【目次】
・そもそも「尊敬語」と「謙譲語」とは?
・使い⽅を例⽂でチェック
・「尊敬語」を使う場合はどんな時?
・「謙譲語」を使う場合はどんな時?
・「尊敬語」と「謙譲語」の見分け方
・最後に
そもそも「尊敬語」と「謙譲語」とは?
まずは、「尊敬語」と「謙譲語」の意味を調べていきます。「尊敬語」や「謙譲語」を使う際に混同される「丁寧語」も一緒に3つの明確な違いを確かめていきましょう。
「尊敬語」の意味
尊敬語とは、敬語の一つで、話し手が聞き手や話題の主の動作・状態を高めて表現するときに使うものです。具体的には、「いらっしゃる」「めしあがる」などの敬語動詞、「お読みになる」などの補助動詞があります。
「謙譲語」の意味
謙譲語とは、敬語の一つで、話し手が自分や自分の側にあると判断されるものに対して、へりくだった表現をすることで、相対的に相手や話中の人に対して敬意を表す言葉です。具体的には、「わたくし」「うかがう」「いただく」などが挙げられます。
「尊敬語」が相手に対して使うものであるのに対して、「謙譲語」は自分側に対しての表現であるというのが、わかりやすい違いでしょうか。では、丁寧語はどうでしょう。
丁寧語とは、敬語の一つで、話し手が聞き手に対し敬意を表して、丁寧にいう言い方です。具体的には「です」「ます」などが挙げられます。つまり、「尊敬語」が相手を高める、「丁寧語」は話し手が相手に敬意を表す表現法です。
まとめると、「尊敬語」と「丁寧語」は相手に対しての表現で、「謙譲語」自分を下げて相手に敬意を表す言葉ということになるでしょう。
使い⽅を例⽂でチェック
では、3つの表現の例文を見ていきましょう。
1:「先生がこのようにおっしゃいました」
「仰る」は「言う」の「尊敬語」です。「尊敬語」なので、発言の対象は目上の人や上司などに当たります。
2:「指示された通りにいたします」
「いたす」は「する」の「謙譲語」表現。「いたす」については、他にも使用法や意味があるのですが、今回の例文では、自己側の動作を低く言っているので、「謙譲語」として使われていると分かります。
3:「朝御飯はコーヒーで済ませています」
「丁寧語」の例文です。「あさめし」を丁寧に表現しています。私たちが日頃使用する「昼御飯」、「晩御飯」も丁寧語ですね。
「尊敬語」を使う場合はどんな時?
「尊敬語」はどんな時に使用すればよいでしょうか?なんとなく… の知識をしっかりとしたものにしていきましょう。
1:会社の上司など社内の人たちだけでいる時
社内の上司や目上の人といる場合には、「尊敬語」を使いましょう。例えば上司がご飯をたべるとき、「何を召し上がられますか?」というように「尊敬語」を使うと好感が持てますね。
一方、部署の先輩となると少し勝手が違うかもしれません。「尊敬語」を使うと仰々しく感じられます。「丁寧語」で対応するのがベターではないでしょうか。
2:目上の親族と一緒にいる時
目上の親族に対しては「尊敬語」を使用するのがベターですね。身内に「謙譲語」を使い、あまりにも自分をへりくだるような話し方をするのは不自然かもしれませんね。
「謙譲語」を使う場合はどんな時?
「謙譲語」はどんな場面でフィットする言葉なのでしょうか。一緒に見ていきましょう。
1:ビジネスシーンで取引先の方も一緒にいる時
同じ会社の上司のみなら「尊敬語」で乗り切れるところも、取引先の方がいると対応が変わってくるでしょう。例えば、ゴルフに誘われたときには、「私もゴルフをいたします」と「謙譲語」で返答するのが望ましいですね。
2:学校の先生などと一緒にいる時
学校の先生や師と呼べる方と一緒にいる時にも、「謙譲語」は必要です。例えば、自分の意見を述べないといけないときに、「意見を言います」よりは「意見を申し上げます」と言う方がより丁寧な印象に。「言います」は「丁寧語」、「申し上げます」は「謙譲語」になります。
「尊敬語」と「謙譲語」の見分け方
「尊敬語」と「謙譲語」、種類が違うことも確認できて、使う対象も大体は理解できましたか? では、どうやってその二つを見分ければよいのでしょう。
前述のとおり、見分け方は非常にシンプルです。主語が何かがポイント。「尊敬語」の主語は対象となるのが「相手」、「謙譲語」の主語は自分と覚えておけばよいですね。
「見る」という言葉を「尊敬語」と「謙譲語」に分けて見てみましょう。
「尊敬語」→「御覧になる」(尊敬の対象になる相手が)
「謙譲語」→「拝見する」(自分が)
この二つを比較することで「尊敬語」と「謙譲語」の違いをよく理解していただけたのではないでしょうか? 「どっちだったっけ?」と迷った時にはぜひこのことを思い出してみてくださいね。
最後に
「尊敬語」と「謙譲語」について解説しました。理解しているつもりでも、取引先や上司との会話で咄嗟に対応できないこともあるかもしれません。敬語は相手に対して敬う気持ちを表す言葉。使いこなすことができたら、相手とのコミュニケーションも円滑なものとなります。苦手意識を持たず、日々使っていくことで身につけていきたいですね。
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