周知徹底の意味は、ある情報を全体に共有することを指します。
Summary
- 「周知徹底」とは、ある特定の情報を全体に共有すること
- ビジネスシーンで使われることが多く、注意事項や変更点を伝えたいときなどに使う
- 堅苦しい表現であるため、日常では「全員に伝えてほしい」などと言い換えられる
- 類語には「情報共有」や「情報拡散」「意識徹底」「注意喚起」などがある
Contents
「周知徹底」ってどんな言葉?
職場で「マニュアルに変更がありましたので、周知徹底に努めてください」などと、聞いたことはありませんか? この「周知徹底」とは、どのような意味で使われる言葉なのでしょうか。本章では、「周知徹底(しゅうちてってい)」の意味や言葉の由来について解説していきます。意味とともに由来も知っておくことで、言葉を正しく使えるようになるでしょう。

「周知徹底」の意味
「周知徹底(しゅうちてってい)」という言葉は、以下のような意味で使われます。
広く知らせて隅々まで行きわたらせること。
引用元:小学館『四字熟語を知る辞典』
ある特定の情報を全体に共有することを指して「周知徹底」と言います。逆に言えば、特定の相手やエリアにだけ情報を伝えることは、「周知徹底」とは言いません。日常で「周知徹底」を使う例として、災害時の「防災無線」などが挙げられるでしょう。

「周知徹底」の由来・語源
「周知徹底」という言葉は「周知」と「徹底」といった、2つの熟語から成り立っています。
「周知」を辞書で引くと、「世間一般に広く知れ渡っていること。また、広く知らせること」とあります。「周知の事実」といえば、誰もが知っている事実という意味です。
世間一般に広く知れ渡っていること。また、広く知らせること。
引用元:小学館『デジタル大辞泉』
一方「徹底」とは、「中途半端でなく一貫していること」「 すみずみまで行き届くこと」を意味します。
中途半端でなく一貫していること
すみずみまで行き届くこと
引用元:小学館『デジタル大辞泉』

2つの熟語を合わせて「周知徹底」とすることで「広く隅々まで、情報を行き渡らせること」という意味になるのです。
【Domani編集部の体験談】ビジネスシーンでの適切な使い方
実際のビジネスシーンで「周知徹底」を使用する場合、どのような点に注意すればよいのでしょうか。Domaniの編集者たちの「周知徹底」にまつわる成功・失敗談を踏まえつつ、使用法を見ていきましょう。
【episode1】ただ単に情報を流すだけでなく、内容を理解してもらうことが重要
Domani編集部 M氏(37)
私がチームリーダーだった時のこと、ある重要な社内規定の変更について部下に「この変更内容をチームに周知徹底しておいてください」と指示を出しました。数日後、彼から「伝えました」と報告を受けました。しかし、その後のチームの動きを見ていると、一部のメンバーが新しい規定を把握していない様子。詳しく聞いてみると、彼は単に社内ポータルに掲載された通知をチームチャットに共有しただけで、その内容について特に説明も確認もしていなかったのです。私は彼にu003cstrongu003e「周知徹底」というのは単に情報を流すことではなく、相手が内容を理解して行動できるレベルまで持っていくことu003c/strongu003eだよと指導しました。
【episode2】「周知徹底」を指示する側が、具体的に何を求めているのか明らかにすべき
Domani編集部 Y氏(40)
数年前の話です。全社的なコスト削減目標が示され、上司は私たちへ「各部署へ周知徹底するように」と指示しました。私たちは早速、会議で説明して資料を配布。しかし、その後の月次報告において、各部署のコスト削減実績は芳しくありませんでした。上司は「あれほど周知徹底したはずなのに」と不満げでしたが、私は違和感を覚えました。上司が「周知徹底」しようとした内容は単なる「情報共有」に過ぎず、具体的な削減策の提示や、各部署での目標設定、進捗管理といった「行動への落とし込み」が欠けていたのです。この経験から、u003cstrongu003e「周知徹底」という言葉を使う側が何をどこまで求めるのかを明確にしないと、受け手との間に認識のずれが生じて期待通りの結果は得られないu003c/strongu003eということを学びました。
「周知徹底」の使い方や例文
「周知徹底」を使いたい場合、どのようなシーンでどう使えばいいのでしょうか。正しいタイミングや使い方で語彙を用いれば、相手に違和感を与える心配がありません。本章では、「周知徹底」を使うシーンと、具体的な例文について解説します。ぜひ「周知徹底」の使い方を知って、ビジネスの場で活用してみてください。

「周知徹底」を使うシーン
「周知徹底」を使う場面として、代表的なのが「ビジネスシーン」です。プライベートで何かの情報を伝える際には「全員に伝えてほしい」といった表現をするため、「周知徹底」という言葉を使うことはあまりないでしょう。
ビジネスシーンにおいては、以下のようなシーンで「周知徹底」が使われます。
・全員に向けて、注意事項を伝えたいとき
・全員が目を通さなければならない資料等があるとき
・何らかの変更点を伝えるとき
「周知徹底」の例文
「周知徹底」の使い方として、以下の例文を参考にしてください。
例文
・上司からの伝達を受けて、私はすぐ周知徹底を図ることにした
・本日の業務はまず、ルール変更後の周知徹底に努めることから始めよう
・今回のトラブルを受けて、周知徹底は仕事の上でも重要だと実感した
例文からわかるように、「周知徹底」を動詞のように使う際には「〜を図る」「〜に努める」といった言葉を添えることが多いです。
「周知徹底」の類義語や言い換え表現
特定の情報を広く伝えることを意味する熟語は、「周知徹底」のほかにもあります。なかには、まったく同じ意味ではなく少しニュアンスの異なる熟語もありますが、「周知徹底」とともに覚えておきましょう。

「周知徹底」の類義語
「周知徹底」の類義語は、以下のとおりです。
いずれの四字熟語も、「周知徹底」と同じように「情報を知らせる」という意味で用いられます。しかし「隅々まで」というニュアンスは含まれていません。特に「注意喚起」は、特定のターゲットに限って注意をする場合でも使われる言葉です。
・情報共有(じょうほうきょうゆう)
情報共有(じょうほうきょうゆう)は、組織やチーム内で必要な情報を関係者全員に伝えて共有することです。単に情報を「伝える」だけでなく、その情報を各々が理解し、活用される状態を目指すことを言います。
・情報拡散(じょうほうかくさん)
情報拡散(じょうほうかくさん)とは、文字通り情報が広範囲へスピーディーに伝わることを指します。特にインターネットやSNSの普及により、個人が発信した情報が瞬く間に不特定多数の人々に届く現象を指す場合が多いです。
・意識徹底(いしきてってい)
意識徹底(いしきてってい)とは、特定の考え方やルール・目標などについて、関係者全員が深く理解し、それぞれの行動や判断の基準として常に意識する状態を指します。単に知っているだけでなく、常に心に留めて行動に移せるレベルにまで、その意識を浸透させることを意味します。
・注意喚起(ちゅういかんき)
特定のリスクや危険、問題などについて人々に注意を促し、意識を高めることを意味します。潜在的な危険や起こりうる事態を前もって知らせることで、トラブルを未然に防いだり、被害を軽減させることを目的とします。


