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2024.12.16

柚香 光さんにインタビュー「最近はチョコとバナナとカスタードのクレープにハマってます」【時代劇専門チャンネル「華麗なる宝塚歌劇の世界」】 

PR /時代劇専門チャンネル

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24時間、時代劇のみを放送する「時代劇専門チャンネル」の人気企画「華麗なる宝塚歌劇の世界~Season6~」。今回は『元禄バロックロック』(’21年花組 宝塚大劇場)が放送されます。番組ゲストには主演を務めた元花組トップスターの柚香 光さんが登場し、案内役の中井美穂さんと楽しいトークを繰り広げています。後編では、収録後のインタビューをお届けします。

番組収録の裏側から、作品へのより深い考察、最近のリアルな柚香さんまで。
あますことなくお伝えします!

スカパー!などで視聴できる「時代劇専門チャンネル(CS292)」。数々の時代劇の名作が24時間365日見られるのが特徴で、毎週月曜日22時には「華麗なる宝塚歌劇の世界〜Season6〜」を放送。宝塚歌劇の中の、日本物作品を厳選してお届けしています。

 フリーアナウンサーの中井美穂さんが案内役を務め、宝塚歌劇OGをスタジオゲストやVTRゲストに迎えてお話をうかがうお楽しみのナビゲート番組も。12月には元花組トップスターの柚香 光(ゆずか・れい)さんが登場し、『元禄バロックロック』(12月16日(月)22時放送)にまつわるお話を披露してくれました。

今回の記事では、番組収録後に柚香さんを囲んで行われた取材会でのやりとりを詳しくお届けします。

前編を読む

自分と向き合いながら前へ進んでいくエネルギッシュなクロノスケは谷先生そのもの!?

――まず、番組収録を終えての感想を聞かせてください。

中井さんと久しぶりにお話させていただき、とても楽しかったです。当時のことを振り返りながら整理していくと、いろいろなことが蘇ってきて自分でも新鮮でした。『元禄バロックロック』のクロノスケとしても宝塚歌劇団の柚香 光としてもたくさんの時間を過ごし、(新型コロナウイルス感染拡大の影響で)中断していた公演が再開されたときにお客様が作ってくださった劇場の空気感や温かな拍手を思い出していました。

――大変な状況の中で、どう気持ちを保っていたのですか?

必死で、夢中でした。今となっては懐かしく思い返せますけれど、当時は明日がどうなるかわからない状況でしたね。なにも予想ができない中で公演していましたから、1日1日が無我夢中だったなと。 

星風まどかさんとトップコンビを組む初めての作品で、谷 貴矢先生の大劇場公演デビュー作でもありました。おふたりをはじめ、周りのみなさんから大きな刺激をいただきながらの作品づくりはとっても楽しかったです。

――こちらのオリジナル作品を上演するとなったときの気持ちを教えてください。

元赤穂藩藩士の時計職人・クロノスケが時間を戻せる時計を発明したことで真っ当な道からちょっと外れた生活をしている…というところから物語が始まります。それを聞いて、いったいどんなキャラクターになるんだろうと想像を膨らませていた時にポスター撮影があり、さらにワクワクしました。

ロックテイストのゴージャスな衣装にラフなまげのかつら。『元禄バロックロック』という作品名のとおり、江戸時代を背景にしながら現代的な味付けがされた華やかな舞台になるんだろうなと。日本物だけどアレンジの効いた新しい魅力を持ち合わせ、日本人の心にストレートに入ってくるような作品にできたらいいなと思いました。

――演じられたクロノスケは、どのように役作りをされましたか?

エネルギーに溢れていて、たっぷりの優しさと愛情を持っている人です。大事な人やもののため、人々の思いのために、間違いや失敗と向き合いながら前に進んでいく姿は、すごく主人公らしい主人公だと思いました。清潔感もあってとっても魅力的。お客様にもそう心を寄せてもらえるような人物にしたいと願っていました。

――演出の谷 貴矢先生から、リアル感を出すためにアドリブを入れてもいいよ、というアドバイスがあったとのことですが、お稽古の段階でアドリブが自然に出てきていましたか?

実はアドリブをしにいくという考えはありませんでした。アドリブをすると、それに対してお客様が反応をしてくださる。でも、演者としてそこに意識が向いてしまうと物語の主軸から離れてしまうので、それは避けたいと思っていました。 

あくまでも役として、そのときに溢れてきたものがちょっと見え隠れするくらいがいい。なのでアドリブをしていたかどうかは実はあまり覚えていなくて、谷先生のアドバイス通り、お客様に「これはセリフなのかアドリブなのか、どちらかわからないな」と思っていただけるような、説得力と臨場感のあるお芝居をしたいと稽古場でも演じていました。

――役になりきることで生まれてきたアドリブを大事にされていたんですね。ほかの登場人物の方々の役作りはいかがでしたか?

みなさんの役作り、個性豊かですよね(笑)。それぞれの役が衣装をまとったときに出る色がみんな違って、キャラ立ちしているというか。そこに役者さんの芸風との相乗効果が生まれ大きな魅力になったと思います。

――谷先生からの言葉や、やりとりで、ほかに印象に残っていることはありますか?

演出の先生は稽古場の前でご覧になる方が多いですが、谷先生は目をキラキラさせて小さな子供みたいに、お客様の目線に近い位置になるように座り込んでご覧になるんです。先生のそのシルエットが印象的で、今でも覚えています。エネルギーに満ちていて、「夢」みたいなポジティブな言葉がとても似合う方です。

今ちょうど公演中の花組『エンジェリックライ』も谷先生のオリジナル作品で、永久輝(せあ)と星空(美咲)のお披露目公演。東京で観る予定なので、とても楽しみです。

――『元禄バロックロック』は楽曲もかなり印象的でしたが、インプットのためによく聴いていた音楽や曲はありますか?

お稽古期間に公開されていた『シンデレラ』の実写映画の中に、ラップで住民におふれを出す場面があったんです。私たちの作品も時代劇の中でセリフをラップ調にしたり、ロックな楽曲で気持ちを届けたりという演出だったので、タイムリーな刺激でしたね。自分で聴くものもちょっと意識してロックに触れたり、歌稽古では流れるリズムを勉強したりしていました。 

――クロノスケの時計にかけて、もし時を戻せたらいつに戻ってどんなことをやりたいですか?

「あのときA定食じゃなくてB定食にしとけばよかった」という小さなこと、なんの悩みもなく体中に傷を作りながらも走り回っていた小学生の頃…。など、考えることもありますが、でも時は戻さなくていいかなと思います。

たぶん戻しても自分は変わっていないので、また同じような失敗を繰り返すだけでしょう。今のままでいいかな。『元禄バロックロック』にも過去というより未来に向けての明るく前向きなメッセージが込められているので。

――では逆に、未来にやりたいことはどんなことですか?

うーん、好きな人たちと一緒にやりたいことをやりたいです(笑)。

――宝塚歌劇の日本物作品の魅力はどこにあると思いますか?

王道の時代劇から、『元禄バロックロック』のように現代物に近いアレンジの利いたものまで、本当に幅広いなと思います。なので、日本物を苦手に感じる方でも入口になるような作品が必ずあることが特徴のひとつかと思います。

古典的で名作と呼ばれるものや、世の中的には古めかしく思われるものでも実際に観てみたらこんなに素晴らしかったんだと気づくこともあります。それは、たくさんの題材を扱っているからこその強みではないでしょうか。

大切な場での緊張は無理にほぐさなくていい。
場に臨む準備をしておけば緊張はマイナスにならない

――宝塚歌劇団を退団して半年と少し経って、今はどんな心境ですか?

新しい環境で初めてお目にかかる方とお仕事をする機会が増えたので、そのたびに自分はいったいどんな人間なのか、どんな経歴を持っていて、なにを学び、なにが強みなのかということを考えています。 

あとは、事前準備やお稽古など仕事に向けての時間を過ごすことが多いですね。宝塚歌劇にいた頃には気づかなかったことが、外に出てみて初めてわかったり。知らなかったことを学んでいきたいという気持ちが強いです。

――外の世界に出てみて、改めて思う宝塚歌劇の魅力はどんなところでしょう。

本当に夢のような世界でした。お客様に夢を見ていただきたくて舞台を届けていた私たちが、逆にお客様から夢をいただいていましたね。キラキラの宝箱の中の夢の時間でした。 

退団してからタカラヅカの舞台を観に行って思ったことは、銀橋が近いこと。あんなに近いんですね! 舞台に立っていたから距離感は知っているはずなのに、「お客様はこんな近くでご覧いただいているんだ」と実感しました。

舞台上で客席の空気感は体いっぱいに感じていましたが、そのお客様の中に飛び込んで一緒に舞台を拝見したときに、みなさまが包み込んでくださる温かみが直に伝わってきます。こんなふうに拍手を届けてくださって、なんてありがたいことなんだろうと、観劇のたびに思っています。

――番組の中では星風さんの呼び方もご披露いただきましたが、星風さんから柚香さんはなんと呼ばれていますか?

ぴーさんと(笑)。私が甥っ子から「ぴーちゃん」と呼ばれていて、それを取ったみたいです。

――退団後のコンサート『TABLEAU』で、華優希さんが柚香さんのことを「れいちゃんと呼ぶ」と決意されていましたが、今はいかがですか?

明瞭な「れいちゃん」は聞いたことがなくて、できるだけ滑舌を曖昧にした「うぇいひゃん」は何度か(笑)。

――食欲旺盛なイメージの柚香さんですが、退団して体の変化はありましたか?

退団してあまり時間が経っていないですし、運動量のあるコンサートもあったので、大きく変わってはいないですね。最近、クレープにハマっています。チョコとバナナとカスタードの王道メニュー一択で、「ジラフクレープ」というお店がお気に入りです。

――好きなおにぎりの具はなんですか?

唐揚げ・スパム・明太子…。あ、たらたま(生たらこと卵焼き)が好きです。でもツナマヨもずっと好き(笑)。

――柚香さん流の緊張のほぐし方は?

緊張はほぐれないです。ほぐさなくていいと思います。ちゃんと準備していても大事な場所だから緊張するわけで、その緊張を無理に取り払わなくていい。だから事前の準備はしっかりしていきたいですね。

――持っていないと落ち着かないものはなんですか?

スマホ。最近はスマホでナンバープレースをしています。ゲームは無課金だけど、マンガを読んでいるときはすごく課金をしていました(笑)。

――笑顔の源を教えてください。

よく寝て、よく食べるのが、よく笑うための源ですね。あとは自分の好奇心や知識欲を大切にしてあげることかな。落ち込んだときは部屋の片付けをします。だいたい落ち込んでいると部屋が散らかっていませんか? 部屋を片付けようというスイッチが入ったということは、なにか引っ掛かっているものを取り去って次に進もうとしているサインだったりするので、それに抗わないようにします。私はあまり長く落ち込むことはないですね。

――2025年はバレエダンサーのマチュー・ガニオさんとの共演や、劇団☆新感線の公演への出演など忙しい年になりそうですね。

様々なお仕事を通して自分を磨き、今まで応援してくださった皆様にもこれから出会う方々にも、「この人、面白いな」と思っていただけるような俳優になっていきたいです。そのために自分をよく知り、鍛錬することが大事だと思っています。成功体験ではなく失敗したことも全部自分の糧にして、常に成長していきたいですね。

気負って背伸びすることもカッコつけることもなく、フラットな視点でお話してくださった柚香さんのベースにあるのは「温かな心」。お客様からいただく応援も、ご自身が届けたい想いも「温かさ」を大切にされていると感じました。今まで以上に新たな表現に挑戦する2025年。目が離せないアーティストのひとりです。

インタビュー前編を読む

元花組トップスター・柚香 光さんが語る『元禄バロックロック』の裏話 【時代劇専門チャンネル「華麗なる宝塚歌劇の世界」】番組収録レポ

【華麗なる宝塚歌劇の世界~Season6~】

『元禄バロックロック』(’21年花組 宝塚大劇場)
出演:柚香 光/星風まどか/水美舞斗 ほか
※番組ゲスト:柚香 光
放送日時:12月16日(月)22:00~/2025年1月6日(月)22:00~再放送


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▶︎時代劇専門チャンネル【華麗なる宝塚歌劇の世界~Season6~】特設サイト

撮影/黒石あみ ヘアメイク/栗原里美 イラスト/春原弥生 構成・文/淡路裕子