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2025.07.16

『お渡しする』の正しい使い方とは?間違った敬語や言い換え表現もご紹介

「渡す」の敬語表現〝お渡しする〟はビジネスシーンで使用することが多い言葉ですが、あなたは正しく使えていますか? 今回は「お渡しする」の正しい意味や使い方、言い換え表現などをご紹介します。

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Summary

  • 「お渡しする」とは、「渡す」という自分の行為をへりくだって相手に敬意を表現する謙譲語
  • 「お渡しさせていただく」は二重敬語。間違った使い方なので注意しましょう
  • 言い換え表現には「ご提出する」「送付させていただく」「お届けする」などがある

「お渡しする」の意味とは?

ビジネスシーンだけでなく、日常でも頻出しがちな「お渡しする」という言葉。しかし時々、語尾の「する」「いたします」などの表現をどうすればよいのか、迷う方もおられるのではないでしょうか。本記事では、言い換え表現や英語表現なども含めて紹介していきますが、まずは最初に言葉の意味をチェックしましょう。

会社のビルを違うビジネスマンの手に渡しているというイメージ画像
(c)Adobe Stock

意味

「渡す」という言葉には「自分の手から相手の手に渡す」「持ち物や権利を、相手に与える」などの意味があります。

わた・す【渡す】
[動サ五(四)]
・物の上を越えて、一方から他方へ物がとどくようにする。またがらせる。かける。「橋を―・す」「綱を―・す」
・こちらの手から相手の手へ移す。手渡す。「書類を―・す」「バトンを―・す」
・自分の持っているもの、権利などを他の人に与える。「土地を人手に―・す」
小学館『デジタル大辞泉』より一部引用

その敬語表現として使うのが「お渡しする」ですが、こちらは接頭語の「お」を「渡す」につけ加えた言葉です。この「お」をつけることで、「渡す」という自分の行為をへりくだって相手に敬意を表します。つまり、謙譲表現となるのです。

働く女性

「お渡しさせていただく」は、二重敬語となるので間違った使い方です。

ビジネスシーンでの使い⽅を例⽂でチェック

それでは「渡す」の敬語の使い方を3種類、例文にして紹介しますので一緒に確認してみましょう。

PCから出てきた書類を受け取るビジネスマンのイメージイラスト
(c)Adobe Stock

「お渡しします」

下記の例文では「渡す」に謙譲語の「お」と丁寧語の「します」を組み合わせています。謙譲語は自分の行為を自分よりも立場が上の人にへりくだるときに用いますので、丁寧語と似た表現になることも。こちらは上司や目上の人に対しても使えます。

例文

・資料は後ほどお渡しします
・今週中に、本日の議事録をお渡しします
・ささやかですが、お礼の品をお渡しします

「お渡しいたします」

「お渡しいたします」は謙譲語の「お」と、「する」の丁重な表現である「いたす」をあわせた言い回し。丁重語は謙譲語の一種であるものの、ふたつは種類の違う敬語ですので、二重敬語にはあたらないといえます。

「お渡しします」と比較してより一層丁寧な印象を与えられますので、社外の人や顧客・取引先の人、重役に対して使うと良いでしょう。

例文

・お帰りの際に、記念品をお渡しいたします
・部長から預かった書類をお渡しいたします
・本日の会議資料をこれからお渡しいたします

「お渡し申し上げる」

「渡します」とより丁寧な敬語表現にすると「お渡し申し上げる」です。謙譲語の「お」と補助動詞「申し上げる」を活用しています。補助動詞は謙譲語ではないので、二重敬語にはあたりません。

ただ、「言う」の謙譲語としても「申し上げる」を使うことから、誤解を招かないために使用を控える方もいるようです。

例文

・あらかじめお渡し申し上げた札と、引き換えとなります
・お詫びの品として、こちらをお渡し申し上げます
・お客様には、記念品をお渡し申し上げます

「渡す」の間違った使い方

「お渡しさせていただく」は正しいように見えて二重敬語に該当し、間違った使い方です。接頭語の「お」も「させていただく」も、どちらも謙譲語なので気をつけましょう。

働く女性

「お渡しさせていただく」は、二重敬語となる間違った使い方です。

類語や⾔い換え表現にはどのようなものがある?

「お渡しする」のほかにも言い換えられる敬語があります。5つほど紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

配達員から荷物を受け取る女性のイラスト
(c)Adobe Stock

提出する

「渡す」は書類や資料を相手に差し出すことを指しますので、「提出する」に言い換えることが可能です。「提出」に接頭語「ご」を付けることで敬語に変わります。

例文

・添付書類を記入の上、期限までにご提出をお願いいたします。

送る/送付

現代は手渡しでなく、資料や画像をメールや郵便を使って渡すことも多いですよね。この場合は「送る」「送付」を活用しましょう。「送る」「送付」を敬語にする場合は「~させていただく」と、相手を立てる謙譲表現をつけます。もしくは「お送りする」「ご送付いたします」など接頭語をつけて表すことも可能です。また、「送付」のほうが「送る」よりも固い表現のため、取引先や目上の人に使用する場合には適切といえるでしょう。

例文

・先日お送りした資料をご覧ください。
・履歴書を送付させていただきます。

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届ける

先方へ何かを渡すことの表現には「届ける」もあります。こちらを丁寧にする場合、接頭語「お」をつけて「お届けする」と言い換えると良いでしょう。または謙譲語の「いたします」と合わせて「お届けいたします」としても使いやすい表現です。

例文

・お中元をお届けする。
・〇日までにはお届けいたします。

郵送する

何かを郵便で送って渡す場合には、「郵送する」に言い換えられます。こちらも頭に「ご」を付けることで、尊敬語・謙譲語となります。

例文

・貴重な資料をご郵送いただき、誠にありがとうございました。

お譲りする/譲渡する

「渡す」の中には、物を単純に渡すという意味以外にも、譲渡を意味する「受け渡す」も含まれています。尊敬語にする場合「譲られる」「お譲りになる」です。また、熟語「譲渡」を使用する場合は「譲渡いたします」となります。

例文

・社長が次期社長に、席をお譲りになる。
・権利を譲渡いたします。

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