「差し支えなければ、」とはお伺いや配慮を表現するクッション言葉|使い方や類語を解説 | Domani

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2021.06.23

「差し支えなければ」の正しい意味は? 使い方や類語を解説

「差し支えなければ、」とは、「もし都合の悪い事情がなければ」という意味のクッション言葉です。失礼な印象を与えないように、選択の余地を残しつつ依頼したいことを伝えるために使われます。今回は、そんな「差し支えなければ」の意味や使い方、類語などをご紹介しましょう。

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【目次】
 ・「差し支えなければ、」の読み方と意味とは
 ・「差し支えなければ、」の使い方・例文
 ・「差し支えなければ、」の使用で注意する点
 ・「差し支えなければ、」の言い換え表現・類語を3つご紹介
 ・「差し支えなければ、」の英語表現は?
 ・「差し支えなければ、」を上手に使おう

「差し支えなければ、」の読み方と意味とは

「差し支えなければ、」の読み方は、「都合が悪くなければ」との意味を持つ言葉であり、お願いしたいことがある場合に、柔らかい表現にするためのクッション言葉として使われます。「差し支えなければ、」の詳しい意味や、どのような効果を狙って使われるのかを確認しましょう。

差し支えなければ

(C)Shutterstock.com

■読み方は「さしつかえなければ」

「差し支え」は、「さしつかえ」と読みます。「支え」の部分が「ささえ」とも読むことが多いですが、「さしささえ」では誤りとなってしまうため注意してください。音としては知っていても、「差し支えなければ、」と漢字になっていると読めない場合もあるため、読み方と漢字での書き方をしっかりと覚えましょう。

■「差し支えなければ」とは「不都合がなければ」を意味

「差し支えなければ」は、「もし不都合がなければ」を意味する言葉です。そのうち「差し」とは、言葉の意味を強めるために使う接頭語にあたります。「支え」の部分を「ささえ」ではなく「つかえ」と読む場合、「邪魔なものがあるなど手詰まりになり、先に進めない・滞る」という意味となり、「つかえる」と使います。

「排水管で何かが詰まってしまって、水が流れていかない」といったときに使う「つかえる」と同じ使い方です。このように、「支え」だけでも何かにとって障害となることを指す言葉なのです。「差し支え」のひとまとまりでは、「都合の悪い事情」「さわり」「さまたげ」「支障」との意味があります。

「なければ」の部分は、形容詞である「ない」を仮定形にしたものに、「ば」の接続助詞が付いている言葉です。仮定の条件を表しており、「もしもないのなら」を意味します。つまり「差し支えなければ、」は、「もしも、あなたにとって都合の悪い事情やさまたげとなるものがないのなら、」と、選択の余地を残して相手に伝える言葉なのです。

■お伺い・配慮を表現するクッション言葉

この「差し支えなければ、」は、相手に対してのお伺いや配慮の気持ちを表現するためのクッション言葉です。クッション言葉とは、伝えたい言葉とあわせて使うことで、柔らかい印象にするための表現。相手になんらかをお願いしたい場合などに丁寧さを印象付け、依頼の表現をやわらげる役目を果たします。

自分がお願いしたい内容だけを伝えると、強引な印象を与えてしまったり、失礼な物言いとなってしまったりして、お願いしたい内容を伝えにくいという経験はないでしょうか。このような場合に「差し支えなければ、」を使うと、伝えたいお願いはしっかりと相手に伝えつつ、前置きによって押しつけではなく遠慮がちな印象にできるのです。

「差し支えなければ、」の使い方・例文

「差し支えなければ、」は、ビジネスシーンで使われることの多い言葉です。話し言葉として使えるだけではなく、書き言葉でも使える表現のため、メールでもよく用いられます。

差し支えなければ

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さらに「お」を付けて、「お差し支えなければ、」と表現することも。あまり聞きなれない表現のため違和感を覚える人もいるでしょうが、「お差し支えなければ、」も正しい言葉遣いです。それでは、「差し支えなければ、」の使い方について、例文をチェックしましょう。

■「差し支えなければ、」はビジネスでよく使われる

「差し支えなければ、」は、ビジネスで用いられることの多い表現です。目上の人に対する際に使われる表現であり、社内の上司へも取引先など社外の人へ使う言葉としても利用できます。丁寧さや相手への配慮をアピールできる言葉のため、自分の要望をはっきり伝えつつ礼を欠いてはいけない、仕事関係などのシーンでも使える表現なのです。

「差し支えなければ、」には、「こちらがやっていただきたい希望はお伝えしますが、都合が悪い場合は断っていただいて構いませんので」との意味が含まれています。自分の要望は伝えつつ、相手の都合を最も優先すると表現できるため、通常なら少し尋ねにくい内容であってもスマートに確認が可能です。

■「差し支えなければ、」はメールでも使用可能

「差し支えなければ、」は声に出して表現する際だけではなく、メールや手紙、SNSなどの書き言葉としても使用可能な表現です。そのため、ビジネスメールでもよく用いられます。

メールでは実際に会って話をしているときとは違って、相手の表情や話しているトーンといった情報が得られません。また、自分から相手に伝えられる情報も少ないです。

相手からすると、お願いされたら断りづらく、時には圧力のように伝わってしまうこともあるでしょう。そのため、クッション言葉をうまく使わないと、強く依頼をしているように受け取られてしまいかねません。

メールで依頼内容を伝える場合には、いつもよりも意識的に「差し支えなければ、」を活用することをおすすめします。

■「お差し支えなければ」は正しい表現!

「お差し支えなければ」は使われる頻度が低くなるものの、言葉として正しい表現です。ただし、「お」の連用に注意する必要があります。

例えば、「お差し支えなければ、お名前をお書きいただいてもよろしいでしょうか」では、「お」が付いた表現が過剰です。「差し支えなければ、」としたり、「記入していただいても~」としたりなど、「お」を減らしましょう。

お願いするときに用いるからこそプレッシャーにならないように「いつもより丁寧な言葉遣いを」と考えて「お」を使ってしまいがちです。一般的な表現である「差し支えなければ、」を用いるようにしたほうが、気を付ける部分が減っていいでしょう。

■「差し支えなければ、」の例文

「差し支えなければ、」を実際に使った例文も確認しましょう。例文は以下の通りです。

・「差し支えなければ、この後お時間をいただきたいのですがよろしいですか?」
・「差し支えなければ、個人情報をお伺いしてもよろしいでしょうか」
・「差し支えなければ、ミーティングで発表された内容について少しお聞かせ願えますか」
・「〇〇の件ですが、差し支えなければご教示よろしくお願い致します」

なお、「差し支えなければ、で構いませんので」との言い回しをする場合もあります。しかし、「差し支えない」も「構いません」も「支障がない」との意味が込められた言葉です。同じ内容を何度も繰り返していることになり、人によっては回りくどい・堅苦しいなどの印象を持たれる可能性があるため注意しましょう。

「差し支えなければ、」の使用で注意する点

「差し支えなければ、」はお願いしたいことを伝えつつ、受けるかどうかの判断を相手にゆだねるときに使う言葉です。そのため、断られると困ってしまうようなお願いの内容の場合には使えません。

差し支えなければ

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そのほか、丁寧な言葉遣いではあるものの敬語にはあたらないことや、返答はどのようにすればいいのかなどもあわせて確認しましょう。

■「差し支えなければ、」は敬語ではない

丁寧さを印象付けられる言葉遣いではあるものの、「差し支えなければ、」という表現自体は敬語ではありません。目上の立場の相手に対して使う際には、その後の言葉を敬体に直しましょう。

「差し支えなければ、名前を教えて」では、クッション言葉とそれにかかる言葉の印象が違い過ぎてしまいます。全体としては丁寧な印象を持てず、無礼な言い回しに聞こえてしまうでしょう。この場合「差し支えなければ、お名前を頂戴できますでしょうか」のように、全体的に丁寧で尊敬の意を込めた言葉遣いにします。

■断られてもいいときに使う

「差し支えなければ、」は相手の意思によってどうするか決めるよう、判断をゆだねるときに使う言葉です。そのため、断る判断をされると困ってしまうようなケースには使えません。

「差し支えなければ、今週中に提出していただけますか」と伝えた場合、相手はどうしても今週中でなければならないような緊急性が高い案件だとはあまり感じないでしょう。

「無理なら断ってもいいですよ」というニュアンスになってしまうため、どうしても頼みたい内容には「差し支えなければ、」を使わないようにしてください。

■断る際には表現に気を付ける

相手に「差し支えなければ、〇〇していただけますか」と判断を尋ねられたケースの返答方法もチェックしましょう。

可能かどうかを確認されている表現のため、もちろん断ることもできます。ただし、「いやです」「無理です」のように、あまりにもきっぱりと断ってはマナーに反するため、注意してください。

丁寧な物言いで質問をした相手に合わせて、返答をする側も「恐れ入りますが」「申し訳ありませんが」などと、礼儀にかなった表現にします。断る際は、配慮を見せてくれた相手に対して礼を欠いた言い方にならないよう気を付けましょう。

「差し支えなければ、」の言い換え表現・類語を3つご紹介

「差し支えなければ、」には「差し障りなければ」「不都合でなければ」などの言い換えが可能な表現があります。類語を覚えておくと、より自分の伝えたい内容に合った表現方法が選択可能です。

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「可能であれば」で言い換えをすることもできますが、可能かという言い回しでは「あなたはできるの?」とのニュアンスが含まれてしまいます。受け取る相手によっては嫌味に受け取られたり、見下されたように感じたりするかもしれません。このように、似た表現であっても言い替えには注意が必要です。

それでは、「差し支えなければ、」の言い換え表現を確認していきましょう。

類語1.「よろしいでしょうか?」

「よろしいでしょうか?」にも、提案を伝えた上で相手に判断をゆだねる意味があります。「お名前を教えていただいてもよろしいでしょうか」などと使いましょう。

また、「よろしければ」と言い換えをするのもおすすめです。「よろしければ午後からお時間をいただけませんか」「よろしければこちらのハンカチをお使いください」などと使えます。

類語2.「差し障りなければ」

「差し障りなければ」も「差し支えなければ、」と同じ意味で使われる言葉ですが、伝えたい対象の相手に違いがあります。

「差し支えなければ、」が基本的に個人に対して伝えるケースで使われますが、「差し障りなければ」では会社などの団体を対象として伝える際に用いられます。伝えたい相手に合わせて、適切な言い回しを選択しましょう。

類語3.「不都合でなければ」「ご都合がよろしければ」

「不都合でなければ」「ご都合がよろしければ」は、自分の依頼によって相手の都合が悪くなってしまわないかを問う言い回しであり、相手のスケジュールに合わせますね、という丁寧な言い方をしたいときに使います。

他にも、「ご面倒でなければ」「できましたら」なども言い換えが可能な表現です。

「差し支えなければ、」の英語表現は?

「差し支えなければ、」には、ぴったり同じ意味を持った英語表現はありません。英語に言い換えたいと思っても、シーンや文章ごとにニュアンスを合わせた表現をする必要があります。それでは、どんな言い回しなら英語でも「差し支えなければ、」に近い意味合いになるのかをチェックしていきましょう。

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<英語にはまったく同じ表現はない>

英語には「差し支えなければ、」とすべて一致する意味の言葉はありません。直訳では「If it’s not a problem,」ですが、英語ではこのような言い回しはあまりしないのです。ただし、似たような表現ができる言葉はあります。

例えば、質問したいことがある場合には「If I may ask」を選択しましょう。これは、「もしも私が聞いてもよろしいなら」を意味します。そのほか、「もしもあなたが大丈夫なら」は「If you are OK,」、「あなたが気にならないなら」の意味なら「If you don’t mind」といった表現を使いましょう。

「差し支えなければ、」を上手に使おう

「差し支えなければ、」は、丁寧な印象で自分のお願いを相手に伝えられるクッション言葉です。とくにビジネスシーンでよく活用されている便利な言い回しであるからこそ、大人として正しい使い方をマスターしたいもの。

より相手に正確に伝えられるよう、注意するポイントや類語もしっかりとチェックして、「差し支えなければ、」をうまく活用しましょう。

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