「とても」の基本をおさらい

「とても」というワードの言い換え表現を考えるのであれば、まず「『とても』とはどういう言葉なのか」を今一度確認しておくことが重要です。元となる言葉への理解を深めれば、言い換え表現も自ずと見えてくるはずです。
「とても」の意味と使い方
辞書を引くと、「とても」には4つの意味があることがわかりますが、現代では主にそのうち2つの意味で使われることが多いといえます。具体的には下記の2つの意味で使われるのが一般的です。
・物事の程度が際立っている様子を表す
・(打ち消しの表現と共に使って)どうやってもかなえられない気持ちを表す
とて‐も【×迚も】
[副]《「とてもかくても」の略》
1 (あとに打消しの表現を伴って用いる)どのようにしても実現しない気持ちを表す。どうしても。とうてい。「迚も食べられない量」「迚も無理な相談」
2 程度のはなはだしいさま。非常に。たいへん。とっても。「空が迚もきれいだ」
3 結局は否定的な結果になるという投げやりな気持ちを表す。どうせ。しょせん。
「―お留守だろうと思ったんですけどね」〈里見弴・多情仏心〉
「―、地獄は一定すみかぞかし」〈歎異抄〉
4 よりよい内容を望む気持ちを表す。どうせ…なら。
「―我をあはれみ給ふ上は」〈仮・伊曽保・上〉
[補説]「迚」は国字。
小学館『デジタル大辞泉』より引用
上記の意味で使われる「とても」を用いた例文には、以下のようなものがあります。
「とても」の語源と歴史
副詞として使われる「とても」の語源は、「どっちにしても」という意味を表す「とてもかくても」といわれています。
「とても」が広く用いられるようになった中世のころは、現在のような「程度が極端な様子」を表す意味では使用されていませんでした。当時は「どうせ」や「いずれにしても」という意味を表す言葉として使われていたのです。
明治時代には、「とても」が打ち消し表現と共に使われる用法が一般化し、「どうやっても実現できない気持ち」を表す言葉として定着していきました。今のように「程度が際立っている様子」を表す言葉として使われるようになったのは、大正時代からといわれています。
汎用性が高い「とても」の言い換え表現

「とても」は便利な言葉であるものの、カジュアルな印象が強い言葉であるため、上司や取引先とのやり取りで連発するのは避けたほうがいいかもしれません。
ここからは、ビジネスシーンで「程度が際立っている様子」を表したいときに役立つ言葉を3つ紹介します。幅広く使える言い換え表現を知っていれば、さまざまな場面で自分の意図をスマートに表現できます。
大変
「とても」の言い換え表現として便利なのが「大変」です。「大変」の意味は、副詞として使うか名詞として使うかで変わってきます。
副詞の「大変」は「程度が並外れている様子」を表し、名詞の「大変」は「重大な出来事」などを表します。「とても」の言い換えとして使えるのは、副詞の「大変」のみです。
「大変」は「とても」よりも丁寧な印象がある言葉なので、フォーマルな場で「程度が著しいこと」を表したいときには、「大変」を使うのが適しています。
「大変」を用いた例文は以下のとおりです。
非常に
「非常に」も「とても」の言い換えに便利な言葉です。形容動詞の「非常」は、「程度がはなはだしい様子」と「行動や様子が普通ではないこと」を表します。「とても」の言い換えとして用いられるのは、前者の意味の「非常」です。
「非常に」は「とても」よりもフォーマルな印象がある言葉なので、さまざまなビジネスシーンで気兼ねなく使用できます。ビジネス文書を書くときにも重宝する言葉です。
「非常に」を用いた例文には以下のようなものがあります。
極めて
ボキャブラリーを増やしたいのであれば、「とても」の言い換えとして「極めて」という言葉も覚えておきましょう。副詞の「極めて」の意味は「程度がこの上ない様子」を表します。
「極めて」は、程度の高さが極限まで高まったときに使われるため、「とても」よりもやや強いニュアンスを含んだ言葉といえるでしょう。また、知的な印象を与える表現であり、文書の信頼性や権威性を高めたい場面での使用が効果的です。
「極めて」を用いた例文は下記のとおりです。
シーン別に使い分けたい「とても」の言い換え表現

「とても」の言い換え表現の中には、汎用性は高くないものの、知っておくと便利な言葉がいくつかあります。賢く使い分けることで、「ボキャブラリー豊かなビジネスパーソン」を演出できるでしょう。シーン別に使える「とても」の言い換え表現を紹介します。
驚くほど
強く感情が揺さぶられたときには、「とても」の代わりに「驚くほど」を使うと効果的です。
「驚く」の意味は「予想外の事態に遭遇してショックを受けること」です。「~くらい」という意味を持つ「ほど」を後ろに付ければ、「びっくりするくらいにすごいこと」という意味合いになります。
「驚くほど」を用いた例文は以下のとおりです。
確かに
「確かに」は「とても」と同じ意味で使える言葉ではないものの、文脈によっては〝評価の高さを事実として強調したい場面〟で用いることができます。
「確かに」は「物事が確かに間違っていないこと」を表し、「間違いなくそうである」という事実を強調するときに使用される表現です。
「確かに」を用いた例文には以下のようなものがあります。
全然
打ち消しの表現と一緒に使う「とても」の言い換えとして使えるのが「全然」です。「全然」の意味は、打ち消しや否定の表現と共に用いて「まるで~ない」や「少しも~ない」という意味合いを表します。
「全然」というワードは、肯定表現と組み合わせて「非常に」「とても」の意味で使われることもあります。ただし、この使い方はやや口語的・俗用的な表現であるため、使用シーンには十分注意しましょう。
「全然」を用いた例文は下記のとおりです。
まとめ
- 「とても」は程度が著しいことを表す副詞
- シンプルに言い換えるなら「大変」「非常に」「極めて」などが使える
- 場合によっては「驚くほど」「確かに」「全然」なども言い換え表現になりうる
「とても」は口をついて出てしまいがちな言葉ですが、シーンによってはそぐわないこともあるので注意が必要です。よりフォーマルな場では、ほかの言い換え表現を使ったほうが印象がよくなる場合もあります。「とても」の代わりに使える表現をたくさんインプットして、シーンごとに適切な言葉を使い分けましょう。
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Domani編集部
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