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【ビジネス会話】嬉しい気持ちを示す表現
ビジネスシーンで目上の人や取引先に対し、「嬉しい」と表現する場合は、敬語の言い換え表現を使うとよいでしょう。ビジネス会話で嬉しい気持ちを示す表現と例文を紹介します。

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大変光栄です
「光栄です」は、目上の人に喜びや嬉しさの気持ちを伝えるときに使う表現です。「大変光栄です」とすることで、この上なく名誉に感じていることを示せます。
また、依頼されたことを辞退する場合も「光栄です」を使うことで相手を立てつつ依頼を断ることが可能です。単に辞退するより角が立ちにくくなるかもしれません。
「大変光栄です」を用いた例文
- この度はこのような名誉ある賞をいただき、大変光栄です
- プロジェクトリーダーに抜擢していただいたこと、大変光栄に存じます
- 本日は皆様にお会いできて大変光栄です
嬉しく存じます
「存じます」とは、「思います」の謙譲表現です。「嬉しく存じます」とすることで、目上の人や取引先に対して、嬉しい気持ちを丁寧かつ控えめに伝えることができます。
自分のことだけでなく他人のことに対して嬉しく感じたときにも「嬉しく存じます」を使うことが可能です。会話だけでなく、ビジネスメールでも活用できます。
「嬉しく存じます」を用いた例文
- 本日はご多忙の中わざわざお越しいただき、大変嬉しく存じます
- 体調が順調に回復されているとのこと、心より嬉しく存じます
幸甚に存じます
「幸甚に存じます」は、「非常にありがたい、この上なく幸せに感じる」という意味の表現です。幸甚は「こうじん」と読みます。
「幸甚です」も丁寧な表現ですが、やや簡潔すぎて形式的な印象を与える場合も。敬意を込めた表現にしたい場合は、「幸甚に存じます」「幸甚の至りです」とするのが適しているでしょう。
「幸甚に存じます」を用いた例文
- 初めてお会いしたのにもかかわらず温かいお心遣いをいただき、幸甚に存じます
- お忙しいところ恐れ入りますが、至急資料をお送りいただけましたら幸甚に存じます
- ささやかな品ではございますが、お受け取りいただけましたら幸甚に存じます
喜ばしい限りです
「~の限りです」は、「最高に~だ」「これ以上ないくらい~」という意味です。「喜ばしい限りです」とすれば、喜びの気持ちが最大限に高まっていることを伝えられます。
取引先から業績が好調であることを報告された際や、新規契約が締結された際など、さまざまなシーンで使うことが可能です。
「~の限りです」には「とても~」「大変~」という意味が含まれており「とても喜ばしい限りです」「大変喜ばしい限りです」といった表現は冗長になり得るため、注意が必要です。
「喜ばしい限りです」を用いた例文
- 新商品についてお客様から高い評価を受けているとのこと、喜ばしい限りです
- プロジェクトが順調に進んでいるとのご報告、喜ばしい限りです
【ビジネスメール】嬉しい気持ちを示す表現
「嬉しい」という言葉は、ビジネスメールでもそのまま使用するのは避けた方が無難かもしれません。ビジネスメールで活用できる、嬉しい気持ちを示す表現を見ていきましょう。

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望外の喜びです
「望外」とは、望んでいた以上によい結果であることです。「望外の喜びです」というフレーズを用いれば、予想以上の喜びや意外な喜びを感じていることを示せます。
「望外の喜びです」は、 想定外の好意や成果に対して使う表現で、思いがけない喜びを伝えるのに適しています。頻繁に使う表現ではないため、意味をしっかりと理解した上で使いどころを見極めましょう。
「望外の喜びです」を用いた例文
- 私の誕生日に部署を挙げてサプライズで祝っていただけるなんて、望外の喜びです
- 仲の良かった同僚が退職後に会社を立ち上げて上場したとのこと、望外の喜びを感じています
この上ない喜びです
「この上ない」は、「これ以上のことはない」という意味の表現です。「この上ない喜びです」とすると、とても嬉しく思うことを丁寧に表せます。
なお、似た表現に「この上ない幸せです」があります。「この上ない喜びです」は短期的な感情とも捉えられますが、「この上ない幸せです」は長期的な感情を示すことができるフレーズといえるでしょう。
「この上ない喜びです」を用いた例文
- このような会合にお招きいただいたこと、この上ない喜びです
- 社長賞の受賞に至ったことは、私たちの部署にとってこの上ない喜びです
恐縮至極です
「恐縮至極」の「恐縮」は恐れて身がすくむような気持ち、「至極」は「極限、この上ない」を意味します。「恐縮至極」は「この上なく申し訳ない」という言葉ですが、感謝や喜びのニュアンスを含んでいます。
「申し訳ないほど嬉しい、ありがたい」という意味になるため、非常に大きな出来事が起こったときに使うとよいでしょう。なお、謝罪や依頼のシーンでも恐縮至極を活用できます。
「恐縮至極です」を用いた例文
- この度は多額の融資をいただき、恐縮至極でございます
- 恐縮至極に存じますが、ご対応いただけますと幸いです
- 多大なるご迷惑をおかけし、恐縮至極に存じます
【日常会話】嬉しい気持ちを示す表現
日常会話で「嬉しい」を多用すると、表現が単調になることも。嬉しい気持ちを示す言い換え表現を覚え、相手や状況に応じて使い分けてみましょう。

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胸がいっぱいです
「胸がいっぱいです」は、喜びの気持ちが込み上げてきて、言葉では言い表せないほどの充実感を得ている状態を表す表現です。嬉しさのあまり感情が高ぶっていることを伝えられます。
なお、同じような気持ちを示せるフレーズとして、「感無量です」「身に余る光栄です」「深く感銘を受けています」などが挙げられます。
「胸がいっぱいです」を用いた例文
- 小さい頃からの夢をようやく実現できて、胸がいっぱいです
- この1年間、プライベートを差し置いて努力してきた甲斐がありました。結果を出せて胸がいっぱいです
盆と正月が一緒に来たようです
「盆と正月が一緒に来たようです」は、嬉しい出来事が続けざまに起こることです。また、盆も正月も忙しいため、非常に忙しい状況を表す表現としても使われます。
「盆と正月が一緒に来たようです」を用いた例文
- 私に続いて弟も先日結婚し、盆と正月が一緒に来たようです
嬉しい気持ちを表現する際の注意点
嬉しい気持ちを示せる表現にはさまざまなものがありますが、言い換え表現をやみくもに使うのは避けたいところ。嬉しさを表現する際の注意点を解説します。

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過剰な表現を使わない
嬉しさを示せるフレーズの中には、「とても嬉しい」と最大限の感情を伝えられるものもあります。ただし、誇張表現は真摯さが薄れる恐れがあるため、安易に使うのは危険です。
かしこまった場面では、手放しで喜ぶのがふさわしくない場合もあります。実際には感情が高ぶっていても、過剰な表現はできるだけ避けましょう。
相手や状況に合った表現を使う
嬉しい気持ちを表現する際は、相手や状況に合ったものを選択することが重要です。たとえば、ビジネスシーンとカジュアルなシーンでは、ふさわしい表現が異なるでしょう。
重要な成果を上げたときなどは「この上ない喜びです」を使い、日常的な出来事で嬉しさを感じた場合は「嬉しく存じます」といった表現に留めるなど、シーンに合わせて使い分けることをおすすめします。
ビジネスシーンで「嬉しい」を言い換えてみよう
「嬉しい」にはさまざまな言い換え表現があります。ビジネスシーンではくだけた表現ではなく、敬語を用いて嬉しさを示すのが一般的です。
また、自分が感じる嬉しさのレベルをストレートに伝えるべきではないシーンもあるでしょう。言い換え表現ごとの使い方を押さえ、相手や状況に応じて適切に使い分けることが大切です。
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