「こちらこそよろしくお願いします」は「むしろ私の方こそよろしくお願いします」という意味の言葉です。
Summary
- 「こちらこそよろしくお願いします」は「私の方こそよろしくお願いします」という謙虚な姿勢を示す表現
- 日常会話では省略して「こちらこそ」と言うこともあるが、敬語ではないので目上の人に対しては避ける
- 言い換え表現には「こちらこそよろしくお願い申し上げます」「私共こそよろしくお願いします」などがある
「こちらこそよろしくお願いします」の意味
「こちらこそよろしくお願いします」は馴染み深い言葉だからこそ、正しい意味の確認を怠りがちです。一緒に見ていきましょう!
意味
「こちらこそ」は、「こちら」と「こそ」の2つで成り立っています。「こちら」は話し手である自分や自分側の人たちを指す代名詞、「こそ」は前の言葉を強調する係助詞です。相手からの言葉に対して、「むしろ自分のほうがそう思っています」という気持ちを伝える言葉になります。
したがって「こちらこそよろしくお願いします」は、相手から「よろしくお願いします」と言われた際、「むしろ私のほうこそよろしくお願いします」という謙虚な姿勢を示すフレーズです。初対面の挨拶や新しい仕事がスタートするときなど、さまざまな場面で活躍しますよ。

ビジネスシーンでの使用場面
「こちらこそよろしくお願いします」というフレーズは、ビジネスシーンにおいて相手へ「感謝の気持ち」や「今後も良好な関係を築きたい気持ち」を表現する場面で使用されます。例として、下記のような場面での使用が想定されます。
【想定される場面】
・初対面の相手から自己紹介や挨拶を受けた場面
・商談や会議の終わり際に挨拶をする場面
・メールにおける締めくくりの挨拶とする場面
取引先や社内の人から「これからよろしくお願いします」「今後ともよろしくお願いいたします」と言われた際、返事として「こちらこそよろしくお願いします」というフレーズを使用することが多いです。
ビジネスシーンで使う時の注意点
日常会話では「よろしくお願いします」を省略して、「こちらこそ」と伝えることもありますよね。しかし、「こちらこそ」は敬語ではありませんので、目上の人に対して「こちらこそ」とだけ言うのはNGです。
また「こっちこそ」や「こっちのほうこそ」などは、ビジネスメールでは好ましくない表現です。「こっち」ではなく「こちら」という言葉を使いましょう。

「こちらこそ」は敬語ではありません。また、「こちら」を「こっち」と言うのもビジネスシーンにおいては好ましくありません。目上の人に使う際は注意しましょう。
使い方を例文でチェック
「こちらこそよろしくお願いします」は完成されている一文のため、使い方が単調になりがちです。しかし、場面に合わせた使い方を意識することで、自分の気持ちがさらに伝わる表現に変わるんですよ。

(c)Adobe Stock
「こちらこそ今後ともよろしくお願いいたします」
「これからもずっと」や「次も同様に」といった意味を持つ「今後とも」を組み合わせた使い方です。「これからもずっと関係性を築いていきたい」という思いが伝わる、温かい表現ですね。
「とんでもないことでございます。こちらこそよろしくお願いします」
「こちらこそよろしくお願いします」は、相手から「要望に応じることが当たり前だと思っている」と捉えられることがあります。「とんでもないことでございます」や「とんでもないことです」といった謙遜の言葉を入れることで、相手を立てることができますよ。
「このような機会をいただき嬉しいです。こちらこそよろしくお願いします」
自分の気持ちや感謝を伝える一言を添えれば、より丁寧で気持ちのこもった文章になります。相手と良い関係性を築いていく上でも、嬉しい気持ちや感謝を伝えることはとても大切です。
「こちらこそ何卒よろしくお願いいたします」
ビジネスシーンでよく使用される「何卒(なにとぞ)」は「ぜひとも」「どうか」という意味があり、この言葉を用いることで丁寧かつ切実なニュアンスを加えることができます。初対面の挨拶やプロジェクト・商談が一段落した場面など、重要なシーンで使用すると相手へ深い敬意を示せるでしょう。
「こちらこそ本年もよろしくお願いします」
このフレーズは相手から「あけましておめでとうございます」など、新年の挨拶を受けた際に返事として使用します。「昨年と変わらず、今年も良好な関係を築いていきたい」という気持ちを伝えられる言い回しです。