今日は予定があります」アピールをしたいわけではないので、あえて通常業務しかない日に着てみました。まずは、赤いワンピースを着ている自分に慣れてみようと。あ、初対面の人と会わない日にはしました。普段の私を知らないと、「赤い服が好きな人」とインプットされてしまいそうですし、赤い服しか記憶に残らなそう。
最初は、街でひとり浮いている気がして、やや緊張したのですが、それも意外とすぐに慣れてしまって。仕事先では、顔見知り程度の人からも「今日は赤いですね」なんて話しかけられたりしましたが、それもコミュニケーションのひとつと思えば、特に気になりません。たとえ周囲の人に「おっ」と思われても、それは一瞬のこと。みんな忙しいのです。人の着こなしに、そんなに構っている時間はありません。
誰かになりきることで、おしゃれの幅を広げてみる
こういう派手な服を着るのって、個人的には、コスプレをしているような感覚なんです。夏のエスニック柄のワンピースも、「スリランカ紅茶屋さんのオーナー」の気持ちで着ますもん。ヒョウ柄のコートは、そんな経験は一度もないのですが「女友達が主催するパヤパヤしたバースデーパーティに行く自分」のテイで着ていました。自分の人生にはないことを、まるで経験するかのような効果が、こういった服にはあると思うんです。だから、おしゃれは楽しい。
派手な服に限らず、フォーマルな着こなしがマストな日は「調印式に参加する王室セレブのつもり」とかでもよくて。こうすると、いつもと違う服を着ることへの気恥ずかしさも和らぐし、コーディネートの方向性が明確になるので、実は組み合わせも考えやすいんです。こんな発想で服を選ぶことはあまりないかもしれませんが、ちょっと冒険したおしゃれをしたい人には、コスプレ気分の着こなし、おすすめです。
【今日のひと手間】
レイヤードスタイルに欠かせない白のインナー、私は“HANES JAPAN FIT for HER”のスリーブレスタイプを愛用しています。3枚入りのパックTで知られる“ヘインズ”ですが、ジャパンフィットタイプは、ソフトタッチの、優しい着心地の素材が特徴。スリーブレスだと、レイヤードしたときに肩まわりが窮屈にならないので、気に入っています。
エディター
editor_kao
大人の実用ファッションを中心に、人物インタビューや日本の伝統文化など、ジャンルレスで雑誌やブランドサイト、ウエブマガジンで活動中。また、インスタグラム@editor_kaoでは、私服コーディネートを紹介するかたわら、さまざまなブランドや百貨店とのコラボレーションも手がけている。ライフスタイルWEBメディアkufura(クフラ)でも「4ケタアイテムで叶えるオシャレ」を連載中。
イラスト/柿崎こうこ