モバイルバッテリーは“必ず手荷物”で持ち込み!
まず大前提として、モバイルバッテリーは預け荷物に入れてはいけません。 航空機の貨物室では温度管理が難しく、衝撃や温度変化による発火リスクがあるため、すべてのモバイルバッテリーは機内持ち込み(手荷物)での扱いが義務付けられています。これは 2025年の改正前から存在するルールですが、違反した場合は保安検査で没収されることもありますので注意が必要です。
さらに、手荷物で持ち込んだモバイルバッテリーは機内の上の物入れには入れず、すぐ状態を確認できるようにしておかなければなりません。たとえば手元に置いておくか、または座席前の物入れに入れる必要があるのです。そして、機内ではモバイルバッテリーを使用せず、備え付けのUSBプラグ等を使用して充電することをおすすめします。
上の物入れにモバイルバッテリーは収納できません。

アナウンスでもお知らせがありますが、ついうっかり大きな荷物と一緒に棚に入れてしまいがちですが、棚に入れておいて気づかずに発火してしまったという事象が報告されています。
いつでも状態を確認できる位置に置いておく

シートの前ポケットに入れておくのがおすすめ。モバイルバッテリーは中身が見えるようにジッパー付きの保存袋に入れておくのが◎。
USB付き等多機能スーツケースの場合はバッテリーが取り外せるタイプか再確認!

最近増えた電源がとれるタイプのスーツケースですが、バッテリーの着脱が可能なものをセレクトして。
2025年7月から義務化! 「PSEマーク」の確認を
今回のルール改正で大きく変わったのが、モバイルバッテリーに対するPSEマークの義務化です。 PSEとは「電気用品安全法」に基づく安全基準をクリアした製品に付けられるマークで、これまでは一部を除きモバイルバッテリーは対象外でしたが、 2025年7月からはすべての販売用バッテリーが対象に。
さらに、機内に持ち込めるモバイルバッテリーの容量にも制限が加えられました。現在航空機内に持ち込めるモバイルバッテリーの条件は、以下のようになっています。
・100Wh以下(おおよそ27,000mAh程度):制限なく持ち込み可能(ただし預け入れ荷物は不可)
・100Wh超〜160Wh以下:航空会社の事前承認が必要。基本的には2個まで
・160Wh超:原則、機内持ち込み不可
ただし、ご自身が利用する航空会社によってルールが異なるため、心配な方は事前の確認が必要です。

これからモバイルバッテリーを購入する方はPSEマークが付いているか、しっかり確認しておきましょう。このタイプにすると、あれこれ使い分けなくていいので便利です。よく渡韓するライターさんも日本・韓国どちらも出国時に、モバイルバッテリーの保管方法と種類の目視チェックを受けたと言っていました。
安全のために、旅支度に「ひと手間」を
便利な一方で、モバイルバッテリーは誤った使い方をすれば火災や機内トラブルの原因にもなり得ます。 2025年のルール改正は、単に規格外製品の販売を制限するだけでなく、旅行者自身が「安全に使う責任」を持つことも促すものです。
旅行前には、
・PSEマークの確認
・容量(Wh) の確認
・機内持ち込み方法の確認
この3点をチェックリストに加えておくことをおすすめします。
安全な準備が、安心で楽しい旅の第一歩です。 元CAとしての経験から言えるのは、「正しい知識が一番のトラブル予防」。ぜひ新ルールを理解して、快適な旅行とフライトをお楽しみくださいね。
※モバイルバッテリーの機内持ち込みや収納に関するルールは、利用される航空会社の規定を必ずご自身でご確認ください。
Domani専属読者モデル/Domani Labメンバー
鈴木まき
客室乗務員として8年勤務し、その後外資系の不動産会社に就職。2人目を出産するタイミングで退社してからは、数年間専業主婦として過ごす。歯科助手として働きながら医療事務の資格を取得し、総合病院へ転職。マナー講師としても活動。趣味はゴルフやジム通いのほか、国内・海外問わずの子連れ弾丸旅行も。
Instagram:@mm.suzuk
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