「総括」とは?
「総括」という言葉は、誰もが一度は耳にする言葉かもしれません。特にビジネスシーンにおいては、プロジェクトが一段落ついたタイミングなどの区切りに「総括」をおこない、全体の成果を確認します。
本章では「総括」という言葉について、語句の意味や語源・由来を解説します。また反対語についても触れていくため、ぜひ参考にしてください。
言葉の意味
総括(そうかつ・そうぐくり)とは、複数の要素を一つにまとめることを意味する言葉です。シンプルに「まとめ」ともいえるでしょう。ビジネスや政治に関する活動の中では、しばしば「活動内容」や「成果」をまとめて「総括」と表します。
物事の「総括」をすることで、全体の流れや結果をよりシンプルに把握できます。なお辞書で「総括」を調べてみると、以下のように解説されているため、言葉の定義を確認してください。
総括[名](スル)
1.個々のものを一つにまとめること。全体をとりまとめて締めくくること。
2.労働運動や政治運動で、それまでの活動の内容・成果などを評価・反省すること。
<小学館 デジタル大辞泉より>
語源・由来
総括に使われている「総」と「括」。「総」は総合という意味であり、「括」は全てをくくる(まとめる)という意味をもつ漢字です。2文字が組み合わさって、物事まとめるという意味の「総括」が生まれました。
「総括」の反対語
総括の反対語は「個別」と「断片」です。「個別」という熟語は「一つ一つ」や「一人ひとり」といった意味をもちます。全体を構成する各要素を、それぞれ別に扱うといった意味です。全体をひとまとめにする「総括」とは真逆の意味であることが分かります。
「断片」とは、もともと一つにまとまっているものを、分解するといった意味の熟語です。また、まとまったもの(集合体)の一部といった意味も持ちます。こちらも個々の要素をまとめる「総括」とは対を成す言葉です。
「総括」の使い方・例文
「総括」は文脈や会話の中で、どのように用いるのが適切なのでしょうか。言葉をより自然に使うためには、例文などを覚えておくのが望ましいでしょう。
本章では「総括」の基本的な使い方や例文を解説していきます。また実際に「総括」を書く場合、どのような書き方をすべきなのかも合わせて紹介していくため、ぜひ参考にしてください。
■一般的な使い方
「総括」は通常、「総括する」という形で使われる言葉です。主に、さまざまな情報を特定の基準に従ってまとめる際の文脈で利用されます。また、この言葉は組織の統括やさまざまな手法や方法を統合的に管理する意味でも用いられるでしょう。
「総括」の一般的な同義語は「まとめ」です。「総括する」を「まとめる」と言い換えることで、相手へよりシンプルに伝わるかもしれません。
■例文
総括を違和感なく使用するためには、以下の例文を参考にしてください。
・取り組んでいたプロジェクトが失敗した原因は何か、総括をする中で見えてきた
・今リーグ戦の総括をおこなっている
・会議の中で出たさまざまな意見を総括して、上司に報告する
・チームを総括するヘッドコーチは、エースが自信を無くしていることを危惧している
■書き方
総括の書き方は、以下の3種類があります。
1.時系列順
2.人物中心
3.物事中心
全体の流れを分かりやすく列挙するならば、時系列順に総括しましょう。結論に至るまでの流れが分かりやすくなります。人物中心に総括する場合、登場人物ごとの意見をまとめると分かりやすいでしょう。そして物事を中心に総括する場合は「誰」が「何」をして、これから「どうする」のかを明確にしてください。
「総括」の類語
「総括」には、複数の類語があります。例えば「包括」や「統括」、「要覧」などです。3つの熟語の中には、総括と同様に使用できるものもあれば、少しニュアンスが異なる単語もあります。
本章では「総括」の類語として、上記3つの単語について意味や、総括との比較などを解説していきます。それぞれどのように使用できるのか、本章でチェックしてください。
包括
「包括(ほうかつ)」とは、異なる要素を総合的に統一する行為を指します。すべてを一つの統一体として考えるといった意味をもつ言葉です。
「総括」とは似た意味合いですが、両者の異なる点は次の通りです。「包括」は異なる要素を統合し、それから結論を導くこと。または結論を導くために、情報をまとめることに焦点を当てています。これに対して「総括」は、単に情報をまとめることに焦点を当てており、結論の導出としての意味は持ちません。