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2023.08.10

月組公演『桜嵐記』の裏話がたっぷり! 珠城りょうさん出演の【時代劇専門チャンネル「華麗なる宝塚歌劇の世界」】収録レポート

PR /時代劇専門チャンネル

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24時間時代劇のみを放送している「時代劇専門チャンネル」には、宝塚歌劇の日本物作品を特集する企画があるってご存知ですか? 今回は月組公演『桜嵐記』(’21年宝塚大劇場)を放送するにあたり、主演を務めた当時の月組トップスター・珠城りょうさんがゲストで登場!

今だから話せる『桜嵐記』のあれこれ。
番組収録での珠城りょうさん×中井美穂さんトーク

スカパー!などで視聴できる「時代劇専門チャンネル(CS292)」。数々の時代劇の名作が24時間365日見られるのが特徴なのですが、その中で毎週月曜日22時より放送されているのが「華麗なる宝塚歌劇の世界〜Season5〜」。宝塚歌劇の日本物作品だけを厳選して放送しています。

そしてさらなるお楽しみ要素として、ご自身も宝塚歌劇ファンとしておなじみの、フリーアナウンサーの中井美穂さんが案内役を務め、宝塚歌劇OGをスタジオゲストやコメントゲストに迎えるナビゲート番組も!

8月は、2021年の月組宝塚大劇場公演『桜嵐記』をピックアップ(8月21日(月)22時放送)。スタジオゲストに、主演を務めた当時の月組トップスター・珠城りょう(たまき・りょう)さんを迎え、作品にまつわるエピソードをいろいろうかがっています。

なんとその番組収録に潜入! 番組だけでは見られないあれこれを、イラストとともにお届けします。

『桜嵐記』公演当時の様子を振り返る作品鑑賞前の解説

場所は中井美穂さんが待つ、東京日比谷・東京宝塚劇場と同じビルの中にある秘密のカフェ。和洋折衷の大正モダン風の造りです。

 
カフェのカウンターには、「時代劇専門チャンネル」公式キャラクターの「若」がひっそり鎮座。今回の『桜嵐記』にちなみ、主人公・楠木正行(くすのき・まさつら)の衣裳を身にまとっています。背中にはしっかり矢も!

そこに入ってきたのは、元月組トップスターで正行を演じた珠城りょうさん。中井さんがお迎えし、さっそく収録がスタート。詳しいやりとりは番組をご覧いただくとして、収録時の印象的な話題のほか、収録後の取材会でうかがったお話もお届けします。

まず、中井さんと始まったのは『桜嵐記』公演当時のお話。『桜嵐記』はまだまだコロナが猛威を振るう2021年に上演。珠城さんの退団公演ということもあり、「(公演がストップするなど)いつどんなことがあっても後悔しないよう、いつも以上に真摯に向き合っていた」そう。

コロナ禍でなにもかもがストップし公演スケジュールもずれた時期はモチベーションを保つことが大変で、自分自身だけでなく月組のメンバーを鼓舞するようにしていたのだとか。 

「トップって、特に下級生から見ると距離があるものだと思うんですよ。だから常にその距離を感じさせないようにしていました。でも“声をかけてあげる”という意識ではなく、対ひとりの人として当たり前のようにコミュニケーションをとっていました」(取材会にて) 

珠城さんにとって『桜嵐記』は、約14年にわたる男役人生の集大成を見せるために全身全霊をかけて挑んだ作品。珠城さんが演じた楠木正行は、広い視野を持って“今”を生きる包容力のある武将…という印象でした。珠城さんは台本に目を通した段階で、「体力的にも精神的にもエネルギーが必要だけれど、やり遂げられたらものすごい作品になるのでは……!」と確信したと言います。

重心を下げてのお芝居や立ち回りが多い日本物は、通常の作品よりも体力を使うと聞きます。どのように体力をキープしたのかうかがってみると、

「うーん、どうやってキープしていたか正直覚えていないです(笑)。真冬に上演予定の公演がコロナ禍でずれて真夏になってしまっていたので、あの衣裳も暑くて。とにかくこの公演をやり遂げるという気力で走っていました。毎日ちゃんとお風呂に入ってほぐすとか、大きな怪我をする前にすぐにケアをするとか、そういうことに気をつけていたくらいです」(取材会にて)

演出の上田久美子先生とのご縁、月組への想い。今語られる珠城さんの本音

『桜嵐記』を鑑賞後にも、中井さんと珠城さんのお話は続きます。学生時代から演劇に触れ、宝塚歌劇と出会って数十年観続けてきた中井さんは、豊富な知識と深い洞察力をお持ち。巧みな表現を交えながら、珠城さんのさまざまなお話を引き出されていました。

昔から少し冷静に、俯瞰して物事を見るところがあると語る珠城さんに、「それは俳優としてものすごく大切な資質があるということですよね」と中井さん。

そして『桜嵐記』について、わかりやすい導入部から、父の楠木正成から正行・正時・正儀の三兄弟へつながる登場、庶民であるジンベエの存在、弁内侍との関係性や掛け合いなど、作品の裏側までまるっとわかる、今だから話せるエピソードを数多く披露されていた珠城さん。 

四條畷(しじょうなわて)の合戦シーン、特にスローモーションでの立ち回りは体力的にとてもキツかったそう。殺陣の栗原直樹先生からは何度も何度もダメ出しをもらい、「しんどいだろうけれどここが正行のいちばんの見せ場。みんな珠城を見ているんだから」と叱咤激励されたそう。「自分の限界と闘いながらでしたが、そんな場面に挑戦させていただけたことがありがたいです」。あのシーンは本当に見応えがあり、心に深く刻まれている人も多いのではないかなと思います。

退団公演は次のトップスターへバトンを渡すという意味もある公演で、作品の中でも月城かなとさん(現月組トップスター)演じる弟の楠木正儀とのやりとりも印象深いいち場面でした。「あえて(正儀の)目を見ないで話すところが正行らしく、それで正儀も決意できる。静かな空間にふたりきりという、いい時間が流れている瞬間でした」。

印象的だった場面では、楠木正成役の輝月ゆうまさん、後村上天皇役の暁 千星さんのことなど……月組の方々との思い出に加え、これからの月組に期待することも多く語っていらっしゃいました。

珠城さんが「もう一度見たい」プレイバックシーンとして挙げる名場面や、今まで明かされなかったエピソード、珠城さんが特にグッときたところなど、オンエアでは深いお話がうかがえることでしょう。

視聴者の方から届いていた質問にも、ひとつひとつ具体的に丁寧に答えられていました。特に印象的だったのは、ご縁が深かったという演出家の上田久美子先生のこと。「『この人と仕事がしたい』『この人に任せたら大丈夫』と思ってもらえる役者になりたい」と常々思っていたそうですが、上田先生が求めるものはとても高く、研鑽の大切さを改めて感じたとのこと。

『月雲の皇子』−衣通姫伝説より−『BADDY−悪党は月からやってくる−』『桜嵐記』と、珠城さんの代表作ともいえる作品はすべて上田先生の演出によるもの。上田先生とのエピソードは後編の記事でも詳しくうかがっていますので、ぜひお読みください。 

珠城さんと中井さんのやりとりの中で何度も出てきていたのが「タカラヅカらしさ」。南北朝というあまりなじみのない時代が舞台ですが、美しい衣裳や大胆な美術セット、照明、そしてなにより座付き演出家の手によるオリジナル作品だからこそのキャストにフィットした物語。そんな『桜嵐記』の世界をより深掘りするおふたりの対談は注目。ぜひ、番組でその世界にひたっていただきたいところです!

番組収録後に、珠城さんに感想をうかがいました。

「今回、ファンのみなさまが本当にたくさんの質問やいろいろなご意見を番組に寄せてくださったとうかがいました。私にとってもすごく大切な『桜嵐記』という作品を、こんなにも広く深く愛してくださっている方がたくさんいらっしゃること、公演から2年も経つのにまだ大切に思っていてくださるんだ……ということをこの機会に知ることができて、とてもうれしかったです。番組2本分くらいの収録時間だったので、1本に凝縮されてしまうのが少し残念ですが(笑)、みなさんにご覧いただけたらうれしいです」

この『桜嵐記』で初めて宝塚歌劇に触れる方に向けて、珠城さんが考えるタカラヅカの魅力はどんなところでしょうか?

「宝塚歌劇はよく、少女マンガから抜け出したような世界と言われることがあります。確かに素敵な役者がたくさんいて、どうしてもビジュアルに目が行きがちですが、舞台は総合芸術なのでちょっと視点を変えて見るのもいいんじゃないでしょうか。特に『桜嵐記』は衣裳やメイク、美術や音楽など、舞台にかかわるすべてのことがいい形で融合した作品なのでトータルに愛していただけると思います」 

「時代劇専門チャンネル」のように宝塚歌劇の作品を映像で見る際の楽しみ方についても教えていただきました。

「細部にまで緻密に作られている衣裳の美しさや研究しつくされたメイクは、映像ではアップになるのでとてもわかりやすいと思います。楠木正行のメイクは、美しく見える紅の差し方など、特に“赤の出し方”にこだわりました。日本物の作品は特に、メイクでその人物のキャラクターや立場がわかるようになっています。末の弟の正儀は少し肌を褐色にして若々しいやんちゃさを出したり、天皇や公家は白めのベースメイクにして位の高さを表したり。庶民であるジンベエのメイクもまた違う。そんなところを+αで楽しんでいただきたいです

番組情報

【華麗なる宝塚歌劇の世界~Season5~】
『桜嵐記』(’21年月組 宝塚大劇場)
出演:珠城りょう/美園さくら/月城かなと ほか
※前後解説付き ゲスト:珠城りょう
放送日時:8月21日(月)22:00~/9月4日(月)22時~

 番組解説
『太平記』や『吉野拾遺』などに伝承の残る南朝の武将・楠木正行の、儚くも鮮烈な命の軌跡を、一閃の光のような弁内侍との恋と共に描く。 

 宝塚歌劇を見るなら「時代劇専門チャンネル」
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撮影/黒石あみ イラスト/春原弥生 メイク/河上智美(Rouxda.) スタイリスト/久保コウヘイ 構成・文/淡路裕子

ジレ¥123,200(デサ ナインティーンセブンティトゥー)、シャツ¥22,000(デミルクス ビームス)、パンツ¥35,200(エッフェ ビームス) すべてビームス公式オンラインショップ 、イヤリング¥7,020・リング¥5,400(アビステ) ☎︎03-3401-7124