「渡す」を含む語
「渡す」を含んだ言葉はたくさんありますので、あわせて確認しておきましょう。

「手渡す」
こちらは重要な書類などトラブルを避けるため「必ず手渡しでお願いします」とお願いするケースがあるように、使用頻度の高い表現となります。
「渡し済み」
すでに物を渡し終えている際の表現となります。たとえば、相手に確認を取るときに「資料はお渡し済みでしょうか」などと使用可能です。
「引き渡す」
「自分の手元にある物やそばにいる人を、他人に渡すこと」を「引き渡す」と表現します。この表現は、「荷物を引き渡す」など物に対してだけでなく、「幼稚園や学校にいる子供を親に引き渡す」といった使い方もします。
「受け渡す」
「受け渡す」は「引き渡す」と似た表現として用いられますが、基本的には荷物や所有物のみを指すことが多いでしょう。名詞形の「受け渡し」は、日常でもよく目にする単語ですよね。
「譲り渡す」
「譲る」は「無償」で自分の所有物や権利、地位を他人に与える意を表します。「渡す」と組み合わせることで「自分のものを他人にわたすこと」を表現しているのです。
ちなみに、熟語の「譲渡」は使用頻度が高い語句です。
「明け渡す」
「退いて、その場を他の人に渡す」という意味が「明け渡す」にはあります。「家を明け渡す」「大統領の座を明け渡す」といったように、物や地位、立場を渡すときにも使う言い回しです。
英語表現とは?
英語にも「渡す」を表現できる言葉がいくつかありますので、覚えて使ってみましょう。
Pass:Please pass me the papers(その書類を取ってください)
Hand:My boss handed me this documents(上司からこの書類を渡されました)
Give:Give me that pen,Please? (そこのペンを取ってもらえる?)
このような表現が可能です。ただし「give」は「pass」よりも口語的な表現となり、失礼だと受け取られることもあるので、相手を選んで使う必要があります。
よくある質問
「お渡しします」に関して、ビジネスシーンでよくある質問とその回答をご紹介します。
Q1. 「お渡しします」は正しい敬語?
「お渡しします」は「渡す」の謙譲表現+丁寧語なので正しい敬語です。ビジネスシーンにおいて、問題なく相手への敬意を示すことができる表現といえるでしょう。相手との関係性やシーンに応じて、より丁寧な「お渡しいたします」や「お渡し申し上げる」などの言い回しと使い分けてください。
Q2. 「お渡しさせていただきます」は二重敬語?
「お渡しさせていただきます」は「お渡しする」と「~させていただく」が組み合わさった敬語表現です。ただし、いずれも謙譲語にあたるため、同じ種類の敬語を重ねて使っていることになります。これは文法的な間違いとされる「二重敬語」に該当しますので、一般的には使用を避けたほうが良いでしょう。
Q3. 「差し上げます」との違いは?
「お渡しします」と「差し上げます」は、いずれも相手に何かを渡すときに使用する謙譲語です。ただし、前者よりも「差し上げます」のほうが適切に使用できるシーンが限られます。
「お渡しします」は誰かに対して資料・書類などを渡す際など幅広く使用可能で、「差し上げます」は相手の利益になる物を提供するときや一方的に何かを与えるシーンに適しています。ビジネスにおいては日常的に「お渡しします」を使用しつつ、「差し上げます」は相手に何かを贈る・提供する場で使用する…そのように使い分けてみてください。
最後に
- 「お渡しします」はビジネスシーンで日常的に使用できる謙譲表現
- より目上の相手や重役に対しては「お渡しいたします」「お渡し申し上げる」が適している
- 相手に物品を贈呈する・一方的に提供する際は「差し上げます」を使用
今回は「渡す」という敬語表現について、いろいろと見てきました。日常生活では「渡す」という言葉をよく使いますよね。特にビジネスシーンでは、上司や目上の方、お客様などに書類や物を渡す機会も多いのでは? そんなシチュエーションこそ、幅広く役に立つ「お渡しします」のほか、より丁寧な表現にしたいときに使える「お渡しいたします」「お渡し申し上げる」といった言い回しの出番です。
この記事を参考に、相手や状況に応じた表現をセレクトしてみてくださいね。
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Domani編集部
Domaniは1997年に小学館から創刊された30代・40代キャリア女性に向けたファッション雑誌。タイトルはイタリア語で「明日」を意味し、同じくイタリア語で「今日」を表す姉妹誌『Oggi』とともに働く女性を応援するコンテンツを発信している。現在 Domaniはデジタルメディアに特化し、「働くママ」に向けた「明日」も楽しむライフスタイルをWEBサイトとSNSで展開。働く自分、家族と過ごす自分、その境目がないほどに忙しい毎日を送るワーキングマザーたちが、効率良くおしゃれも美容も仕事も楽しみ、子供との時間をハッピーに過ごすための多様な情報を、発信力のある個性豊かな人気ママモデルや読者モデル、ファッションのみならずライフスタイルやビジネス・デジタルスキルにも関心が高いエディターたちを通して発信中。
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