「グラン・パレ・イマーシブ 永遠のミュシャ」のアンバサダー・塩野瑛久がミュシャを語る
Oggi.jpでの連載『あきじかん』が話題の俳優・塩野瑛久さんがこの冬に開催される「グラン・パレ・イマーシブ 永遠のミュシャ」のアンバサダーに抜擢! 本展の魅力について、たっぷり語っていただきました!
――「グラン・パレ・イマーシブ 永遠のミュシャ」のアンバサダーに選ばれた感想を教えてください。
率直にすごくうれしかったです。もともとアートを観るのは好きですが、詳しいわけではなくスケジュールに余裕があるときに美術館や展覧会へ行く程度の僕でもミュシャの描く印象的な絵はもちろん知っていました。今回、アンバサダーに選んでいただけて本当に光栄です。
ミュシャの作品自体に触れたことがない方も、ミュシャからインスパイアを受けた作品にはきっとどこかで触れたことがあると思うんです。実は、僕の好きなアニメや漫画の中にもミュシャの影響を受けたであろう作品も多い気がしているのですが、今回の展覧会でもミュシャに影響を受けたクリエイターの方々の絵が紹介されるのが見どころのひとつなんです。そういう視点でミュシャの作品に触れていただくと、また新しい発見ができると思います。
――高解像度のプロジェクションを通してイマーシブならではの空間での新感覚没入体験型展覧会として話題の本展。実際ご覧になってみていかがでしたか?
まさに“イマーシブ”という言葉にふさわしい没入体験ができました。少し離れた場所から観たときと、空間の一番のポイントでもある真ん中に近寄ったときとで感覚がまったく違うのでぜひその体験をみなさんにも味わってもらいたいなと思います。
アートは「自ら拾いに行かないといけないもの」「絵を観たときに、ここから何かを感じ取らなきゃいけない」「ここからこの絵はどういうところが素晴らしいか考えなければいけない」というような、一種の責任感のようなものが生まれがちな気がしています。そういった見えないプレッシャーが、僕自身にとっても二の足を踏む原因になっていたところがありました。
でも、今回の展覧会は「自由に楽しんでいいんだ」と思わせてくれたんです。この展覧会には実物の絵はひとつもない。プロジェクションによってミュシャの美しい世界観や素敵な空間が広がり、映像として没入できる。順序があって構成があって、次にこの絵が出てきて、とわかりやすい展開になっているからトライしやすいと思います。そこが今回の展覧会の推しポイントです。
――最近はアートに興味があるというお話は連載でも話しておられましたが、ミュシャの作品からどんなことを感じましたか?
僕が昔観たミュシャの絵柄のイメージがこんなに色濃く残っていることにまず驚きました。きっと共感してくれる方もいると思うのですが、改めて目にしたときに「なんだろう。すごく昔の記憶を掘り起こされるようなこの気持ちは…」という感情が沸き起こりました。ミュシャの絵は女性の柔らかさ、肉感が繊細に表現されていますが、どちらかといえば平面的かつ、淡くややくすんだ色合いで描かれている印象。それにもかかわらず強烈なインパクトがある。そこにミュシャの感性やこだわりが詰まっているんだなと感じられました。
――Oggiでもファッション連載『あきじかん』をもち、ファッション好きとしても知られる塩野さん。本展覧会を観に行く日はどんな装いでいきたいですか?
今日、別の取材で着用した黄色の花柄シャツがまさにミュシャの淡い色合いの感じだったんです。その衣装を見ながら、きっとこの柄をデザインした方もミュシャにどこかインスパイアされている部分もあるのかもしれないと思いました。そういった“ミュシャ”を感じられる装いで行くのもありだなと思います。
せっかくアートを楽しむなら、そのシャツをグレーの起毛のワイドパンツにインして、キャスケット帽をかぶって丸メガネをかけてちょっとそれっぽさを感じるスタイルで行くのが楽しいんじゃないかなって(笑)。と言いつつ、そこは目で楽しむので自分の格好は意外とシンプルでもいいんじゃないかなという気もしています。
――この冬に挑戦したいことはありますか?
グランピング! 自然に触れながらゆったりした時間を過ごしたいです。自分の中でそういう過ごし方をすることへの優先度があまり高くないので、無理矢理にでも実行しないと心が枯れてきそうな気もしているんです。穏やかになれるゆっくりとした時間の過ごし方をしたいです。
――塩野さんにとっての食欲の秋、運動の秋、読書の秋といえば?
<食欲の秋>
松茸。昔はキノコ全般あまり好きではなかったのですが、今となっては大好きな食材。その中でも松茸はまだあまり食べたことがないので、いわゆる“これぞ松茸!”と言われるものを贅沢に食べてみたい!
<運動の秋>
テニス。幼い頃にやっていたので、久しぶりに挑戦したいです。最近はテニスコートの前を通りかかると、やるかやらないかの自問自答を繰り返してしまいます。
<読書の秋>
少し前に本に関するお仕事があり、読む機会ができたのですが、もっと読みたいなと思いつつ、器用ではないので台本と向き合うときは読書をする余裕がなくなってしまうんです。文字ベースの本はきちんと向き合おうとすると身構えちゃうし、漫画もあまり読めていない状況。でも先日、大好きな漫画『僕のヒーローアカデミア』が完結したので、全41巻を揃えたい! 本来はあまり家に物を置きたくない性格なので、今は電子書籍にしているのですが、完結したら全巻単行本で揃えると決めていました。
ジャケット¥132,000・パンツ¥44,000・靴¥121,000 ( Paul Smith ) その他/スタイリスト私物
<問い合わせ先>
Paul Smith Limited TEL03-3478-5600
撮影/SASU TEI スタイリスト/能城匠 ヘア&メイク/下川真矢 構成/佐々木怜菜、岡野亜紀子
【“しおらしい”取材MEMO番外編】
・取材の時間になり、Oggiのスタッフがスタジオに入ると「お疲れさまです!いつもありがとうございます!」と明るく出迎えてくれた塩野さん。「お腹空いてますか?差し入れです」とパン(多量)を手渡すと「お腹空いてます!わーうれしい。ありがとうございます!どれを食べよう」と真剣に悩む姿が。
・展覧会に着ていくファッションについて語ってくださった際、「シャツをワイドパンツにインして〜」と話す塩野さんに「思った以上に形から入るんですね!(笑)」と思わずスタッフがツッコむと、「そうそう、形から!めっちゃ形から入ります。ファッションってそういうものでしょう?(笑)」とおちゃめな笑顔をのぞかせていました。
・「〇〇の秋」のお題について話していただいた際、“運動の秋”について、「どうせやるやる詐欺でやらないと思うんですけど…(笑)」と予言をする塩野さん。「次回、テニスコートで連載のファッション撮影してみますか?」というスタッフの冗談に、「いいですね(笑)やりましょう!」とノリノリでした。テニスをやってみたかについては今後の取材でも注目していこうと誓う編集部でした。
『グラン・パレ・イマーシブ 永遠のミュシャ』
会期:2024年12月3日(火)〜2025年1月19日(日)
※休館日:12月19日(木)、1月1日(水・祝)
開場時間:11:00~20:00( 最終入場は19:30まで)
※12月31日(火)のみ18:00まで(最終入場は17:30まで)
会場:ヒカリエホール(東京都渋谷区渋谷2-21-1・渋谷ヒカリエ9F)
公式サイト:https://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/24_mucha/
※本記事は2024年11月3日に公開されたOggi.jpと同内容になります。