「周知徹底」ってどんな言葉?
職場で「マニュアルに変更がありましたので、周知徹底に努めてください」などと、聞いたことはありませんか?この「周知徹底」とは、どのような意味で使われる言葉なのでしょうか。本章では、「周知徹底(しゅうちてってい)」の意味や言葉の由来について、解説していきます。意味とともに由来も知っておくことで、言葉を正しく使えるようになるでしょう。
「周知徹底」の言葉の意味
「周知徹底(しゅうちてってい)」という言葉は、以下のような意味で使われます。
広く知らせて隅々まで行きわたらせること。
引用元:小学館『四字熟語を知る辞典』
ある特定の情報を全体に共有することを指して「周知徹底」と言います。逆に言えば、特定の相手にだけ、特定のエリアにだけ情報を伝えることは、「周知徹底」とは言いません。日常で「周知徹底」を使う例としては、災害時の「防災無線」などが挙げられるでしょう。
「周知徹底」の由来・語源
「周知徹底」という言葉は「周知」と「徹底」といった、2つの熟語から成り立っています。「周知」を辞書で引くと、「世間一般に広く知れ渡っていること。また、広く知らせること」とあります。「周知の事実」といえば、誰もが知っている事実という意味です。一方「徹底」とは、「中途半端でなく一貫していること」「 すみずみまで行き届くこと」を意味します(引用:小学館『デジタル大辞泉』)。
2つの熟語を合わせて「周知徹底」とすることで「広く隅々まで、情報を行き渡らせること」という意味になるのです。
「周知徹底」の類義語や言い換え表現
特定の情報を広く伝えることを意味する熟語は、「周知徹底」の他にもあります。なかには、全く同じ意味ではなく、少しニュアンスの異なる熟語もありますが、「周知徹底」とともに覚えておきましょう。
「周知徹底」の類義語
「周知徹底」の類義語は、以下を参考にしてください。
・情報共有(じょうほうきょうゆう)
・情報拡散(じょうほうかくさん)
・意識徹底(いしきてってい)
・注意喚起(ちゅういかんき)
いずれの四字熟語も、「周知徹底」と同じように「情報を知らせる」という意味で用いられます。しかし「隅々まで」というニュアンスは含まれていません。特に「注意喚起」は、特定のターゲットに限って注意をする場合でも使われる言葉です。
「周知徹底」の言い換え表現
「周知徹底」には、いくつかの言い換え表現があります。ではどのように言い換えるべきなのでしょうか?以下を参考にしてみてください。
・ご案内します
・お知らせします
「周知徹底」という言葉を使うことで、どこか堅苦しいイメージを与えてしまう恐れがあります。そのようなときには、上記でご紹介した2つの言い換え表現を活用してください。「隅々まで」というニュアンスは薄れますが、「周知徹底」よりも柔らかな雰囲気で伝えることができるでしょう。
「周知徹底」の使い方は?
「周知徹底」を使いたい場合には、どのようなシーンでどう使えば良いのでしょうか。正しいタイミングや使い方で語彙を用いれば、相手に違和感を与える心配がありません。本章では、「周知徹底」を使うシーンと、具体的な例文について解説します。ぜひ「周知徹底」の使い方を知って、ビジネスの場で活用してみてください。
「周知徹底」を使うシーン
「周知徹底」を使うシーンとして、代表的なのが「ビジネスシーン」です。プライベートで何かの情報を伝える際には「全員に伝えて欲しい」などの表現をおこなうため、「周知徹底」を使う場面はあまりないでしょう。ビジネスシーンにおいては、以下のようなシーンで「周知徹底」が使われます。
・全員に向けて、注意事項を伝えたいとき
・全員が目を通さなければならない資料等があるとき
・何らかの変更点を伝えるとき