思いがこもってないなら、定型文は無用の長物!
最近の私の趣味は「捨てること」と「時短」です。1日ひとつ何か捨てて、1日30分どこかを縮める。そうやってできたスペースと時間で、新しいもの・ことを補充する。そうしないと、いつも余裕がない人になってしまいそうだから。
仕事時間のうち、多くの時間を取られているのが、メールです。時短のためにはサクっと読んで、必要なことが伝わるのがベスト。送り手の相手の意図を解釈するのに時間がかかったり、何度もやりとりを往復しないと結論が出ないのは、もどかしい! と今回は、「これまでは」または「一般的には」オッケーとされていることでも、時短が生きがいのせっかちさん相手には、「やめたほうがいい」ことを考えてみます。ただし、使えるのはビジネスでも数回やりとりしている間柄に限ります。
●時候の挨拶
書き出しは挨拶ではなくて、時短マニアには「お世話になっております。」のあとすぐ用件のほうがありがたいです。
●件名に自分の名前
「ごぶさたしております。○○です」という件名、いりません。名前は差出人でわかりますから、件名には短く用件を入れて欲しいです。できれば、期限つきで。「会議時間の変更/25日→27日になりました」とか。すぐ返事するべきか、あとでもいいかも、件名で決まるので。
●「ご多忙のところ恐れ入りますが」「お忙しいところ申し訳ございません」
あまりそうは思ってないだろうに、気遣ってるふうのその1文! そういうのに限って、いつが締め切りなんか、いつまでに返事が欲しいのか、書いてなかったりするし。メールのファーストビューに必要なことが映るよう、不要文言はできるだけカット! それに、必ず毎回こういう文が入っている人は、「フォーマット化してるんだろうな」という手抜き感さえ漂ってます!
●「ご査収ください」
「添付をご確認ください」くらいでいいですよね、この現代においては。ご査収は「内容を確認してお受け取りください」の意味なので、封書ならまだしも、メールには重たいです。
●相手の会社名や部署名、フルネーム
初めてのビジネス相手だったり、複数の受取人に同時送信していて、その中の誰あてかを明確にする必要がある場合以外は、もはやナシでもいいのではないでしょうか。そして、それを失礼と感じる人も、2018年の今、少ないのではないでしょうか。というわけで、「○○様」だけで。
●長い署名欄
星印がたくさんついていたり、「00年0月より異動になりました!(その異動日が1年以上前!)」、さらにはSNSのアカウントや住所など、たくさん情報を入れられても、そして、それがメールの往復ごとに増殖してくるのも、無用の長物。署名欄は3行程度にしていただきたいのが、私の希望です。
●相手のメール文面を消す
メールの設定でそうなっている人もいるかもしれませんが、実はそれ、受け取った側は、その前なんて書いたっけ?と自分の送信メールを探して見返さないといけないんですよ! 返信のときは、その前のメール文面は消さないで返信して!
はー、はー。今回は、かなりせっかちな感じになってしまいました。やらなきゃいけないことが、たまっていたもので。でも、不要なものをなくすと、残ったメール文面に、完結な用件と気持ちを込めることができるのも、事実です。社交辞令や定型文句にスペースを費やし、相手の時間を奪うより、受け手の立場や読むシチュエーションを考えて、ムダを削いだ状態でお渡しする。そして、ひと呼吸置いて、お礼の言葉だけは少し丁寧に書く。そのほうが、よほど相手への思いやりになるのではないでしょうか。
南 ゆかり
フリーエディター・ライター。10/3発売・後藤真希エッセイ『今の私は』も担当したので、よろしければそちらも読んでくださいね。Cancam.jpでは「インタビュー連載/ゆとり以上バリキャリ未満の女たち」、Oggi誌面では「お金に困らない女になる!」「この人に今、これが聞きたい!」など連載中。