【Age/年齢】若い子の間で流行っている赤いアイシャドー、大人は上手にしないと「歌舞伎の隈取り」になっちゃいます
おしゃれでもメークでも〝若く見える〞のと〝若づくり〞は全然違います。30代、特に35歳を超えたころから〝決定的に似合わないもの〞が出てくるのは、だれに言われなくとも自分で悲しいほどに感じるもの。ただ、ややこしいことに今のファッションは、世代で着るものが変わりません。 10代から50代まで、シャツワンピースやマウンテンパーカ、ワイドパンツを身につける。なのに似合うものとそうでないものがあるんですから。メークだって、若い子の間で流行っている赤いアイシャドー、大人はそうとう上手にしないと「歌舞伎の隈取り」になっちゃいます。成田屋!
年齢を重ねたら、ある程度の投資は致し方ないと諦めましょう。同じ〝シャツワンピース〞というくくりでも、大量生産で簡易的につくられたものと、計算されたパターンできちんとつくられたものでは、着たときの佇まいが違います(もちろん安くていい服もあるけど)。価格は主に材料と手間を反映していますので、大人はそこに対価を払いたい。年齢を重ねるにつれ、ハリのなくなってきた肌やゆるんできたボディラインを、洋服の上質さでカバーするのです。
あとは、流行のアイテムが自分のキャラに合っているかどうかも大事ですよね。これは価格以前の問題で、ここがずれると思いきり若づくりに見える。Domani世代ともなれば「らしく」ないかどうかは、自分でわかりますよね。もうこれは、今まで生きてきた年月の積み重ねで完成されたもの。だからどうしようもありません。たとえばロックTシャツって流行ってますが、50代の女性だって似合う人はいる。だけどそれはその人の内面にロックマインドがあるから。さあ、あなたは?そのTシャツの意味、わかって着てる?でないと「息子のお下がりを着たオカン」みたいに。とがったトレンドほど注意が必要です。
ちなみにこの企画の担当(40代)である私はトリコロールカラーのブルゾンがものすごく欲しかったのですが、試着したらまるで「ママさんバレーの練習帰り」になり、泣く泣く諦めました。スポーツマインドが足りなかったようです。世代別のファッションがない時代だからこそ〝キャラじゃない〞は、大事な判断基準です。
Domani10/11月号 『読む』〝たった5枚〟より
イラスト/そで山かほ子 構成/湯口かおり 再構成/Web Domani編集部